LIFESTYLE
:【吉田羊さんの着物と12のアソビゴコロ】 第11回 “素材”とアソブ
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:アンティーク着物を愛する吉田羊さんが、四季折々に着物のおしゃれを楽しむ様子を撮り尽くしたフォトエッセイ『ヒツジヒツジ』(宝島社)を発売。その至極の着こなしの数々から、「着物で遊ぶ」をテーマに切り取ったアソビゴコロあふれる着物語りを12か月にわたって綴っていきます。第11回で遊ぶのは「素材」。
こんにちは、吉田羊です。
着物スタイルだからこその「アソビゴコロ」をお伝えする連載です。
今回のテーマは素材。着物の素材といえば、
最近はポリエステルのものなどもありますが、基本は綿、絹、麻。
素材感によって着こなしのイメージが変わります。
季節に合わせるのはもちろん、カジュアルなら綿、おめかしなら絹など
オケージョンに合わせて素材で遊ぶのも楽しい!
素材感は「気持ち」をつくる
例えば革ジャンを着たとき、気持ちがピリッと引き締まる。なめらかなシルクのドレスを着ると優雅な気持ちになる。そんなふうに、着る服の素材感によって心持ちが変わること、ありませんか? 俳優は衣装を着るとその役に入りやすくなるものですが、まさにそんな感じ。着物は長方形のシルエットとはいえ、素材が変わればイメージも変わります。やわらかなシルクはしなやかな印象になりますし、ラフな綿ならカジュアルに。「今日の私」をテーマに素材から着物を選ぶのも乙なもの。相手への礼節を素材感で示すのも着物ならではの醍醐味です。
日常着としておすすめな「紬(つむぎ)」

紬は蚕の繭から紡いで撚りをかけて丈夫な糸にしたうえで織られた絹織物。手触り感のある凸凹が味わいになって、カジュアルな雰囲気になるのが特徴です。ちょっとくらい雑に扱ってもへこたれず、初心者でも着やすく、一枚持っておくと便利なのが紬の着物。写真のように「ちょっと近所のコインランドリーへ♪」といった日常の一コマにも、しっくり馴染みます。

足もとは靴下感覚ではけるストレッチ足袋にして、短めに着付けておキャンな雰囲気でまとめました。チェック柄は洋服感覚で着られるのでおすすめ。帯はバラ柄にして、帯留めもバラ柄のものに揃えました。
暑い夏には南国生まれの着物で涼しく


日傘が手放せない夏の日。ちょっとおめかししてお寿司を食べに行く日のコーディネート。宮古上布(みやこじょうふ)の着物と芭蕉布(ばしょうふ)の帯を合わせて。どちらも南国で織られた生地。芭蕉布とはバナナの皮を繊維にして織った布で、通気性がよく、汗もよく吸ってくれるのでサラリと着られる。波柄が涼しげな宮古上布の着物は、苧麻という麻の繊維を一本一本手で裂いて作った細い糸で織られていて、通気性に富み、肌触りもよく丈夫。どちらもさすが高温多湿の地域で古くから作られてきた織物! 洋服よりも重ねているのに、涼しく着られるのです。丁寧な手仕事に思いを馳せ、着るたびに背筋が伸びる。暑くても涼しい顔して歩きたい着物です。
綿は綿でもデニムなら秋冬でもOK

綿の着物といえば浴衣ですが、デニム生地であればこんなふうに秋冬のコーディネートに。汚れても気にならず、洋服感覚で着られるデニム生地の着物は初心者にもおすすめです。足もとはパンプス、頭にはウールの帽子、中にタートルネックを着て、つけ衿や手袋も合わせました。帯に選んだのはフランス・リヨンの木綿で作られたもの。着物と帯の素材感を合わせたので、統一感も出せました。

素材で遊ぶときは、小物の素材感を合わせるのもポイント。厚手のデニムなら厚手の皮小物はよく合いますし、薄手の麻織物なら透ける素材やレースなど、見た目にも軽いイメージのものがマッチします。
柔らかい・硬い、薄い・厚い、サラリ・しっとりなどなど、視覚と触覚に作用する素材で遊べるようになると、もう着物上級者!
吉田羊さんのフォトエッセイ『ヒツジヒツジ』好評発売中です!
こちらもチェック!
キモノ語り:Yoh Yoshida edit & text:Masaki Takeda(mineO-sha)
photograph:Yuki Kosuge & Koji Fujii
※人物カットはフォトエッセイ『ヒツジヒツジ』(宝島社)から
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
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