「時効警察」の名コンビであり、長年の友人でもある麻生さんとオダギリジョーさん。「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」では監督と俳優という立場でタッグを組んだ2人の対談をお届けします!
“「麻生さんは天才」ってみんなに言ってるんです(オダギリさん))”
麻生: 今日は、ドラマ「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」の続編を記念して、脚本・演出のオダギリジョーさんにゲストに来ていただきました! 前回の放送後は「え、ここで終わるの?」ってみんなに言われていたので、決まったときは嬉しかったな。
オダギリ: 僕ももちろん嬉しいけど、続編となるとまわりの期待値も上がるし、責任も伴うし。正直、重いな……って(笑)。わかりやすさを目指してないから、あれで終わっていいとも思ってたしね。
麻生: 続編の脚本は、いい意味で力が抜けている感じ。私が演じる漆原も面白い台詞ばっかりで。どうしたらあんな台詞思いつくの?
オダギリ: ほんと? 嬉しいですね。今や誰も褒めてくれないから(笑)。
麻生: 現場での佇まいも、より監督らしくなった気がする。
オダギリ: そうでしょ?(笑)自分でもそう思いましたよ。やっぱりオダギリの分析をさせたらすごいね。
麻生: (笑)。まわりのスタッフさんも、“監督”としてオダギリさんを見ているのが伝わってきたし!
オダギリ: 今回は全員、前作を見た上で参加しているからね。前作のときはみんな「何だこれは?」「この作品、大丈夫かな……」というクエスチョンを持ったまま現場にいたんだろうけど。
麻生: そうかな? 私はちゃんと信頼してましたけどね。でもオダギリさん、監督のときはすごく指示が細かいよね。
オダギリ: 麻生さんにはこだわりたくなっちゃうんですよ。
麻生: 台詞の語尾とか、ちょっとした間とか……。細かいですよね。一気にいくつも言われるので、頭の体操みたいな感覚です。
オダギリ: でも、あれだけ細かくてしつこい演出にもきっちり応えてくれるからね。スタッフもみんな「麻生さんすげえ!」ってなってたよ。だから僕は、「麻生さんは天才なんでね」ってみんなに言ってるんです。
麻生: でも、「セミプロか!」って言われた日もあったよね。
オダギリ: だって“ここからここまで動いてください”っていうだけのことを延々とやってるからさ……。その日初めて、麻生さんについて「才能があるときと、ないときの差が激しい」って日記に書いたもんね(笑)。
麻生: ちょっと~! それ営業妨害じゃない(笑)? あの日は場所取りに失敗しちゃって、思うように動けなかったの。
オダギリ: でも、こんなに面白いと思える人は他にいないですね。「オリバー〜」でも、コメディの部分を背負ってるのは主に麻生さんですからね。
麻生: 最初にオファーをもらったときは「カッコいい役で」って言われてたのに(笑)。
“今度は一緒に、「手作り」にチャレンジしましょう♪(麻生さん)”
オダギリ: 「オリバー〜」の登場人物の名前や地名も、半分以上は麻生さんにアイデアをもらってるんです。「狭間県」に「ホオズキ山」、橋爪功さんの役名の「神々廻(ししば)」もそうだよね。
麻生: そうかも。でも、自分で考えるのが面倒くさいからでしょ?
オダギリ: いや、麻生さんのネーミングセンスがめちゃめちゃ面白いから。僕のクリエイティブのパートナー、って感じだよね。
麻生: え〜ありがたい。嬉しい言葉ですね。
オダギリ: やっぱり「オリバー〜」みたいな自由な作品が、一番麻生さんのよさを引き出せると思うんだよね。シリアスももちろんよいけど、なんか物足りないじゃない(笑)。
麻生: ちょっと(笑)! ところで、この連載は、無趣味だった私が「趣味を見つけよう」というテーマで7年くらい続けてるんだけど……。
オダギリ:7年もやってて、まだ趣味が見つかってないの!?
麻生: いやいや、今はいろんなことができるようになりましたよ。麻ひもでバッグを編んだり… …(と前回作ったバッグを見せる)。
オダギリ: コレ自分で作ったの? 器用だね。そういえば、現場でも編み物してたもんね。
麻生: こういう手仕事ってオダギリさんは興味ある?
オダギリ: 編み物はやったことないけど、ミシンでTシャツをリメイクしたりしてたよ。自分がほしいものならやりたいかも。ソファ
とか。
麻生: ソファ!?発想が壮大だね。どんなソファを作りたいの?
オダギリ: ソファって座り心地が優先で、意外と凝ったデザインのものがないでしょ?
麻生: 他にはないソファを作るってこと? 面白そうだね。
オダギリ: プロデュースしてくれる人がいたらがんばれるかも。自分でイチからやるのは面倒だけど。
麻生: 今思ったけど、オダギリさんて金継ぎも好きそうじゃない? 割れた器を漆でつなぐの。
オダギリ: 僕が“監督着”にしているつなぎみたいになるの?
麻生: そうそう。あのつなぎ、かわいいよね。
オダギリ: デニムを作るときに余った端切れをつなぎ合わせて作ってるんだよ。だから、パッチワークで服を作るのはどう?
麻生: パッチワークはまだやったことないからいいかも!
オダギリ: あと、うちの母親がステンドグラスを趣味でやってたけど、楽しそうだったよ。
麻生: それも面白そう!
オダギリ: 窓とか作ったらいいじゃん。お風呂の小さい窓をステンドグラスにしたりして。
麻生: じゃあ一緒に作るのもいいかもね。よかったら、またゲストに来ませんか?
オダギリ: うーん……そのうちね。
麻生: ほんと? やんわり断られるかと思った(笑)。じゃあぜひ、今度は2人で手作りに挑戦しましょう(笑)。
今回の麻生さんの会いたいヒト
オダギリジョーさんPROFILE
1976年生まれ、岡山県出身。近作に映画『ぜんぶ、ボクのせい』(8月11日公開)、連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」など。NHKで昨年放送した脚本・演出・出演・編集を務めたドラマ『オリバーな犬、(Gosh!!) このヤロウ』は続篇が決定。
対談を終えて......
【麻生的感想文】
オダギリさんと本格的に共演したのは、ドラマ「時効警察」が初めて。役者同士として現場にいるときはどうでもいい話ばかりしていますが、俳優としても人間としても信頼しています。だから『オリバー~』のオファーが来たときは嬉しかったですね。今後もいろんな形でご一緒できたら嬉しいです!
【PROFILE】
女優。ドラマ、舞台など幅広く活躍。近作に映画『はい、泳げません』、舞台『ドライブイン カリフォルニア』など。
オダギリジョーさん、麻生さん出演ドラマ
『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』
続編決定
photograph:Ryoko Amano styling:Nami Kagiyama(Kumiko Aso),Tetsuya Nishimura(Joe Odagiri) hair & make-up:Yumi Narai(Kumiko Aso), Yuki Shiratori(Joe Odagiri) text:Harumi Yasuda web edit:Masako Serizawa
リンネル2022年10月号より
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