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:【ハワイの新しい体験型旅スポット4選】 アロハスの心に触れる地域活動に参加! ハレイワ〜ワイマナロのサステナブルなエコツアー
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ワイキキビーチをはじめ、ダイヤモンドヘッド、ダウンタウン、ノースショアなど、世界中の旅行者が訪れるランドマークが詰まったオアフ島。ショッピングやグルメ、マリンアクティビティも楽しいけれど、もっと一歩踏み込んだ旅をしたいなら、アロハな心に触れる地域活動に参加しませんか?
今回は、先住民の伝統や価値観が根付くエリアで、トラベルライター・仁田ときこさんが地域の環境や文化について学べるエコツアーに参加してきました。旅の途中で参加できる活動がたくさんのハワイレポート第2弾です!
ハワイのエコツアーに参加したのは…
①伝統作物・タロイモを素足で耕す農業体験
【Kualoa Ranch】

オアフ島の北東に位置するコオラウ山脈の麓には、数々のハリウッド映画の舞台になった「Kualoa Ranch(クアロアランチ)」が広がります。その敷地面積はなんと東京ドーム450個分。雄大な山々や180度に広がる太平洋のパノラマもみどころ。
四輪バギーで映画のロケ地をめぐったり、雄大な自然を馬に乗って散策したり、マウンテンバイクで駆け抜けるアクティビティもありますが、今回参加したのはハワイならではの農業体験。175年の歴史を持つクアロアランチは、観光・農業・教育を融合させたサステナブルな取り組みの先進地なのです。

完全放牧の牛肉やオーガニック野菜のほかに、伝統作物のタロイモを地元で生産・流通させ、「Kualoa Grownブランド」を展開するクアロアランチ。養殖や森林再生を含む多角的な農業モデルを実践しています。
ハワイで「Kalo(カロ)」と呼ばれるタロイモは、古代ハワイアンの主食であり、文化にも深く根付いた食物。ほかのでんぷん質の植物に比べて、栄養素が優れていると考えられ、古くから神聖視されてきました。ハワイの多様な気候のなかで栽培できる点も重んじられた理由のひとつ。今回は素足になってタロイモ水田の泥を踏み歩くことで、土壌を循環させていきます。

泥まみれになった足は、山から谷間を抜けて海へ流れていく途中の小川で洗い、そのタイミングで流域管理についても教えてもらいました。タロイモは水田で育てられるため、川の水が必要不可欠。また、タロイモは川の水源を浄化する役割があり、生態系を守る役割も担っているとのこと。

タロイモは、ハワイアンにとって土地との精神的なつながりを象徴する大切な存在。ちなみに、ハワイ語のWaiは「水」という意味。Waikiki, Alawai, Waimanaloのように水を指す地名が目立つのは、それだけ水が豊かであり、大切にしている島であることの表れ。ハワイの水文化に密接に関わるタロイモと触れ合うことで、ハワイの文化につながれる時間となるはず。タロイモ畑で泥だらけになる体験をぜひどうぞ。

クアロアランチのお土産コーナーで目を引いたのが「ULU CHIPS(ウルチップス)」。ULUはビタミンやミネラルが豊富で栄養価が高く、美容と健康にいいスーパーフードと呼ばれている植物です。このままポリポリ食べるのも、サラダにトッピングするのもグッド。地元の人からも愛されているヘルシーフードを一度お試しあれ。
【Kualoa Ranch】
Kaneohe, HI 96744
https://www.kualoa.jp
②希少な100%コナコーヒーをテイスティング
【Hala Tree Café & Labo】

オアフ島の東海岸、カアアヴァの美しい海沿いに佇むオーガニック&プラントベースのカフェ「Hala Tree Café & Labo(ハラツリーカフェ&ラボ)」を訪問。自社農園の運営経験を活かし、すべての料理にハワイ産の新鮮で無農薬な素材を使用。ヴィーガンやグルテンフリー対応のメニューが揃っています。

カフェの下にあるラボでは、ゼネラルマネージャーのブライアン・ウェッブさんがドリップコーヒーの淹れ方、テイスティング、バリスタのスキル、焙煎方法などを教えてくれます(要予約)。以前はハワイ・コーヒー協会のカッピング競技委員長もされていたすごい方!
講座にはコーヒー愛好家、現役バリスタ、業界のプロ、コーヒーへの理解を深めたい方など、さまざまな人が訪れます。この日は同じテーブルに素敵なご夫婦が水入らずで受講。コーヒーについて熱心に勉強するおふたりの姿が印象的でした。

テイスティング講座では、ハワイ島にある自社農園から直送されたUSDA認可100%コナコーヒーを使用。ハワイには数多くのコーヒー農園がありますが、「Hala Tree」のコナコーヒーは無農薬で香り高く、コクがあることで海外の人にも大人気。

なかでも「GEISHA」は口に含んだ途端、ジューシーな甘さが広がり、徐々にスッキリと爽快な風味に変化するという今まで味わったことがないものでした。この豆は特別人気が高く、世界中に愛好家がいるとのこと。

焙煎前の「グリーン」と呼ばれる豆と、焙煎後の豆の違いも見せてもらい、焙煎の加減で同じ豆でも風味が変わることも教えてもらいました。

ここのオーナーのジャン・オロースキーさんはフランスの元銀行員。訪れたハワイでコナコーヒーに魅了され、家族で移住してコーヒー農園を始めたとのこと。10年放置された農園から不要な植物や木を取り除き、更地にして、コーヒーの苗木一本を植えていく。そんな地道な方法で、オーガニック農園をつくっていきました。

