CULTURE
:「着物で京都の美術めぐり」日常の中の美しさに目を向けてみる、秋の過ごし方
CULTURE
: 
               
              こんにちは。元呉服屋で、着物が身近にある生活を楽しんでいる暮らし部エディターのrinaです。
秋本番を迎える今日この頃。過ごしやすく何かに没頭するには最適な季節ですよね。
木々が紅く色づき始め、金木犀の香りに胸がきゅっとなる。
五感が刺激される秋だからこそ“日常の中の美しさに目を向ける”そんな過ごし方をしてみませんか。
私は、京都市左京区岡崎にある京都市京セラ美術館で開催中の「特別展 民藝誕生100年 ー 京都が紡いだ日常の美」へ、着物で美術めぐりに行きました。
お出かけに着用した着物や、ランチ、カフェスポットや、展示で気になった工芸品なども一緒にご紹介するので、ぜひ秋のお出かけの参考にしてみてください。
今回着物でめぐった展覧会
展覧会情報
- 展覧会名:特別展 民藝誕生100年 ー 京都が紡いだ日常の美 
 場所:京都市京セラ美術館 本館 南回廊1階- 開催日:2025年9月13日(土)-12月7日(日) 
 時間:10:00-18:00(最終入場17:30)
秋は着物はじめにも最適の季節。
色や素材で季節を楽しんで。

民藝展なので、華やかな染めの着物ではなく、日常に馴染む素朴な織のものを選んでみました。豆柄がかわいい綴れの名古屋帯は祖母からのお譲り。小物はくすんだ緑で整えてみました。浴衣に合わせると夏らしいアタの鞄も着物に合わせればぐっと秋らしくなります。
今回は0歳の息子と姉との3人でのお出かけ。息子はまだ歩かないので草履を履いて行くことにしました。カレンブロッソさんの草履は軽く滑り止めもしっかりしているので、個人的にはスニーカーのような気軽さで履いています。
デザインと機能性に優れているのでカジュアル着物初心者さんにもおすすめです。
夏に疲れた身体を優しく癒やす
秋の風と食べもの。


京セラ美術館までは京都市営地下鉄の東山駅から徒歩8分。涼しいので歩くのが楽しいです。
途中にある白川筋沿いのThree HORSESさんで少し早めのランチをいただきました。
「パワーサラダファラフェル」とアイスカフェラテを注文。
ファラフェルとは、ひよこ豆とハーブやスパイスを混ぜたコロッケのようなものだと教えてもらいました(中東発祥のものだそうです)。おしゃれな店内で、サラダに隠れた小ぶりでかわいい無花果たちに秋を感じながら、ヘルシーで美味しい食事をいただいているうちに「ああ、なんていい休日。」とじわじわ気分が上がっていきます。今の季節だとテラス席も心地いいでしょうね。
「民藝誕生100年展」
民藝運動の歴史や作品に触れる

平安神宮の大鳥居が見えたら、その隣に京セラ美術館があります。2020年にリニューアルオープンしたこちらの美術館。伝統と現代の融合を感じさせるまいが美しいです。
中央ホールの展示会パネルの前で記念撮影。美術館には私と同じように着物姿の方もちらほら。
美しい着物姿には見惚れつつ、コーディネートのお勉強にもなります。着物は着付けさえ覚えたら年齢を問わず楽しめるのも魅力のひとつですよね。

館内には様々な美しい工芸品が並びます。昭和初期、近代化や工業化で伝統が失われようとしていた時代に、鑑賞用ではなく実用のために作られた日常の道具や各地域の工芸品を「民衆的工芸品=民藝」と名付け、その中にある美を探求した人々の活動の記録や作品を知ることができます。

(河井寛次郎/食器一式/河井寛次郎記念館)

(黒田辰秋/螺鈿卍文蓋物/鍵善良房)

(熨斗文様夜着/日本民藝部)
着物も例外ではなく、「民芸運動の父」と呼ばれる柳宗悦が愛した全国各地の様々な染織は、今もなお多くの着物ファンを魅了しています。そこに宿る美しさとは一体なんなのでしょうか。
各地の気候や風土がもたらす素材や色味の個性、作り手の面影を感じさせる織目や筆遣い、そして日常の中で着ることによって生み出される皺、擦れ、染み、人の生きた証。そういうものを感じる時に美しいと思う心が民藝の本質にあるものなのではないかと、ふとそんなことを思いました。
民藝に学んだ、日常の中の美しさに
目を向けること。

時間を忘れて見入っていると、抱っこしていた息子がもぞもぞと動き出したので、南回廊の中庭「天の中庭」でひと休み。身体に新鮮な空気を取り込んで、秋の風を感じながら息子の機嫌をとります。自分の好きなことをするために時々は子どもにも甘えさせてもらっています。
工芸品ではないけれど、日常の美を愛でると言うならば、息子と過ごすこのひとときのなんと美しいことだろう。またこの着物に触れる時、私はきっとこの日を思い出して、秋の風や美味しい食事や息子の笑顔を思い出して、胸がきゅっとなるのでしょう。
日々の小さな幸せをひとつひとつ大切にしながら過ごしていきたいと考える良い時間になりました。
美術展だけじゃない。
ショップやカフェまで味わって。


後半の展示も見所満載。撮影できない作品も多かったのでいつでも見返せるようにショップで図録を購入しました。
その他手拭いや暖簾など染めの商品が個人的にとてもかわいかった!
図録のデザインや写真の色味などとても美しく大満足でしたが、微かなグラデーションや光沢感、サイズ感などは紙面だけではどうしても分からないので、実際に美術館へ足を運び鑑賞することの贅沢さを感じました。

美術展の余韻に浸りながら、館内にあるENFUSEでカフェタイム。
こちらのカフェは季節のものや美術展とコラボしたスイーツもあるのが魅力。
京都の素材をふんだんに使ったお野菜たっぷりのランチプレートもとても美味しいですよ。京セラ美術館へ行った際はぜひ行ってみてください。
日常を少し特別にする
「着物で美術めぐり」のすゝめ

いつもの美術展も着物で行くと少し特別な日常になります。もし箪笥のなかに眠っている着物がある方はぜひ秋風にあてて、浴衣の着付けを覚えた方は忘れないうちに着物にも挑戦してみませんか。タートルネックの上に着てしまえばあとの着付けは浴衣と同じでもいいんですよ、なんて着物を楽しむためのヒントもこれから書いていけるとうれしいです。
みなさまの秋が日常の中の美しさを再発見する素敵な季節となりますように。
rinaさん

どんなときでも自分の好きを大切に。元呉服屋で毎日着物生活。転職後は「暮らしの先にある着物」を求めて、美味しく愉快で心地のよい生活を日々研究中。
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
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