北欧

「他者を信頼し、違いを認める」奥深いフィンランドの公衆サウナ空間 「他者を信頼し、違いを認める」奥深いフィンランドの公衆サウナ空間

日本の銭湯とフィンランドのサウナの共通性と違い

【同じところ】

●裸になって心身を清める
●始まりと再びブームとなるまでの歴史
●コミュニティ機能

銭湯もサウナも日常的に体を清め、リラックスして団欒を楽しむ場所。もともとは自宅に浴室がない人が行く場所だったため、家で入れるようになってから数が減っていったという歴史も似ています。また、基本的に男女別になっていて裸で入り、初対面の人と同じ蒸気や湯に浸かることができるのは日本とフィンランド共通。常連客が来ていないと心配する、コミュニティがあるところも同じです。

【違うところ】

●価格設定はフィンランドのほうが高い
●外気浴でクールダウンをする
●常連客の一見客への態度

「公衆浴場組合」による価格統制で、ワンコインで入れる気軽な銭湯。それに対し、フィンランドのサウナは最低限の施設でも1000~2000円。フィンランドではサウナで火照ってきたら、外気浴をします。涼しい室外でクールダウンしたらまたサウナへ。自分がしたいだけ繰り返します。また、フィンランドでは常連さんが外国人観光客や一見さんに対して、そこのよさを知ってほしいと、手ほどきしてくれることも多いのだとか。


教えていただいたのは……こばやしあやなさん

サウナ文化研究家。フィンランド在住。2011年より「Suomiのおかん」の屋号でコーディネート、執筆、翻訳活動を行う。著書に『公衆サウナの国フィンランド』( 学芸出版社)。

■フィンランド大使館員ラウラさんが楽しむサウナとフィンランド料理を見る↗

■一家にひとつサウナがある、フィンランド人が愛する3つのサウナとは?


illustration : Mana Kawasaki text : Mayumi Akagi web edit : Masako Serizawa
リンネル2019年12月号より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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