LIFESTYLE
:「書き出すことで自信に」 自己肯定感が上がる、小川紗良さんの手書きの習慣とノート整理術
LIFESTYLE
:たくさんの情報があふれている今だからこそ、自分の気持ちや考えに向き合う「手書きの時間」をつくる人が増えているそう。
書くことに夢中になっている人に、書き続けている理由や続けてよかったことを伺います。
今回は、俳優や文筆家など、多彩でマルチに活躍する小川紗良さんに聞きました。
お話を聞いた
小川紗良さんProfile
おがわ・さら/文筆家・映像作家・俳優。1996年生まれ、東京都出身。俳優として、NHK連続テレビ小説「まんぷく」(2018-2019年)に出演し注目を集める。初の長編監督作『海辺の金魚』(2021年)は自ら小説化も手がける。現在、J-WAVE「ACROSS THE SKY」でナビゲーターを務めている。
「これまでの積み重ねが書き出すことで可視化され、自信になりました」

書いて言語化することが自己分析の手助けに
文筆家、映像作家、俳優、ラジオのナビゲーター。幅広い分野で活動し、さまざまな顔を持つ小川紗良さんは、幼い頃から〝書くこと〞に夢中だったといいます。
「空想して物語を作ったり、漫画やイラストを描くことが大好きで、暇さえあれば、自由帳や何かの裏紙などに、ひたすら思いついたことを書いていました」
こうして〝書くこと〞を自然と身につけていた小川さんですが、それが本格的に習慣化したのは、高校受験をする中学3年生のとき。
推薦入試の小論文、面接対策として、新聞記事の要約や自己分析をノートにまとめたことがきっかけになったそう。
「自分の長所や短所、今までどんなことをしてきたのか、なぜその学校に入りたいのか、これから何をすべきかなどを書き出していきました。
改めて文字にしていく作業は、頭の中がクリアになり、自分の中で積み重ねてきたものも明確に浮かび上がって、自信になりましたね。
きっかけは受験でしたが、私には合っていたようで、自分自身と向き合った時間は人生の大きな財産になりました」
「ふと、ノートを見返すと大切なことを思い出させてくれます」

書くことは呼吸することと同じ
それ以来、大学受験、授業、映画制作、オーディションといったプロジェクトや節目の出来事には、ノートを作り、それに向けてするべきこと、取り組みなどを書いて可視化するように。
「大学で是枝裕和監督の『テレビ論』という講義をとっていたのですが、今日、久しぶりに授業用ノートを読み返したら、ドキュメンタリー制作に関する言葉を見つけました。
〝被写体の自己表現の欲求を撮る〞と。当時の私も心に留めておきたくて書いた言葉ですが、実はドキュメンタリー映画を制作している最中なので、今見てもハッとさせられました。
と同時に、手書きだと手軽に振り返ることができるし、わかりやすくてやっぱりいい。デジタルで残していたら、探しきれずに、こうした気づきも逃してしまいそう……」
また、小川さんはバッグの中に小さめのノートを常に忍ばせているのだとか。かれこれ2年間愛用しているというノートのページには、日々のふとした瞬間に思いついたこと、訪れた美術館で感じたこと、そのときに読んでいる本の中で心に留めておきたいフレーズなどを、メモとして自由に綴っているといいます。
「私にとって書くことは呼吸と同じ。心が動かされたことは、流れてしまわないようにすぐに書き留めています。
そうしてアウトプットすることで思考も整理されますし、映像やエッセイ、ラジオにつながる種になることも」
〝書くこと〞は、多彩な才能を持つ表現者・小川さんの原点になっているようです。
\ Sara’s Writing Notes /
書き溜めるノートはプロジェクト別に

#1 高校の推薦入試に向けた小論文と面接の対策用
#2 大学の授業用
#3 大学の受験、転部対策用
#4 自身が手がけた映画『海辺の金魚』用
#5 普段の持ち歩き用
取材のために持参してくれた、これまで書きためてきたノートの一部。
勉強や仕事では主にキャンパスノート、普段の持ち歩き用にはポケット付きのロルバーンを愛用。
「そのときどきで取り組んでいるプロジェクトごとに、ノートを作っています」
note #1
高校の推薦入試に向けた小論文と面接の対策用
「自分の長所も短所も俯瞰で見ることが大切」

高校受験対策では、自分の短所や長所、その活かし方や克服方法などまで自己分析。
「中学3年で自分を見つめ直したことはとてもいい経験となって、今でも役立っています」
note #4
自身が手がけた映画『海辺の金魚』用
「映像制作用のノートには背景まで細かく書き込みが」

合計3冊まで及んだ脚本・監督を務めた『海辺の金魚』の制作ノート。
絵コンテとともに、登場人物の部屋の間 取りなど、バックグラウンドの設定も丁寧に書き込まれています.。
note #5
普段の持ち歩き用
「携帯用ノートはポケット付きが便利」

「ノートに記した感想とセットにして残しておきたいから 」と、訪れた美術館やイベント、ライブなどのチケットは、ロルバーンノートのポケットに入れて、持ち歩いています。
私が手書きを続ける理由
漠然と考えていたことや感情も、書き記すことで可視化され、どんどん頭の中が整理される感覚になります。
●振り返ったときに記憶が結びつきやすい
心に留めたい言葉を書いておくと、見るだけで記憶が呼び起こされ、大切なことを思い出すことができます。
こちらもチェック!
photograph: Yuki Nasuno hair & make-up: Kaede Madachi text: Kazuyo Nojiri
リンネル2025年7月号より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
おすすめ記事 RELATED ARTICLES
Recommend
SNAPRanking
DAILY
/
WEEKLY






































