LIFESTYLE
:ハワイよりもパラダイス!? 【西オーストラリア州パースが、バカンス先にぴったりな10の理由】(後編)
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:バカンスといえば、常夏の楽園ハワイ。それは間違いないのですが、正直「こっちのほうがいいかも」と思ってしまったのが、西オーストラリア州の州都、パース。
時差が少なくアクセスしやすいのはもちろん、意外と知られていない、粒よりの魅力をお伝えしましょう。
以前の記事はこちら
1.美しくおおらかな、暮らしと癒やしのビーチ
年間を通して温暖なオーストラリアの西海岸、インド洋に面したパース近郊に点在するビーチ。魅力は、抜けるような海の美しさはもちろん、観光地というよりも、どこか暮らしにほどよく、心地よく溶け込んでいること。
地元民の多くがサーフィンやカヤック、シュノーケリングなどのマリンスポーツに興じ、休日はもちろん、平日の朝や仕事終わりに楽しむ人も。また海辺をランニングや犬の散歩をしている人も多数。そこに混じっているだけで、オージーローカルな気分を味わえます。
大陸ならではの圧倒的なスケール感も特筆! いくら目を凝らせども果てが見えないビーチは、ゆえに混み合わず「海よりも人が気になる」なんてことは皆無。
また編集部のいちおしは、パースから高速フェリーでアクセスできる、ロットネスト島のビーチ!
起伏や表情のあるのんびりとしたビーチで、海岸のそばにはおしゃれなバーもあり。本を片手に、一日過ごしてみたくなります。
忘れてはならないのは、インド洋に沈む夕陽の美しさ。刻一刻とその色あいを変化させながら、混じりあっていくひととき、心がメロウに蕩けます。
パース界隈のビーチに共通するのは、そのおおらかさ。オージーたちの人柄を映し出すように、なんともゆったりとした余裕を感じるのです。
2.人生で出会わなかった動植物がたくさん
西オーストラリアは、その広さと長きにわたる地理的孤立により、ここにしかない固有の動植物がたくさんあります。
動物ならば、有袋類(ゆうたいるい)。なかでも今、大人気なのはクオッカです。「世界一幸せな動物」と呼ばれ、ロットネスト島に多く生息しています。(詳しくはこちらの記事もあわせてどうぞ)
ただ私たちの“推し有袋類”は、ウォンバット!
ずんぐりむっくりした体型に眠たげな表情、ファニーで愛嬌のあるルックスに、もうめろめろ!
「カバシャム・ワイルドライフパーク」では、スタッフにだっこされた隣で記念撮影もできます。
もちろん、おなじみのカンガルーやコアラも有袋類。日本では特定の施設でしか見ることのできない珍しい動物に、パースなら出会いたい放題です。
植物もしかり。西オーストラリア州に自生する約12000種以上のうち、約8割が固有種。
「キングス・パーク・アンド・ボタニック・ガーデン」では、西オーストラリア州全域から集められた約3000種のワイルドフラワーが、プロの入念な手入れによってみごとに咲き誇ります。
日本とオーストラリアでは季節が逆のため、旬は8月から徐々に北から波が始まり南下し、ベストシーズンは8〜11月。
3月の取材時はユーカリが文字通り、花ざかり。日本とは明らかに異なる、繊細ながらも野生味のある姿に心がきゅん、とするのでした。
3.ビーフにラム……肉食をトリコにするローカルミート
自然の豊かさは、そのまま食の豊かさに。パースには世界じゅうの肉好きを唸らせる、ローカルミートがたくさん。お馴染みは“オージービーフ”でしょう。
広い大地、美しい牧草でストレスなく、徹底した管理のもと育てられた牛は赤身と脂身のバランスが絶妙で、こうばしさとジューシーさが特徴。
街じゅうのレストランでいただけますが、なかでもあまりの美味しさに身をよじらせたのが、1840 年創業の老舗ワイナリー「サンダルフォード・ワインズ」に併設されたレストラン。
トップレベルのワインと、ボリュームたっぷりステーキのマリアージュは、もしも「肉食すごろく」があるならば、まさにあがり!のような食体験。
