北欧

scopeが提案する 暮らしが豊かになる北欧雑貨使い scopeが提案する 暮らしが豊かになる北欧雑貨使い

北欧などの雑貨を販売するWeb shop「scope」代表の平井さん。買い付けに訪れる北欧の、知人宅での雑貨使いに影響を受けるそう。現地で感じたエピソードとともに、豊かな暮らしのヒントを聞きました。

目次
scopeが提案する 暮らしが豊かになる北欧雑貨使い
  1. Episode 1 色・柄のある器を大胆に、バランスよく使う
  2. Episode 2 部屋全体を照らさない。明るすぎない照明やキャンドルに慣れる
  3. Episode 3 お気に入りの布で部屋の雰囲気を彩る
  4. Episode 4 気軽に、日常の中に雑貨を飾る。季節感も楽しんで
  5. 教えていただいたのは……スコープ 平井千里馬さん

Episode1
色・柄のある器を大胆に、バランスよく使う

「フィンランドの知人宅を訪れると、さっと食事をとれるように、軽食をいつも準備してくれます。だいたいサンドイッチ(好きなものをのせて食べるスタイル)とベリーを添えたヨーグルト、コーヒーが定番。それが僕にはフィンランドの日常に見え、簡単で楽しいうえに新鮮だから、特別おいしく感じます。そんなフィンランド的日常のテーブルを、イエローをメインカラーにして再現。陶器だけではなく、木のボードやガラスボウルなど、素材の違うものを入れると、北欧らしい落ち着きのあるスタイリングに。主役はアラビア・スンヌンタイのオーバル。横長のテーブルには、円よりもオーバルのほうが、収まりがいいんです。イエローを多用すると、一見派手なように感じるのですが、上手に組み合わせれば華やかで楽しいテーブルになります」

色を使うなら白+1色程度がまとまりやすい

同じシリーズでさまざまな色があると、つい複数色集めたくなりますが、スタイリングが難しくなります。「ベースの色を白にしておくと色ものが足しやすい。白以外の色数は多くても2色までで、その2色も相性がいいもの同士がいい気がします。服のコーディネートのように、バランスや足し引きを大切に楽しんで」

おすすめアイテム
さまざまなシーンで使える機能的な器「Teema(ティーマ)」
brand: iittala [イッタラ]

「イッタラ」の顔ともいえるティーマは、フィンランドらしい無駄のないデザインが特徴。ティーカップ&ソーサーは、お茶の時間はもちろん、食事のときにはカップをスープカップやマグとして、ソーサーは小皿として使うことができる優れもの。そろえておくと何通りにも活躍してくれます。


Episode 2
部屋全体を照らさない。明るすぎない照明やキャンドルに慣れる

「冬が長く続くフィンランドでは、家の中でくつろぐ時間を心地よく、リラックスできるように、灯りの使い方は非常に考えられていて、僕はそこから学んだことがいくつもあります。蛍光灯で昼のように明るく照らした夜が当たり前の日本の生活からは、北欧的な灯りは暗く感じてしまうのですが、慣れてしまえば落ち着き、明るさも充分に感じられるようになります。そしてすぐに、天井から部屋全体を照らした明るすぎる夜のほうが落ち着かないものになり、“どうやって照明を消そう”と考えるようになります。昼も夜も、キャンドルに火を灯し、そのゆらぎが目にうつると、心が安らぎリラックスできるような感じがします。適度な灯りの中で、ゆっくりと食事や会話をしたり、お気に入りの本を読んだり、穏やかに緩やかに時間を過ごす。そんな暮らしは、慣れるととてもいいものです」

おすすめアイテム1
キャンドルのように灯る照明「A333 TURNIPペンダントランプ」
brand:Artek [アルテック]

フィンランドを代表する建築家、アルヴァ・アアルトが1950年代にデザインしたペンダント照明。ヘルシンキにあるアカデミア書店で使われていることでも有名。丸みを帯びた、シンプルなフォルムから放たれる光が、部屋を温かく照らしてくれます。

おすすめアイテム2
オブジェになる間接照明「Linnut Siiri(バード ランプ)」
brand:Magis [マジス]

オイバ・トイッカの人気アイテム、ユーモラスなオブジェの「バード」が照明に。ガラスのように見える本体は樹脂製。後ろについた小さなボタンをタッチすれば調光でき、充電式なのも便利。思わずなでたくなるフォルムが愛らしい、実用性も兼ね備えたアイテムです。

おすすめアイテム3
間接照明になるキャンドル

一人当たりのキャンドル消費量が、世界で最も多いと言われる北欧。季節、昼夜を問わず灯されています。窓辺や棚に複数個並べて灯すと、間接照明にちょうどいい明るさ。ゆらぎのあるやさしい光に癒されます。イッタラのキャンドルホルダー「Kivi」はシンプルなデザインで使いやすく、さまざまな色のガラスは並べておくだけでもきれいです。


Episode 3
お気に入りの布で部屋の雰囲気を彩る

「ヴィンテージ食器や家具、アートガラスばかりではなく、ヴィンテージのテキスタイルも非常に価値のあるフィンランド。生活の中で、テキスタイルは大きな存在となっています。好みのテキスタイルを、インテリアの広い面積を占める、カーテンやテーブルクロスに使ってみるのはいかがでしょう? 手軽に部屋の雰囲気を大きく変えることができます。日本ではカーテンにドレープを入れることが多いですが、フィンランドの家庭ではシンプルに布が吊るされているのをよく見かけます。布なので、カーテンを変えたり洗ったりするのも、より簡単。テーブルクロスは、汚れを気にせずに思い切って使ってみると楽しさがわかります。季節や食器に合わせてより自分好みの空間にすることができて、そんなちょっとしたことが生活を豊かにしてくれます」

おすすめアイテム1:
実用性も兼ね備えたコーティング生地「A.A ファブリック」
brand:Artek [アルテック]
1938年、アイノ・アアルトがデザインしたテキスタイルを復刻。撥水加工しているので液体が染みないほか、カットしても端からほつれてこず、洗濯機で洗えるのも魅力。クリップで挟むだけで手軽にカーテンに。
おすすめアイテム2:
小柄&落ち着いたカラーで使いやすい「Tapestry リネン生地」 
brand:Kuovi [クオヴィ]
カイピアイネンがデザインした、50年以上前に“アラビア”で生産されていた食器シリーズ「Tapestry(タペストリー)」の柄をベースにした、リネンのテキスタイル。落ち着いた色合いなので、ヴィンテージ食器との相性も抜群。

おすすめアイテム3
家事にもインテリアにも使える布

場所をとる水切りかご代わりに、キッチンクロスを敷いて、そこに伏せて食器を乾かすと、キッチンが広く使えます。使ったあとに洗えるので衛生面も◎。このデンマークのティータオルは、厚手で大判で吸水性もあるので、とても便利です。
アイノ・アアルトがデザインした、桜の花をモチーフにした風呂敷「キルシカンクッカ」は、日本的なデザイン。日本のインテリアにもなじみやすいので、目隠しにさっとかけるのに使って。

Episode 4
気軽に、日常の中に雑貨を飾る。季節感も楽しんで

「フィンランドへ行くようになり、僕がもっとも変わった、強く興味を持つようになったことは部屋を飾ること。カイ・フランクがデザインした“アテネの朝”やデンマークのモビールを天井から吊り、オイバ・トイッカがデザインした“バード”など、限定生産のアートガラスを棚の上に飾る。これが最高に生活を豊かなものにしてくれたと思います。ものに対する考え方も変わり、何より、ものを大事にしたいという思いが強くなりました。北欧の知人宅を訪ねれば、ご自慢のアートガラスやヴィンテージ食器がずらりと並び、最近手に入れたものを説明してくれます。決して高価なものばかりではないので、これからの季節に向け、部屋を飾ってみてはどうでしょう?」

おすすめアイテム1
クリスマス気分を盛り上げる「オーナメントボール」
brand:iittala [イッタラ]

クリスマスの時期に作られる、ガラスオーナメントの5色セット。グラデーションの色で魅せる、シンプルなデザイン。クリスマスツリーに飾るのはもちろん、大きなガラスボウルに入れておくだけでも絵になり、写真のように透明のテグスで天井から吊るしても◎。

おすすめアイテム2
ファニーな表情に癒される「Monkey(Small)」
brand:KAY BOJESEN DENMARK[カイ・ボイスン デンマーク]

1951年の発表以来、子どもから大人まで世界中の人から愛され続ける木製玩具。両手両足はフックになっていて、さまざまな場所にかけて飾れるだけでなく、手が届かない子どもたちが使うタオルや帽子などを引っ掛けられるようデザインされていて、実用的。

おすすめアイテム3
部屋に雪を降らせるタオル「house towel Warm snow」
brand: scope [スコープ]

雪の積もっていく様子が縦方向に織られた、ミニバスタオル「ウォームスノー」。鈴木マサルさんによるデザインで、壁にかけるだけで一枚の絵画のように冬景色が広がります。

下に敷くバスマットには、雪が積もる地面の様子が描かれているので、あわせて使いたい。

教えていただいたのは……スコープ 平井千里馬さん

平井 千里馬

名古屋に本社を持つオンラインショップ「scope」代表。日本と北欧を中心に、長く使えて愛情を注げる商品をセレクト。https://www.scope.ne.jp


photograph:Atsuko Chiba text:Mayumi Akagi web edit:Masako Serizawa
リンネル2019年12月号より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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