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【映画『パリ・ブレスト』インタビュー】 天才パティシエのヤジッド・イシェムラエンさんが教えてくれる、夢をかなえる方法 【映画『パリ・ブレスト』インタビュー】 天才パティシエのヤジッド・イシェムラエンさんが教えてくれる、夢をかなえる方法

過酷ながらも、恵まれていたと感じる子ども時代

預けられたホストファミリーの息子さんがパティシエだったことをきっかけに、お菓子作りが人生で欠かせないものになったというヤジッドさん。実母からの愛はなかなか感じられなかったものの、ホストファミリーや学校の先生、研修先のシェフなど、才能を認めてくれた人の存在が大きかったよう。

「僕はすごく恵まれていたと思います。この映画の原題は『À la belle étoile(フランス語で“美しい星”)』なのですが、野宿をするという意味もあり、それと同時に星に見守られている意味も込めています。本当にいいタイミングで、いい出会いに恵まれてきたなと思います」

僕にヤキモチを焼く人もいましたけど、と笑うヤジッドさん。人生がよい方向に向かうと、出鼻をくじかれるような経験をたくさんしてきたことが映画を観るとよくわかりますが、どんな辛いことがあっても常に前向きに「世界一のパティシエになる」という気持ちを持ち続けたことが成功に繋がったといいます。

「僕自身、本当に下の方からはい上がっていった人間なので、障害が目の前に現れたからといって、諦めることはやっぱり考えられないんですよね。なぜなら障害は、僕の人生の日常の一部なんです。だから足を一歩ずつ前に進めていくしかない、そう考えていました。

周りには悪い誘惑もたくさんありましたが、それに勝てるだけの飢餓感が自分の中にありました。いろんなことが自分には欠けていた。だから大人になったときには、欠乏感を感じない生活をしたいという思いが、すごく大きかったんです。そういう生活をするためには、真面目に働いて勝ち取るしかないと思っていました」

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