マスク生活も少しずつ終わりが見え始め、たるみやくすみが気になるように。マスクなしでも自信を持って笑顔でいられるように、今からセルフメンテナンスを始めませんか？ マスクによる肌トラブルについて、その原因や症状を美容皮膚科医の慶田（けいだ）朋子先生に教えてもらいました。

お話を伺ったのは…銀座ケイスキンクリニック院長 慶田朋子先生

PROFILE

医学博士。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。日本レーザー医学会認定レーザー専門医。最新の医療機器と注射注入治療を組み合わせ、「切らないハッピーリバースエイジング」を叶える美容皮膚科医。

マスクの肌トラブルは原因は汗の刺激や皮脂量の増加によるもの

長引くマスク生活はさまざまな肌トラブルを引き起こします。
本来汗の蒸発とともに皮膚の温度が下がり、それ以上汗はかかないのですが、マスク内では汗が蒸発しにくく肌表面に残ってしまいます。その汗が刺激となり、湿疹などの肌荒れを引き起こす原因に。

マスク内部の温度が下がらないと皮脂量が増え、さらにマスクでこすれることにより毛穴が詰まり、ニキビができやすくなります。また皮脂を好む常在真菌マラセチアの刺激などで生じる脂漏性皮膚炎も見られます。

最近では温熱ストレスでも皮脂量は増えることがわかってきました。マスクによる温熱ストレスやマスクで覆われることによる精神的ストレス、人との繋がりが断たれてしまったことによる不安など、ストレスによる肌荒れやニキビも増えています。

マスク内でもやさしくほほえむ程度の運動を

マスクで口もとが隠れていると笑顔が伝わりにくく、無表情になりがち。マスクをしていても、口角を上げて静かにほほえむ、活舌よく話すなどの動きは大事です。

ただ動かせば動かすほど皮膚は老化してしまいます。たくさんしわを寄せるところはクセがついてしまうので、動かしすぎには注意。
実際、マスク生活で目もとを動かす機会が多くなり、目じりや額、眉間のしわに悩む人が増えています。

またステイホームで丁寧な暮らしをする人がいる一方、ダラダラと過ごしてしまった人も。積極的に外に出て緊張感を持ち、適度な運動をし姿勢を保つこともアンチエンジングの観点からは重要です。

基本的な生活習慣こそが老化に負けない美肌への近道

40歳以降、残念なことに肌の再生力は落ちていく一方。コラーゲンはどんどん分解され、糖化変性も加速、さらに過去に浴びた光老化の影響も出てきます。自分が生きてきた人生の中で、常に直近の2年が過去最高に老化しているということです。

具体的に顔では何が起こっているかというと、まず30代後半くらいから骨が萎縮し、顔の土台が小さくなることで、皮膚が雪崩のようにたるんでいくように。さらに表情筋のクセが強くなり、大きく動かしているところほど固まってしまいます。皮膚に関しては、真皮のコラーゲンやエラスチンが劣化し、ヒアルロン酸が減るなどが原因で垂れ下がり、深いしわが刻まれます。

このような老化は止めることができませんが、美肌の土台となるのは、食事や睡眠、排泄（腸内環境）、運動、ストレスコントロールなどの生活習慣です。骨が痩せないようにしっかりと食べることや、正しい姿勢で立つ、ウォーキングなどの適度な運動をするといったことが大切です。コラーゲンやヒアルロン酸、セラミドなど足りないものはサプリメントで補うのもおすすめ。

40代以降は特に、どれだけ努力したかでかなり差が出ます。楽しく活動的に外出したりおしゃれに装ったりして、そのためにがんばるという意識と努力こそが、見た目から若返る秘訣です。

美容の目利きさん４名にスキンケアのルーティーンをお聞きしました

モデル・kazumiさん「月に一度はクリニックでメンテナンスを」

「毎月定期的に美容クリニックでくすみやシミ対策、リフトアップの施術を受けています。信頼している病院は『代官山ウィメンズクリニック』や『松倉クリニック代官山』。施術や点滴のほか、肌悩みに応じたサプリや薬を処方してもらいます。

撮影やイベント前の朝はサウナへ。血行がよくなり、むくみが取れて顔がスッキリ。休日には『La SPA 麻布』でマッサージを。自宅では美顔器（セルキュア）やスチーマーでくすみやたるみをケア」