しかし! それに負けず劣らず、むしろ僅差で「優勝!」と叫びたくなったのは、ラム。
どの料理も絶品でしたが、とくにラムステーキは火の通り方が絶妙で、臭みはまったくなく、柔らかく、きめ細かく、むっちりしっとりとした肉質。まごうことなく、人生一のラムでした。
供されたのは、意匠すべてにセンスがほとばしる! 複合商業施設「ステート・ビルディング」内にある「ペティション・キッチン」にて。
4.リアルディズニーランドのような港町、フリーマントル
ぽん、と物語の世界に誘われたような気分に浸れたのが、フリーマントル。石造りの建物、スモーキーなカラーリング。港町ゆえの、どこかエキゾチックなムードがただよいます。
建物の高さがずらりと揃う、統一感が保たれた景観のひみつは、19世紀初頭。英国の植民地として計画的に開発、その歴史的価値を守るため、現在もなお厳しい建築規制が設けられているから。
ただ歴史を守るだけでなく、今をちゃんと生きている!と感じるのが、フリーマントル・マーケット。(金〜日、祝オープン)
アールヌーボー様式の建物には食材からお土産もののお店、ハニーケーキ(こっくりきれいな味)、ハーブティー(ワイルドな香り高さ)のお店などが所狭しと並び、活気に満ち満ちています。
5.街を歩くだけで刺激いっぱい!のストリートアート
パース市内は近年、市を挙げてストリートアートを盛り上げる動きがあり、街のほうぼうで地元のオージーアーティストによるウォールアートやグラフィティが、ぞくぞくと出現しています。
リアルなタッチから、メッセージ色の強い作品まで。さまざまなスタイルがありましたが、私たちがすっかりファンになったのが、「Amok Island (アモック・アイランド)」。
海の生物や自然をモチーフにした、カラフルでグラフィカルなタッチに目と心を奪われます。
他にも倉庫のような建物や「こんなところに?」と驚くような路地奥の壁にもアートがあり、まさに宝探しのような感覚で散策を楽しめます。
6.カフェのメッカ、パース。日本じゃ飲めない抹茶ドリンクも!
あたたかでおおらか、パースの気候風土と人柄によって育まれたのは、コーヒーを嗜む文化。朝からカフェに立ち寄り、一日のはじまりをゆったり過ごす。単なる飲食店を超え、社交の場としても定着しています。チェーン店よりも独立系のお店が多く、それぞれ異なる個性を持っているため、カフェめぐりは旅のマストな楽しみ。
コーヒーが飲めない、というあなたに耳打ちしたいのは、なぜか現地で流行しているという抹茶ラテ。
現地の人にはどうも抹茶=ヘルシーというイメージがあり、風邪を引いたとき『じゃあ抹茶を飲めば?』と言われる、なんて逸話も。
しかもフルーツのフレーバーを加えるのが主流で、一番人気はストロベリー。また柚子など、日本人からすると意外な組み合わせが好まれているよう。
飲んでみると苦みはほんのり、抹茶はむしろ甘みをすっきりさせる役目なのかもしれません。
7.高い抗菌力を持つ“奇跡のはちみつ”ジャラハニー
ここだけにしかない!まさにお土産におあつらえ向きなのが、西オーストラリア州の固有種であるジャラの木から採れるジャラハニー。近年、マヌカハニーにも負けず劣らずの高い抗菌力を持つことが、科学的に証明されました。
ポイントは、非過酸化水素性の抗菌活性NPA(Non-Peroxide Activity)。これが、抗菌力が強いとされるマヌカハニーのMGOに匹敵する値として注目されています。
風邪や喉のケアに、また腸内環境を整える助けにもなるというので、健康志向の人にはもちろん、複雑でコクのある甘みとキレのよい味わいで、はちみつ好きにも喜ばれそう。
私たちが購入したのはスワン・バレーにある「ハウス・オブ・ハニー」。
日本人のスタッフが在籍していて、ていねいに説明してくださいました。
8.5つ星ホテルからグランピングまで、宿の選択肢も豊富
旅がいい思い出になる鍵を握るのは、理想の宿との出会い。パースはモダンな都市でありながら、壮大な自然へのアクセスも抜群。つれて宿泊施設も多彩で「どんな体験をしたいか」に合わせて、選ぶことができます。
