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:【素敵なおうち訪問】 1万冊の本が並ぶ本棚が主役の、夫婦の夢の住まい (土屋さん宅後編)
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:素敵なおうちを訪ね、家づくりにおいてこだわったところやお気に入りのポイントなどをお聞きする連載「素敵なおうち訪問」。今回訪れた群馬県にお住まいの土屋さん夫妻には、約1万冊の本を並べられる本棚と、写真を撮ることができる大きな吹き抜けのスペースがあります。後編では、家の半分を占める二人の仕事のスペースと、家づくりのポイントをご紹介します。
【素敵なおうち訪問】 1万冊の本が並ぶ本棚が主役の、夫婦の夢の住まい (土屋さん宅後編)
土屋さん宅のおうちDATA
不定期で公開もしている
見せるための本棚

群馬を拠点に本の選書・販売を行う「suiran」を主宰する裕一さんと、カメラマンの三和さん、二人の建てた家には大きな特徴が二つあります。その一つが、家中にある本棚。
「ウェブでの販売がメインですが、月に数回、予約制で自宅の書架を公開しています。面識のある人が多いですが、それもあって生活感が出ないような家づくりにこだわりました。
天井に近い本棚ははしごをかけて登って入れるのですが、結構高さがあるので、そんなに頻繁に取り出さないけど取っておきたいという本を入れています」

ダイニングルームと奥にある、三和さんが写真を撮るためのリビングをつなぐ、廊下もすべて本棚になっていて、その眺めは圧巻です。
「いろいろな木材を使っていますが、本棚には同じラワンベニヤ材を使用。本を止める部分には、階段と同じく鉄を使って、アクセントになっています」

本が壁の一部に。埋め込んだ鉄工の本棚は、gambitに製作してもらったもの。
「構造上抜いても問題ないところに、隠し本棚をいくつか作ってもらいました。その場所に合う本を入れたり、ときどき入れ替えて楽しんでいます。これだけ本に囲まれているので、今のところテレビの必要性はあまり感じないです。娘も本がすごく好きですね」

階段下のスペースは、裕一さんの作業場に。本に囲まれた小さな空間は、集中できるのだそう。
「こちらはプライベート空間なので、本の並べ方は結構適当です。この棚はよく読む本、ここは今読んでいる本という感じで分けています」

木がふんだんに使われて、気持ちのいい空間。裕一さんは、床に寝そべって本を読む時間が好きなのだそう。
「ナラ材のフローリングは、本当に気持ちがよくて、木っていいなと思います。季節で隙間の大きさが変わるので、呼吸しているんだなと思います」
敷地の半分を占める、広々としたリビング

こちらはカメラマンである三和さんのこだわりのスペース。外から見ると細長い土屋さん宅の、半分ほどを占めていることがわかります。
「天井が高く、自然光が入って、とにかく気持ちがいいんです。写真を撮るための場所なので、普段はあまり使わないようにしています。一度ここでプロジェクターを映したら、娘が楽しくなってしまって大騒ぎしたので、それからはやめました(笑)。
本当はもっと家自体が大きくて、このリビングももっと広くしたかったんです。でも予算が倍になってしまって。それをぎゅっとしたのが今の形なんです」

このリビングにも本がいっぱい。扉を閉めてしまえば、生活空間と切り離すことができます。

選りすぐりの、国内外の書籍が並びます。
はっきりとした住まいのイメージ作りが鍵

実は大学で建築を勉強していたという裕一さん。恩師である建築家、矢部達也さんの考え方が、住まいのイメージづくりの参考になったといいます。
「余計なことはせず、極めてシンプルで高級志向でもない。一見すると変わっているんだけどよく見ると実用的、という考え方が好きで。例えばちょっとの隙間が本棚になっていたり、扉や本棚も塗装をせず、素材のままだったり、というところは影響を受けたと思います。また矢部さんの建築で使われていた家具も、どこのものか聞いて同じものを購入したりしました」

1万冊の本が入る本棚と写真が撮れるスペース。あとは玄関からパントリーまでの動線と、ランドリールームが欲しいという要望以外は、すべて設計士さんにおまかせだったのだとか。
「お願いしたSNARKさんの手がけた物件は数多く内覧していて、行くたびにいいなと思っていました。なかなかこんなに信頼できるところはないと思っています。カタログの写真を見て想像するのは難しいですが、設計士さんのご自宅を見せてもらえたのもイメージが湧いてよかったです。ほとんど何も言わずにこういう設計になっていて、理想が叶った気がしました」と裕一さん。

本棚の隙間に置かれたかわいい雑貨は、ほとんど裕一さんのもの。
「例えば寝室の電気は寝る寸前に消せる場所にあったり、そういう設計が一つひとつさすがだなと思います。コンセントや電気の位置が、ここじゃない方がよかったと思うのが一つもないんです。素材選びも素敵。好きなものが似ているので、設計士さんのお家を見せていただいて、壁を抜いたりするところやカーテン選びまで真似をしました。
贅沢をいえば寝室をもうちょっと広くしたかったのですが、私がランドリールームを欲しがったために小さくなって。妥協したところももちろんありますが、結果的にちょうどいい感じになったと思います」と三和さん。
暮らし始めてから季節が一巡し、住み心地のよさを実感しているという土屋さん夫妻。これからは、草木を植えたり、野菜を育てたり、庭に手を加えていきたいといいます。
収納スペースをたくさん作り、見せると隠すのバランスがとてもよい土屋さんの住まいは、1万冊の本が収納された本棚がありながらも圧迫感がなく、居心地のいい空間になっていました。
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photograph:Mari Yoshioka edit & text : Mayumi Akagi
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