女優・奈緒さん：映画や本やお笑いをヒントに 暮らしの中に笑いを見つける 女優・奈緒さん：映画や本やお笑いをヒントに 暮らしの中に笑いを見つける

上京したばかりの頃は本や映画が相談相手だったと語る女優の奈緒さん。自分の気持ちに合った作品との出会いを大切にしている奈緒さんに、笑って元気になれる作品について聞きました。

見終わった後、1日がちょっと楽しくなるような。そんな作品が好きです。

「作品を選ぶ時間も幸せでした」。そう言ってピックアップした作品を振り返る奈緒さん。彼女の惹かれる笑いにはこんな共通点がありました。

「半径3メートル以内に起きている出来事への視点を広げてくれるような作品に出会うと嬉しくなります。いつもだったら見過ごしていたことがおもしろく見えてくるような、生活に直結する笑いのある作品が好きです」

作品を選ぶときは、直感やタイミングも大切にしているといいます。「ポスターやワンフレーズに惹かれて作品を手に取ることが多いのですが、それも今の自分のフックになっていると思うんです。無作為に開いたページに気になる言葉を見つけたら、あ、これだ！ って答えが見つかったような気持ちになります」

突っ込みどころ満載の会話劇に大盛り上がり！
『楽しいムーミン一家』

テレビ東京系列で1990年に放送開始されたムーミンのアニメシリーズ。『楽しいムーミン一家 冒険日記』を含む104話からなり、世界各国でくり返し放送され人気を博した。
© Moomin Characters TM

「大人になってから好きになったムーミンのアニメシリーズ。なんて深いんだろうと、いつ見てもその世界観に驚かされます。特にお気に入りなのが、『ムーミンパパの家出』というお話。ムーミンパパとムーミンママの噛み合わないまま進んでいく会話がかわいくて可笑しくて……。友だちと一緒に大笑いしながら見られる作品です」

視点によっておもしろさも変わる、リピート必至の一作
『フレンチアルプスで起きたこと』

スウェーデンのリューベン・オストルンド監督の日本初上陸作品。フレンチアルプスで起きたある出来事をきっかけに、絵に描いたような理想の家族に不穏な変化が訪れる……。
© Fredrik Wenzel　¥3,800／オデッサ・エンタテインメント

「“人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇である”っていうチャップリンの言葉がまさに当てはまる映画。夫婦の会話や家族の変化を前にしたまわりの反応がすごくリアルで、人間の滑稽さや可笑しみに思わず笑っちゃいます。自分の日常で起きたちょっと辛いことも時間が経つと笑い話になるのかな、なったらいいなって思えるような。そんな作品です」

日常がぐんと愛おしくなる、言葉のマジック
岩井勇気『 僕の人生には事件が起きない』

事件が起きないはずの「ありふれた人生」に何かが起こる……。2019年に刊行されたハライチ・岩井勇気初となるエッセイ集。満載の自筆イラストも見どころのひとつ。
岩井勇気『僕の人生には事件が起きない』（新潮社刊）

「岩井さんの日々への視点や言葉の選び方が独特で、なんてことないものにもクスリと笑ってしまうエッセイ集。日常で感じた小さなことを言葉で残しておきたくなって、私も日記を書き始めました。こんなふうに家にあるものやそばにいる人を見たり言葉にしてみたら、毎日はこんなにおもしろくなるんだって、そんな気づきをもらえた作品です」

青春の1ページであり、笑いの秘密兵器
『M-1グランプリ2006完全版史上初！ 新たな伝説の誕生～完全優勝への道～』

全審査員がチュートリアルに投票するという史上初のパーフェクトな勝利となった「M-1グランプリ2006」の決勝戦のほか、完全密着した舞台裏ドキュメントも収録。
©朝日放送／吉本興業　¥5,800／よしもとミュージック

「どのネタも最高におもしろくて、DVDも買いました。ライセンスさんが特に好きで、まるっと1本ネタを覚えたほど。意気投合した友だちとそのネタを言い合いながら高校から帰ったり……。その子とは今も仲良しなので、M-1きっかけの縁と言っても過言じゃないです（笑）。どうしても笑いたいときやちょっと昔に戻りたくなったときに見ています」

女優奈緒さん×小説家瀧羽麻子さん『春ときどき初夏、装い良好』朗読動画はこちら

Vlog【朗読】女優奈緒さん×小説家瀧羽麻子さん『春ときどき初夏、装い良好』

photograph：Miho Kakuta　styling：Junko Okamoto　hair & make-up：Ayumi Takeshita　text：Miiki Sugita　web edit：Liniere.jp
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