【内田彩仍さん連載：明日もいい日になりますように】 「第32回 家時間を彩るクリスマス飾り」

冬の訪れを感じる季節となりました。

朝、目が覚めてもなかなか布団から抜け出せなくて、ついごろごろとしてしまいます。

初冬の候皆さまいかがお過ごしでしょうか。

毎年11月の声を聞くと、我が家ではささやかなクリスマスのしつらえをしています。

ここに越してきた年に見つけたブランチツリーをメインにして、玄関先を中心に飾り付け。毎年ほとんど同じ飾り方なのですが、このツリーの佇まいが好きで、気負わずに飾れて片付けも簡単なので気に入っています。

11月の初めに、まずはブランチツリーの足元を隠すための土台となる枝物を探しに、足繁く通っているガーデン＆フラワーショップの「ネーブルグリーン」にドライブがてら伺いました。

いつ訪れても目の前に広がる丁寧に作られた庭に癒やされて、通り庭を抜けて店先を訪れると、入り口にもクリスマスらしい素敵な寄せ植えが。毎年庭に飾るために買って帰る真紅のシクラメンも置いてありました。

店内に入るとこの時期ならでは、クリスマスの雑貨があちらこちらに。

オーナメントを吊るした枝物があったり、オリジナルのリースが置いてあったり。

目にしたものすべてにワクワクして、つい長居してしまいます。

大人らしいシックな雰囲気のサンタクロースや、シルバーのトナカイも。気に入ったものを一つだけ選んで飾るのも特別感があっていいですね。

ツリーのオーナメントやキャンドルなども豊富で、様々なコーナーに雑貨が植物と共に品よく飾られていて、どこもかしこも素敵。ずっと眺めていたくなりました。

店内でいろいろな飾りの足元に置かれていたもみの木。

毎年、我が家のツリーの足元は薩摩杉で覆っていたのですが、今年はもみの木がとても新鮮に感じて、もみの木をたくさん抱えて帰りました。

ブランチツリーの足元隠しに使ったもみの木。いつもよりボリュームがあるからか、より自然な雰囲気に仕立てられて深い緑も冬らしく、とても気に入っています。

玄関先と２階の窓辺に飾っているLEDキャンドル。足元には薩摩杉をくるりと丸めて添えたり、リースを飾ったり。毎年、LEDキャンドルをこの場所以外にもいくつか飾り、冬の夜の常夜灯がわりにしています。

庭に落ちた枯れ葉を拾ったり、置いてある雑貨や家具を拭いたりして、庭をひととおり整えたら、ガーデンテーブルに残りのもみの木と、庭にある雑貨から合うものを選んでしつらえました。

綺麗に飾ろうと思うといつもなら面倒に思う庭掃除も頑張れますね（笑）。

今年は年明け早々から家族の病気が続いて、初めて経験することもたくさんありましたが、共に歩もうと決めていつもとは違う一年を過ごしました。

そんななか、「今年はクリスマスの飾り付けをするのかしないのか」と迷ったのですが、不安や心配事が多い一年だったので、気持ちが明るくなることを優先しようと思い、今年もしつらえることにしました。

大袈裟ではなくささやかにいつもと同じクリスマス。

様々なことに向き合うなかで、いつもと変わらない暮らし方ができたことが本当に幸せで、穏やかな気持ちでこの季節を迎えられたことに、とても感謝しています。

この年になるとそばにいる人が患ったり、自分も疲れやすくなったり。いろいろなことがあるけれど、「今日も笑っていられたら大丈夫」そう思えるようになりました。

夜中、ふと目が覚めて玄関先に行ってみると、タイマーで灯しているツリーの灯りがキラキラとやさしく光っていて癒やされました。

こんな小さな幸せが日々には必要で、家時間も楽しくなるから、私は家を飾ることを続けているのだと思います。

今年も残すところ一か月とちょっと。

この年の瀬がどうぞ笑顔あふれる毎日でありますように。

そして、皆さまも私も、明日もいい日になりますように。

photograph: Kyoko Omori　Ayano Uchida　text: Ayano Uchida
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