冬場はなんだかいつも眠いし、お風呂に入っても体は冷えたまま。そんな悩みを解決する、心にも美容にもよい入浴&睡眠習慣を始めましょう。
教えていただいたのは……小林麻利子さん
PROFILE
眠りとお風呂の専門家。生活習慣改善サロン「Flura」で、のべ2000人の女性の睡眠の悩みを解決。著書に『寝かしつけ0秒、夜泣きもなくなる赤ちゃんとママの熟睡スイッチ』(G.B)。
自分に必要な睡眠時間を知り
スケジュールを守るのが安眠のカギ
「睡眠の乱れによって体調を崩している人、お風呂に入っても冷えがとれないという人が多くいますが、その原因は間違ったお風呂と睡眠の習慣にある可能性が大!」と、小林さん。
人間の体には、日照時間に合わせた体内時計があり、それに応じて睡眠や体温、内臓の消化活動もリズムを刻んでいます。そのリズムに反する生活をしていると体内時計が乱れ、寝付けない、体温が上がらず元気が出ない、などの不調が起きるのです。本来、日の出とともに目覚めるのが自然なサイクル。だから、日の出が遅い冬場は、体が必要とする睡眠時間も長くなるのだそう。就寝時間が変わらないまま、ムリに早起きを続けていると、特に冬場は体調を崩しやすくなるのです。
「大切なのは、自分に必要な睡眠時間を探り、起床から逆算した夕食から就寝までのプロセスを踏むこと。また、安眠のカギはお風呂で上がった体温が下がるタイミングで寝付くことなので、お風呂で深部まで体温を上げることが必須です」
スケジュールを守り、お風呂の入り方に気をつけることで、冬場を元気に乗り越えましょう。
まずは、休日を使って自分の理想の就寝時間を調べてみましょう!
毎日アラームで起きている人は要注意! 自然に目覚められる時間を探って。
STEP 1
土日などの休みを使って、毎晩同じ時間に眠り、朝は自然に起きる
金土など休前日から始めて、毎日平日と同時刻に就寝し、翌朝何時に目が覚めるか確認。目覚ましはかけずに、自然に起きた時間を記録。
STEP 2
続けてから3回目の就寝~起床時間が理想の時間
3回目の就寝~起床時間が、あなたが本来必要な睡眠時間です。現状の時間と差があれば、毎日15分ずつ前にずらして調整します。
STEP 3
起床~夕食のタイムスケジュールを逆算して組む
就寝~起床の時間が決まれば、あとは理想の入浴や夕食時間などを逆算して組むだけ!
毎朝起きるのが辛いというリン寝る子さんの
スケジュールを逆算した場合
リン寝る子さん
特に、冬場は手足が冷えて眠れず、朝も気持ちよく起きられないのが悩み。
「平日は0時に寝て6時半に起きていたけど、足りているのかな? 冬は毎朝起きるのが辛い……!」
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●19:00 夕食
内臓の休息が必要な時間に入浴や睡眠が重なってしまうので、遅い夕食はNG。20時までには食べ終わりたい。
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●21:30 入浴(就寝1~2時間前)
15分は湯船に浸かりたいので、体や髪を洗う時間も考えて、最低でも30分程度を確保して。
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●22:30 お風呂上がり(就寝30分~1時間前)
40℃に15分浸かり深部体温を上げた場合は就寝60分前、シャワー浴やさっと浸かる場合は入浴後すぐ就寝。
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●23:00 就寝前(就寝15~30分前)
寝る前の15分は、照明を落としてゆっくり過ごすうっとりタイムにし、脳をクールダウンさせて。
↑
●23:30 就寝(起床7時間前)
入浴後、自然に体温が下がる時間に就寝。すんなり寝付けるはず。
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●6:30 起床
目覚ましは理想の起床時間の10分後に。アラームが鳴る前に起きられた?
[就寝1~2時間前]
入浴タイムの習慣を見直す7つの質問
重要なのは、40℃で15分、肩までしっかり浸かること。 体が芯から温まればスムーズな入眠に。
見直し 1
お湯の温度熱すぎない?
湯温42℃以上は寝付きを妨げます
お風呂のお湯は40℃とぬるめにしてゆっくりと体を芯から温めて。副交感神経がはたらき、心身共にリラックスできます。寒いからと42℃以上の高温にすると、交感神経が優位になって寝付きが悪くなります。換気扇を止める、入浴前に浴室暖房を使うなど、浴室全体を体が冷えない環境にすることも大切です。
見直し 2
お風呂の照明明るすぎない?
電球の数を減らすなど落ち着いた照明でリラックス
浴室の照明が明るすぎると、眠りをうながすメラトニンの合成が妨げられます。電球の数を減らしたり、暖色系の光に変えたり、脱衣所の明かりだけで入浴したり、照明を消してキャンドルの光を灯すのもいいでしょう。
見直し 3
湯船に浸かるとき無言で入ってない?
「はぁ~」と大きなため息をつきながら浸かる
湯船に浸かる瞬間は、交感神経が優位になり、血圧が上がります。そのときに、おなかの底から「はぁ~」と、声を出すと、副交感神経が優位になり、血圧上昇が抑えられます。体の奥底から出すのがポイント。声を出すと鼻やのどの粘膜も潤います。
見直し 4
首までしっかり温めている?
首にタオルをあてて、耳まで温めると効果大
お風呂には、半身浴ではなく鎖骨までしっかり浸かるのが鉄則。さらにお湯に浸したタオルをバスタブの縁に置いて頭をあて、首と耳を同時に温めるとよりいいでしょう。耳を温めることは、自律神経の調節にも役立ちます。
見直し 5
さら湯で湯船に浸かっていない?
炭酸ガスの入浴剤なら、入浴時間の短縮も可能
入浴剤を入れるなら、温熱効果の高い、炭酸ガス系の入浴剤がおすすめ。末梢の血行を促進してくれるので、入浴時間を5分ほど短縮できる効果もあります。
見直し 6
湯船に浸かるタイミングと時間、大丈夫?
先にシャンプーをしてから湯船に15分以上浸かると冷えない
入浴で温まった体を冷やさないために、頭は先に洗いましょう。シャンプー中に寒いなら足湯をすれば、体が冷えません。その後、40℃の湯船に15分以上浸かると、深部体温が約0.5℃上がり、寝付きがよくなります。
見直し 7
風邪っぽいからって入浴を控えていない?
風邪気味のときこそお風呂に入ろう!免疫力を高める入浴法で、風邪を撃退
体を構成するたんぱく質に熱で刺激を与え補修をうながすのがHSP(ヒートショックプロテイン)。その入浴法で、40℃20分、または41℃15分の入浴をし、体温が上がったら冷えないように気をつけながらお風呂から上がる。適宜水分補給しながら10分以上保温すると、免疫機能が活発に。入浴中、婦人体温計で体温が2℃上がるのを確認するのもおすすめです。ただし、風邪のときは冷えるので頭は洗わないこと。
illustrationt:Shinco Uematsu text:Ema Tanaka web edit:Masako Serizawa
※写真・文章の無断転載はご遠慮ください
リンネル2020年1月号より
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