講座が終わったら2階のカフェで淹れたてのコナコーヒーやサンドイッチ、スコーンをどうぞ。地元の人が教えてくれたおすすめメニューはアボカドやトマト、ハワイアンピンクソルトをのせた「アボトースト」($16)。コクのあるコーヒーに、新鮮な野菜のみずみずしさが染み渡ります。

【Hala Tree Café & Labo】
51-666 Kamehameha Hwy, Kaaawa
https://www.halatreecafe.com
③海洋生物の保護にも力を入れる海のテーマパーク
【Sea Life Park Hawaii】

カフェで腹ごしらえをしたら、ハワイの海で暮らすさまざまな海洋生物が見られる「Sea Life Park Hawaii(シー・ライフ・パーク・ハワイ)」へ。ここは、古代ハワイアンが日の出を望む信仰の場としていたマカプウ岬の付け根にある海洋テーマパーク。エンターテインメントと教育、保全活動が融合した施設で、海洋生物とのふれあいを通じて自然保護の意識を高めることが目的です。

ハワイ固有種である海鳥シアバードの保護活動や、絶滅危惧種であるハワイアングリーンシータートルの繁殖・育成フプログラムにも取り組み、学校向けの環境教育プログラムにも積極的。訪れる子どもたちは、海洋生物の生態や保護の大切さを学ぶことができます。
ちなみに、「シーライフパークハワイ」はアメリカで唯一のアオウミガメの繁殖施設。毎年1000個の卵が産卵され、孵化したウミガメの赤ちゃんは成⻑後に海へ放流されるそう。

また、ここには太平洋と大西洋のバンドウイルカがいます。研究によるとイルカは社会的な生き物で、全員と仲良くするというよりは好きな仲間や友達と行動を共にするそう。ウワサ話までするというエピソードに一同ほっこり。
「ドルフィン・エンカウンター」プログラムに参加すると、腰の深さほどのプールのプラットホームでイルカに触れたり、餌付けもできます。目の前をイルカが泳ぎ、かわいいパフォーマンスを披露してくれるのは癒やしの時間。イルカの生態についても学べます。

日本人スタッフのKAYOKOさんは施設に勤めて約40年。ここの取り組みや生物たちが大好きで、毎日遠方から通っているとのこと。
海の生き物たちの命を脅かすプラスチック・発泡スチロール製品は、園内の飲食店では取り扱っていないことも教えてくれました。サンゴへの有害物質を含む日焼け止めも禁止です。
「次の世代に地域の美しさや歴史を引き継ぐには、コミュニティが一丸とならなければいけません」という言葉が印象的でした。
【Sea Life Park Hawaii】
41-202 Kalanianaole Hy., Waimanalo, HI 96795
https://hawaiisealifepark.jp
④学生の大学授業料支援のために13歳の少年がリサイクル
【Bottles 4 College】

今、ハワイ州では毎年9億本以上の飲料ボトル・缶が販売されています。州では、リサイクルできる缶・ボトルに対して購入時にデポジットを支払い、リサイクルをする際に返却するというシステムを設けていますが、リサイクル率は低いのが現状でした。

そんな状況を変えたのが、現在17歳のプライス・玄崇さん。彼が13 歳のときに立ち上げたNPO法人「Bottles 4 College」は、缶やペットボトルをリサイクルしてハワイの子どもたちに大学の奨学金を与えるという画期的なシステムでした。
「ハワイの子どもたちが経済的理由で大学に入れないなら、その夢を実現させるために瓶や缶をリサイクルしようとひらめいたんです。リサイクルで得たお金を学生の大学授業料に充てれば、もっと多くの人が進学できるはず」(プライス・玄崇さん)

リサイクルをして学費に充てるという発想に多くの人が共感し、当初玄崇さんひとりでスタートさせたプロジェクトは、今や子どもから大人、旅行者まで、さまざまな人が活動に参加するほど発展しました。これまでに大学奨学金$43,500を9名の高校卒業生に授与し、2024年にはラハイナの山火事の被災地に$10,000を寄付しました。

「このプロジェクトはコロナ禍で多くの人から支持を得ました。ハワイはとても生活費がかかります。コロナでその状況はさらに厳しくなりました。進学をあきらめなくてはいけない子どもたちも多かったなかで、玄崇のプロジェクトはみんなに希望を与えたのだと思います」(母のマリア・プライスさん)

現在「Bottles 4 College」は教育、環境、コミュニティ、ライフスタイルの4本柱を基本に活動を行っています。多くの学生が玄崇さんの活動に刺激を受け、諦めていた大学進学を検討する子どもたちが増えてきたそう。1人の少年が始めた小さな活動は、地域社会に大きな変化を与え、ハワイの環境をも変えています。
この活動はオアフ島のさまざまな地区で開催され、旅行者も参加できるので、ぜひサイトから活動日やイベントをチェックして。
【Bottles 4 College】
https://bottles4college.weebly.com
【ハワイ情報が満載! ハワイ州観光局公式日本語サイト】
宿泊施設からおすすめの旅プランまで、ハワイの情報がたくさん!
https://www.allhawaii.jp
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text : Tokiko Nitta photo : Akira Kumagai
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