LIFESTYLE
:東京からスウェーデンのような町へ移住して見つけた、心地いい暮らし
【清水徹さん・セキユリヲさん夫妻】
LIFESTYLE
:旭川家具の約30%を生産しているという北海道の東川町。生まれた赤ちゃんに「君の椅子」として椅子が贈られるなど、木工がとても身近にあるこの町に魅力を感じて移住した、清水徹さんとセキユリヲさんのお宅を訪ねました。
北欧と環境の近い、自然とともにある暮らし
時間をかけて準備をした、理想の暮らしが形に
長い休みのたびに北海道で過ごす2拠点生活を5年ほど続け、昨年ついに、東京から東川町に移住した「monokraft(モノクラフト)」主宰の清水徹さんとグラフィックデザイナーのセキユリヲさん夫妻。
築50年の家は梁だけを残してフルリフォーム。東京でも使っていた、清水さんが手がけた家具が並びます。
「子どもたちものびのびと走り回れる、快適な環境です」
家族がつくったものであふれる暮らし
スウェーデンを思い出す、豊かな環境
家具の町として知られる東川町は、北欧と雰囲気が似ていると話す清水さんとセキさん。
「気候風土が似ているので、家具に適した広葉樹が育ちます。最近は輸入に頼らず、道産材を使う工房も多いですね」
ともに留学したスウェーデンでの暮らしを経て、それぞれ縁のあった東川町に。豊かな自然が身近にある環境は、創作にも気持ちにも刺激を与えてくれるのだそう。
プロトタイプのソファは、愛猫のお気に入りのスペース。薪を収納する棚も清水さんがつくったもの。
大きな座面に二人のお子さんが並んで座ることもあるそう。
引き出しの木組みは伝統的な方法を用いている。
シンプルで使いやすい、ブナ材を使ったキッチンも手作り。「子どもがここで勉強できるように、カウンターも造作しました」
木のスプーンやカッティングボードは、つくったものや海外で買ったものなどさまざま。どれも木ならではの味わいが出ています。
スウェーデンで出会った二人の家具工房
自宅隣には、清水さんが家具工房「enao」の職人、遠藤覚さんと一緒に運営する「東10号工房」が。二人の出会いは、スウェーデンのカペラゴーデン工芸学校。遠藤さんはマイスターの資格も取得しています。
二人の家具は、清水さんがデザインして遠藤さんがつくるというスタイル。食器棚などの箱物は遠藤さんが手がけ、椅子は東川町内の工房に発注することもあるそう。
スウェーデンの家のような、明るいブルーの外観の「東10号工房」。名前は住所から取ったそう。
工房内に飾られた、遠藤さんがスウェーデンで取ったマイスター(親方資格)の認定証。試験を受け、家具職人として認められるのはとても難しいそう。
事務所の入り口には、丁寧に並べられた家具づくりのための工具がずらり。
カペラゴーデンでの思い出が詰まったダーラナホースが、お守りのように飾られています。
ショールームで存在感を放つのは、二人が手がけた北欧風の食器棚。外はウォールナット、中の棚板などはシナ材とカエデ材を使用。
「古いデザインの蝶番や手加工のスライド、脚のついたデザインが北欧風の特徴です」
PROFILE
家具や内装のデザイン、建築設計を手がける「monokraft」の清水徹さんと「Salvia」のデザイナーとして、ものづくりやワークショップを開催するセキユリヲさん。東10号工房のショールームにて。
Photograph:Miho Kakuta text:Mayumi Akagi web edit:Noriko Naya
リンネル2023月1月号より
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