肩こりやむくみ、頭痛など、寒くなるにつれてプチ不調が増えていませんか? 背景には、在宅で生活リズムが乱れた今だからこその、冷えの問題があるようです。
教えていただいたのは……大平医院 副院長 田邉真帆先生
PROFILE
順天堂大学医学部卒。家庭医療専門医、総合内科専門医。日本東洋医学界に所属。内科を主軸にかかりつけ医として健康長寿を考え、漢方外来にも対応。
冷えとり方法を教えてくださった目利きさんたち①
モデル AYUMIさん
PROFILE
ファッション誌、ライフスタイル誌で活躍。ナチュラルなライフスタイルが魅力。スーパーフードマイスターなどの資格を持つ。Instagram:@ayumiayunco
冷えとり方法を教えてくださった目利きさんたち②
文筆家・コピーライター 青木美詠子さん
PROFILE
冷えとり歴は、約28年。『ずぼらな青木さんの冷えとり毎日』(KADOKAWA)をはじめ、冷えとりの著書多数。オンラインで冷えとりの相談も行っている。
見過ごされがちな生活リズムの乱れが
低体温や冷えの背景に
在宅が増えた環境が、冷えにも悪影響を及ぼしていると田邉先生。「人間の体温は朝起きるころ自然に上昇し、夜眠るころには下がるというリズムがあります。朝食をとり、通勤や通学することでもリズムを作っていたのですが、自粛であまり陽にあたらないこと、朝食を食べずに仕事を始めることなどもリズムが崩れる原因に。食べることで総カロリーの10%が熱を作り出すので、朝食は特に体温を上げるうえで重要です」。今の時代にあった冷えとりは、外からあたためるだけでなく、生活のリズムを整えることも大切です。
CHECK!
時代と自分に合った冷えとりができている?
□寒いので、寝るときも靴下をはいている
□テレワークで生活リズムが乱れている
□食べすぎないよう、朝昼兼用でごはんを食べる
□以前に比べて歩くことが減った
□熱いお風呂に入って汗を流す
□冬になると冷えとりをがんばるが続かない
↓
ひとつでも当てはまったら、今こそ冷えとりをアップデートしましょう!
【“冷え”の基本を知るQ&A】
Q.そもそも体が冷えているってどんな状態?
A.体温が低い状態が続いていることです
文明のおかげで、50年前に比べて日本人の体温が約1℃下がっており、体温を作り出す力が衰えています。筋肉がかたくなったり、血流が悪くなることがさまざまな不調の原因に。さらに低体温になり悪循環に陥ることも。
Q.冷えているとなぜよくないの?
A.昼夜のリズムが乱れて体調不良の原因に
朝から夕方にかけて体温が上がり、夜は徐々に体温が下がっていくのが正しいサイクル。冷えによってサイクルが乱れると血流が悪くなり、頭痛、肩こり、便秘などになりやすくなります。寝つきも悪くなり、不眠にもつながります。
Q.自分が冷えているか知る方法は?
A.布団の中でわきとおなかをさわる
冷えている場所は人それぞれ。朝目覚めてすぐ、わきの下に手を入れ温度を確かめます。続いて、おなかや背中などもさわってみましょう。わきの下より冷たい場所があれば、その部分が冷えているかも。その部分を中心にあたためて。
まずはできることから
新ルーティンを取り入れましょう!
生活リズム改善にくわえて、心地よいインナーやおいしいあたためドリンクで、楽しく冷えとりをアップデートして。
下半身を意識した運動を
取り入れる
朝食はタンパク質・
脂質・糖質をしっかりとる
【COLUMN】 和食派におすすめ! 簡単味噌汁
「いつも昆布と干し椎茸で出汁をとっています。水に一晩漬けて翌日沸かすだけ。水を足して、二番出汁、三番出汁にするので手間はかかりません。それにかつおぶしと自家製味噌で、お味噌汁にします」(青木さん)
肌に触れるものは季節に合った素材で
「もちろん、服装で体温を逃さないことも大切。寒い時期は熱を逃さないために、はらまきをしましょう」(田邉先生)。ウールもいいけれど、シルクなら寒いときは保温性が高く、暑くなったら吸湿してくれるのでおすすめです。
体幹の熱を逃さない
ヒップまであたたかく
レッグウォーマーをはいて寝る
「眠る前は、手のひらや足の裏から体温が放出されます。靴下をはいたまま布団に入ると、入眠が妨げられてしまう場合が。体の浅い場所に太い血管が通っている首、手首、足首をあたためると保温効果があり、足先が冷えるならレッグウォーマーを使うほうがおすすめです」(田邉先生)
蓄熱性の高い繊維を使用
砂糖をほかのもので代用
「白砂糖は体を冷やす食べ物の代表。砂糖を使いたいときは、甜菜糖や黒砂糖など、ミネラルを含む砂糖類で代用しましょう」(田邉先生)、「冷えにつながるほか、体調が悪いときに甘いものを食べると頭や喉が痛くなるので、少し控えるように」(青木さん)。
料理にも使いやすい
カロリーゼロの自然派甘味料で
深呼吸や瞑想をする
マイボトルには、スパイシーなお茶を
台湾漢方の知恵が詰まったお茶
せめて寝る1時間前は
好きなことをする
心地よい
あったかアイテムを取り入れる
「あたためアイテムを活用して、無理なく冷えとりを続けています」(AYUMIさん)、「陶器の湯たんぽをデスクの下において、膝に毛布をかけて仕事をするとこたつのようになります。とっても簡単なので、冬のテレワークにおすすめです」(青木さん)。
生薬の力で内側からあたためる
ドリンク剤
ストレッチ性のあるフリースで
熱を逃さない
骨盤まわりがあたたまり
ホッとリラックス
illustration:Misa Itoi text:Ema Tanaka web edit:Masako Serizawa
※写真・文章の無断転載はご遠慮ください
リンネル2022年1月号より
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