編集部いちおしのホテルはふたつ。まずはパース中心部に位置する5つ星ホテル「ダクストン・ホテル・パース」。
もと税務署だった建物をリノベしただけあり、おごそかで格調高い雰囲気です。
2024年の改装に伴い、刷新されたのは上層のクラブフロア。全室バスタブ付き、客室にはオージーアーティストのアートが飾られ、宿泊者専用のラウンジがあるのもうれしい。
清潔でモダンな部屋、屋外プールやフィットネスセンター、サウナまである充実した設備、そして安心と安定のサービス。まさに“外さないホテル”といえるでしょう。
もうひとつは、ロットネスト島にあるグランピングリゾート「ディスカバリー・ロットネスト・アイランド」。テントでできているといっても、その居住まいは洗練されています。
全部で83棟あり、カップル向けのラグジュアリーな部屋から、ファミリーやグループに向けた二段ベッドのリーズナブルな部屋まで、さまざまに用意。
また特筆すべきは、徹底した環境への配慮。エアコンを使わなくても過ごしやすいデザイン、使用した水の浄化といった取り組みなどを行っています。
9.公共交通機関も駐車も無料!のエリアがけっこうある
パースは豊かな自然と都市の機能、その調和が完璧にとれている街。バス・電車などの公共交通機関も充実しており、しかもかしこく利用すると、エリアの多くがタダで移動できるのです。
たとえばパース市内の主要なエリアを巡回するCATバス(Central Area Transit bus)は、チケットなしで乗り降り自由。
また通常の路線バスや電車も「Free Transit Zone(FTZ)」が設定されているエリア内であれば無料。「どこまで太っ腹!?」と言いたくなります。
車においてもしかり。ビジネス街であるパースシティ中心部では、平日の夜、また日曜日や祝日は日中ずっと、路上駐車が無料になるエリアが多くあります。
さらにパース周辺のスカボロービーチやシティビーチなどは無料駐車場が豊富にあり、ありがたいことこの上なし。
10.エアラインはANAの直行便でストレスフリー
これまでパースへの旅路は乗り継ぎ便が基本、移動に時間や手間がかかることがハードルの高さとなっていましたが、朗報! 全日本空輸(ANA)では2024年10月より、東京(成田)からパースへの直行便運航が再開。これにより、パースがてきめんに近く、便利になりました。
とくにありがたみを実感できるのは、小さなお子さんや、年老いたご両親連れの旅。また限られた日程で旅を最大限に楽しみたい人にとっても、大きなメリットといえるでしょう。
さらには日系エアラインならではの安心感。きめ細かいサービスや、何かが起きたときの対応力。あと何気にうれしいのは、日本語で観られる映画プログラムが充実していること。
これで長時間のフライトもなんのその、なのです。
【information】
・オーストラリアンピナクルズツアーズ
https://www.australianpinnacletours.com.au/japanese
・西オーストラリア州政府観光局、ANA
https://www.ana.co.jp/ja/jp/international/area/australia/per/
・西オーストラリア州政府観光局の公式インスタグラム
西オーストラリアの魅力を写真で紹介しています。
https://instagram.com/westernaustralia/
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edit & text & photograph:Mitsuharu Yamamura(BOOKLUCK)
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
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