PROFILE

透き通るような白肌と抜群のファッションセンスで、『リンネル』でもおなじみの人気モデル。神社仏閣巡りやおやつ探訪など趣味は多数。WEAR フォロワーは115万人超え。

ヘアメイク・吉川陽子さん「くすみを感じたらお風呂で泥パックを」

「マスク生活が続いて表情筋を動かすことが減り、血流が悪くなるせいか肌がくすみがちに。そんなときはお風呂に入りながらクレイパックでケア。
くすみにはやはり代謝と血行のよさが大切。良質なクレイは汚れをきちんと落とし、肌を元気にしてくれます。シンプルですが効果を実感しています」

ミネラルを豊富に含むグリーンクレイが、肌の汚れを吸着して小鼻の黒ずみやくすみがスッキリ。ワントーン明るい肌に。アルジタル グリーンクレイペースト 250mL ¥3,960／石澤研究所

PROFILE

個性や魅力を引き出すメイクで多くのモデルや女優から信頼を得ている。女性誌や広告で活躍。

美容ライター・佐藤 陽さん「顔まわりのマッサージで滞った老廃物を流します」

「朝晩のスキンケアで顔まわりをマッサージしています。大切なのは顔だけではなく、顔まわりの老廃物も流すこと。首のリンパ→耳まわり→頰→目まわり→アゴ→首すじの順に、1～3回ほどやさしく老廃物を流します。
時間に余裕があるときは、さらに脇→肩回し→首のリンパを加えて10分ほどマッサージ。顔には化粧水、乳液、美容液、クリームを使いながら、体はオイルを塗りながら。美容液やオイルは、気分で香りやテクスチャーを使い分けています」

〈右から〉清々しい精油の香り。デュアルエッセンス ボディオイル 01 SUNDAY BEST 50mL ¥6,600／アスレティア、マッサージローラー付き。エリクシール エステティックエッセンス AD40g ¥6,050／エリクシールお客様窓口

PROFILE

美容ライター。アロマコーディネーターの資格も持ち、美容系の記事を中心に活動中。

ヘアメイク・高松由佳さん「マッサージや育毛ブラシで頭皮をほぐすのが日課」

「朝起きてくすみや寝不足グマを感じたら、ホットタオルで耳や顔を温めてやさしくマッサージしています。
今まではリフトアップのために美顔ローラーやEMS美顔器なども使っていましたが、今のマイブームは『林足研究所』の育毛ブラシ。固まってしまった脂肪細胞を分解する特許技術を持った特殊なブラシを、バスタイムやテレビを見ているときに使っています。育毛効果と同時に頭皮がほぐれ、むくみも改善される気がします。
最近発売された顔用のブラシも使い始め、効果を期待中」

〈上から〉脂肪燃焼効果のある小顔ブラシ¥33,000、発毛・育毛促進の特許を取得した頭皮専用ブラシ¥33,000／ともに林足研究所

PROFILE

ヘア&メイクアップアーティスト・山本浩未氏に師事。独立後、『リンネル』をはじめ、数々の女性誌や広告などで幅広く活躍中。

表情筋トレーニングでマスクオフしても自然な笑顔に

マスク着用やリモートワークが続くと笑うのが苦手と感じることも。表情筋を鍛えると、自然な笑顔が出せるようになります。今すぐできるトレーニング方法を知り、日頃からケアを。

＞＞表情筋を鍛える１日３分のトレーニング方法。自然な笑顔で好印象に！

毎日のフェイスメンテナンスでマスクオフも怖くない！

これからマスクを外すことにより気になることが増える肌トラブル。美容の土台となる毎日の生活習慣を意識しながらのセルフメンテナンスで、いつでも自信を持って笑顔でいられますように！

＞＞マスク生活で、ほおや下あごのたるみが加速中！ 今すぐできるたるみ解消トレーニング

＞＞加速する“ほおのたるみ”をストップ！ こりとむくみをほぐす簡単セルフケア

photograph:Ai Tomatsu text:Nahoko Morimoto illustration:Nao Anami　ｗeb edit & text : Liniere.jp
リンネル2023年3月号より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください