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なりたい自分に近づくための心の整理術 一冊のノートに書き出すワーク なりたい自分に近づくための心の整理術 一冊のノートに書き出すワーク

高井祐子 心の整理術 心のノート

新しいことに挑戦したい季節。それなのに一歩踏み出せずにいる、ということはありませんか? 公認心理師で臨床心理士の高井祐子さんに、自分の考え方のクセに気づき、心の揺らぎとうまく付き合う方法を教えてもらいました。

目次
なりたい自分に近づくための心の整理術 一冊のノートに書き出すワーク
  1. まずは「心のノート」を一冊用意して。書いて声に出して読むことで、心が整う
  2. 【心のノートワーク1:日中編】日中は、モヤモヤを流す5STEP
  3. 【心のノートワーク2:夜編】自分をほめてから眠りにつく
  4. CHECK! もし、やりたいことがわからないときは?
  5. 教えてくれた 高井祐子さんprofile

まずは「心のノート」を一冊用意して。
書いて声に出して読むことで、心が整う

新生活がスタートしたこの時期は、いつもと違う環境になじめず、ちょっとしたことで落ち込んだり、焦りを感じる人も多いという高井さん。そんなときは、気持ちを書き出す「心のノート」を用意するのが大切だとか。

「モヤモヤした気持ちから、一旦離れると心が落ち着きます。日中はそれをノートに文字にして書くことで距離を取り、声に出して確認します。夜はほめる時間と決め、毎日自分をほめることを書く。ダメ出しをしたくなる人は多いと思いますが、反省会にならないよう気をつけて。くよくよ考え始めたら、刺しゅうなどの単純作業をしたり、ヨガやピラティスで細く長い呼吸に集中し、悩み事から距離を取るのもおすすめ」。

なりたい自分に近づくため、心の整理を習慣化してみて。


【心のノートワーク1:日中編】
日中は、モヤモヤを流す5STEP

<STEP 1>心のノートにモヤモヤしたときの出来事をそのまま書き出す

頭の中で考えているだけでは落ち込んだり、極論になってしまうことも。まずはそのときの出来事をそのまま書き出し、悩み事と距離を置きます。

(例)
「友達と話をして『私には理解できないわ』と言った」
「家や仕事でやらないといけないタスクが増えた」

<STEP 2>頭の中の気持ちを書き出し、落ち着いたら声に出して読んでみる

感情は自分自身の考え方からやってくるもの。文字として書き出し、感情移入をしないで読むと、落ち着いて考えられ、客観的な視点に立つことができます。読むときは、誰かが書いたノートを拾ったような気持ちで、同じ悩みを持っている人がいるんだなと客観的に考えることがポイントです。

(例)
「さっきの伝え方、相手の気分を悪くしちゃったかな」
「疲れているのに、やることがさらに増えてイライラする」

<STEP 3>本当にそうなのかな?と考えてみる

友人や家族が書いたものと仮定して、“もしあの人がこんなふうに落ち込んでいたら私はどう言うかな”、“こんなふうに悩んでいる人がいたらどんな声がけをしてあげられるかな”と考えてみます。人にはそう言えるけど、自分自身にはそうは言えないと思っても大丈夫です。

<STEP 4>3で考えたことを、もう一度ノートに書き出す

今の自分なら何と言ってあげたいかと考えると、「大丈夫」「心配しなくてもいいよ」といった、自分へのアドバイスが書き出せます。

(例)
「もうそんなことは相手は忘れているかも。今度は気をつけよう」
「十分がんばっているから、自分のペースでがんばろう」

<STEP 5>声に出して4で書いたことを読む

考え直したことを声に出して読むと、目と耳を使って五感を働かせ、心の整理をすることができます。すると悲観的になっていた感情が落ち着き、前向きな気持ちになれます。


【心のノートワーク2:夜編】
自分をほめてから眠りにつくための2 STEP

<STEP 1>心のノートに何かひとつ、自分をほめる言葉を書く

1日を振り返り、がんばったこと、よかったことをひとつ見つけます。できるだけハードルを下げ、当たり前のことでもできたことがえらいと考えます。

(例)
「今日は電車に間に合ってよかった」
「色々あったけど、何とか1日を終えることができてよかった」

<STEP 2>声に出して自分の名前も一緒に呼ぶ

書いた言葉を声に出して、毎日自分に言い聞かせるようにして読むと、自分自身のことが好きになり、自信が持てるようになります。

(例)
「◯◯、人前で話せてえらかったね、がんばったね」
「◯○、あの人に言われた嫌な言葉、にっこり受け流してえらかったね」


CHECK!
もし、やりたいことがわからないときは?

自分が「したいこと」なのか、「しないといけないこと」なのかをやる前に問いかけてみましょう。

声に出して自分のことを話すと新たな発見も。「自分がしたいと思ったことはチャレンジし、しないといけないことは無理してやらなくてもいいと考えます」

日常の中で、どんなことをしているときが好きなのか見つめ直します。「些細なことでもいいので、“私はこういう時間が好きかも”という心の声に耳を傾けてみて」と高井さん。

したいことが見つかったら、とにかくやってみて。上手にできなくても、失敗してもいいので、とりあえず飛び込んでみます。「始めたら続けなくてはと思っている人も多いですが、嫌だったらやめてもいいんです」


教えてくれた 高井祐子さんprofile

高井祐子 心理士 臨床心理士
神戸心理療法センター代表。公認心理師、臨床心理士。著書に『認知行動療法で「なりたい自分」になる』(創元社)がある。

illustration:Aya Iwaya text:Mayumi Akagi web edit:Riho Abe
リンネル2022年5月号より
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