LIFESTYLE
:【心地いい空間をつくる“照明”の話】 シンプルな箱を照らしリズムをつくるインテリアのコツ
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インテリアコーディネーターとして働いているリンネル暮らし部エディターの三輪です。
みなさんのお住まいにはどんな照明を使っていますか? 照明選びはそれぞれ住まう人の個性が大きく現れるアイテムなのではないかと思います。
今回はお家のなかでは小さな存在だけど、お部屋の雰囲気作りには大きな影響をもたらす照明についてご紹介します。
お客さんに照明のご案内をする際によくお伝えしている私の持論は「照明はファッションでいうならピアスみたいな存在」です。
シンプルなお洋服でもピアスが個性的だとぐっと全体の印象が変わるように、コーディネートのポイントになってくれます。
どんなデザインの照明でどんな光を放ってくれるのか、実はお家作りにとって、ピアスのように小さな存在の照明はお家の雰囲気を大きく左右する重要なアイテムになります。
私のお家づくりの際の照明計画の工夫や、憧れの照明がもたらす効果のお話をさせていただきます。
お家作りの照明計画

お家を建てる際に、大工さん達が柱や屋根などの骨組みを一気に組み立てる上棟式といわれるものがあります。今まで模型や図面でしか把握できなかった空間が一気にリアルになり、とても心躍るタイミングです。

そのときに電気屋さんにも来ていただいて、2階のリビングダイニングの天井照明を取り付ける位置を決めました。
わが家は四角い箱の上に片流れの屋根で蓋をするとってもシンプルな構造にしたので、2階の天井が構造体そのものになっています。なので、構造体ができるタイミングで、垂木と呼ばれる木材に配線の穴をあける必要がありました。
そしてそのあとの壁を作る前のタイミングには、壁付け照明やコンセントの位置を指定しなくてはなりませんでした。

ふだん当たり前に使っている照明やコンセントをいざどこにつけようかと考える作業は、なかなかの想像力を張り巡らせることになります。
家具のレイアウトによって、ちょうどここにペンダントライトを吊るしたい! とか、全体の明るさが足りるかな? などなど。
いろいろ考えを巡らせて、わが家のリビングダイニングの天井照明は、ライティングレールを取り付けて、ペンダントライトやスポットライトを自由に取り付けられるプランにしました。

私のあこがれの照明
新居に必ず付けたいあこがれの照明がありました。それはセルジュムイユというフランスのデザイナーがデザインした、壁付けの2灯ランプです。
びよーんと伸びた枝の先にシェード(笠)がついている独特のフォルムは、白い壁に照明自体のシルエットを美しく表し、灯ったやさしい明かりは、なんてことないただの箱の空間に心地よいリズムを生み出してくれます。

初めての壁付け照明のある暮らしをイメージしながら、ソファの背を受ける壁のちょうど真ん中にこのランプを取り付けることを早くから決めていました。
ただ、取り付ける高さを決めるのにずいぶんと頭を悩ませました。ソファの高さとのバランスや、シェードが頭にぶつからない位置を考えると、どの高さに取り付けるのがベストなのか。

何度も図面に絵を描いて、実物のディスプレイを見にいったりもしました。
実際にお家に取り入れてみると、お店で見るよりすごく大きかった! というのはあるあるな話なので、お家の壁にマスキングテープを貼ってリアルなサイズ感を念入りに確認し、取り付け位置を決定しました。


照明がもたらすご褒美タイム
無事に理想通りの位置に照明が取り付けられ、リビングに入った瞬間に目に入る、わが家のシンボル的な存在になってくれています。

2灯のランプはそれぞれの枝を水平に180度動かせるので、左右に広げて全体を照らしたり、2灯寄せて光を集めて照らしたりと、使い分けています。飾り棚や壁に飾った作品をスポット的に照らすのにも効果的です。

ミニクリプトンの電球は決して明るすぎはしないけれど、夜に子どもたちが寝静まったあとのお一人さまタイムには、この照明だけを灯してゆっくり過ごすのにちょうどいい。このランプのやさしい光が灯る時間は、間違いなく私のご褒美タイムとなっています。
映画「かもめ食堂」が教えてくれたこと
先日、約20年ぶりに「かもめ食堂」という、フィンランド・ヘルシンキが舞台の映画をみて気がついたことがありました。
フィンランドがインテリアが最高にかわいい国なのはもちろん知っていますが、主人公が白夜で過ごすお部屋の感じがものすごくよかったのです。
何がこんなにいい感じなのか、それは紛れもなく照明でした。
食事の際にはフロアランプだけを灯し、くつろぎの空間には床置きの小さな照明を二つ灯し、私たちの生活に当たり前に存在する天井照明はついていなかったのです。きっと食事は薄暗く映ると思いますが、会話も弾みそうなそんな空気感が温かく感じ、とてもよかったのです。
日本の住宅事情では、天井照明なしというのはなかなか難しいと思いますが、必要な場所に必要な照明を灯す適材適灯が改めて理想的だと思いました。

とはいえわが家も大人メガネが必要なお年頃がそろっていますし、こどもたちはどこでも絵を描いたり本を読んだりするので目が悪くならないよう配慮が必要です。
読んだり描いたりしそうな場所には白っぽい明るめの電球(昼白色)を選び見やすさを重視させ、それ以外のところは温かい色の電球(電球色)を選び雰囲気を重視させるといったように、電球の光の色を使い分けることをして工夫しています。

世の中にはたくさんの照明が溢れています。明るさだけでなく、その場所で過ごす時間そのものを変えてくれる照明。見た目ももちろん大切だけれど、何をしているときにどんな照明があったら心地よいか、そんなふうに選んでみるのもいいかもしれません。
インテリアコーディネーター・
三輪 加菜子さん

ライフスタイルショップIDÉEで勤務。インテリアコーディネートの仕事を生かしたセミナーを行ったり、大学非常勤講師を務めています。最近ではイラストのお仕事に挑戦中。Instagramではお家作りや日々のわくわくを発信しています。リンネル暮らし部エディターとしてブログを発信中。
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