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【今見たいアート案内:12月・1月】 注目の美術展4選 冬の美術鑑賞に 【今見たいアート案内:12月・1月】 注目の美術展4選 冬の美術鑑賞に

マリークワント展

冬休みはゆっくりアート鑑賞はいかが? リンネル本誌のアート&イベント連載ページを担当しているライター赤木真弓さんおすすめの、美術館やギャラリーで見られるアート&イベントを厳選してご紹介します。

目次
【今見たいアート案内:12月・1月】 注目の美術展4選 冬の美術鑑賞に
  1. マリー・クワント展
  2. 大竹伸朗展
  3. ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ 柔らかな舞台
  4. 沖 潤子 さらけでるもの

1. マリー・クワント展

■60年代ロンドン、モードの旗手 日本初の回顧展

マリークワント
《マリー・クワントと、ヘアスタイリングを担当していたヴィダル・サスーン》 1964年 © Ronald Dumont/Daily Express/Hulton Archive/Getty Images

1950年代ロンドンのファッションシーンに登場し、若い女性のための革新的なファッションを打ち出して、60年代のストリートカルチャーを牽引したマリー・クワント。イギリスで最も親しまれる、今年で92歳のファッションデザイナーの軌跡を紹介する、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)で開催された注目の巡回展『マリー・クワント展』が開催中です。

マリークワント展
左から、《ストライプのアンサンブルを着る2人のモデル》 1973年春 Image courtesy Mary Quant Archive / Victoria and Albert Museum, London、《マリー・クワントのカンゴール製ベレー帽の広告》 1967年 Image courtesy of The Advertising Archives
《マリー・クワントのタイツと靴》 1965年ごろ Image courtesy Mary Quant Archive / Victoria and Albert Museum, London

本展では、約100点の衣服を中心に、小物や写真資料、映像などを展示。1955から75年にかけてのクワントのデザイナーとしての業績と時代を切り開いた起業家としての歩みをたどります。新しい女性のあり方を示し、ファッションを通してジェンダーや階級意識などのステレオタイプに立ち向かったクワントの姿勢から、現代にも通じる多くのことを学ぶことができそうです。


『マリー・クワント展』
開催中~2023年1月29日(日)/Bunkamura ザ・ミュージアム/10:00~18:00 ※毎週金・土曜は21:00まで、12/31(土)は18:00まで。入館は閉館30分前まで/1/1(日・祝)休館/一般¥1,700ほか/お問合せ 050-5541-8600(ハローダイヤル)/https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/22_maryquant/


2. 大竹伸朗展

■16年ぶり、待望の大回顧展

大竹伸朗 ポートレート、残景
左から、©︎Shinro Ohtake, photo by Shoko、《残景 0》 2022年 212×161×16cm Photo:岡野圭
ミスター・ピーナッツ
《ミスター・ピーナッツ》 1978-81年 91×72.5cm 個人蔵

現代日本を代表するアーティスト、大竹伸朗の40年以上の創作活動を体感できる大回顧展。「残景」シリーズ最新作《残景 0》をはじめ、約500点の作品を時系列にこだわらず、7つのテーマ「自/他」「記憶」「時間」「移行」「夢/網膜」「層」「音」に基づいて構成。小さな手製本から巨大な小屋型のインスタレーション、作品が発する音など、ものと音が空間を埋め尽くす様子は圧巻。ライフワークとして制作するスクラップブックも。じっくり時間をかけて見て、作品世界に没入したい展示です。


『大竹伸朗展』

開催中~2023年2月5日(日)/東京国立近代美術館/10:00~17:00 ※毎週金・土曜は20:00まで、入館は閉館30分前まで/月曜(ただし1/2、1/9は開館)、12/28~1/1、1/10休館/一般¥1,500/https://www.takeninagawa.com/ohtakeshinroten/


3. ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ 柔らかな舞台

対話から生まれる、シナリオのない映像

ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ展
ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ《obsada/オブサダ》2021 年 撮影風景 Photo by Jakub Danilewicz

20年以上映像作品や映像インスタレーションを発表する、オランダの現代美術を代表するアーティスト、ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ。代表的な作品から日本で撮影した新作まで6点の映像作品を展示。社会の支配的な言説からいかに逃れるか考え、逸脱し得るかの問いを展示空間の構成においても重ねてきたファン・オルデンボルフは、本展を舞台セットのようなインスタレーションとして構成。作品のみならず、鑑賞者同士の対話や視線、声の交差を意識した展示設計にも注目したい展覧会です。


『ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ 柔らかな舞台』

開催中~2023年2月19日(日)/東京都現代美術館/10:00~18:00 ※入館は閉館30分前まで/月曜(ただし1/2、1/9は開館)、12/28~2023年1/1、1/10は休館/一般¥1,300/https://www.mot-art-museum.jp


4. 沖 潤子 さらけでるもの

刺繍で表現する、自己の内面世界

沖潤子 作品
左から、沖潤子《exposed》2022年 作家蔵 ©2022 Oki Junko, photo by Nagare Satoshi、沖潤子《Feeling unsaid and unspoken words 01》2019年 作家蔵 ©2022 Oki Junko, photo by Kioku Keizo, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA
沖潤子 作品2
左から、沖潤子《初恋》2015年 皆川明蔵 ©2022 Oki Junko, photo by Nagare Satoshi、沖潤子《水蜜桃》2020年 個人蔵 ©2022 Oki Junko, photo by Kioku Keizo, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA

洋裁が得意だった母が遺した布や糸をきっかけに、独学ではじめた刺繍で独自の作品を制作する、刺繍アーティスト・沖潤子さんの美術館での初個展。沖さんの作品は、さまざまな古布、糸、アンティークの服、額の代わりに古い窓枠や木箱などを用いるのが特徴。本展では既成服に高密度の針目で刺繍を施した初期作品から、近年国内外で発表された絵画や彫刻といった領域を超えた作品までが並び、沖さんの創作活動の変遷を見ることができます。


『沖 潤子 さらけでるもの』

開催中~2023年1月9日(月・祝)/神奈川県立近代美術館 鎌倉別館/9:30~17:00 ※入場は閉館30分前まで/月曜(ただし1/9は開館)、12/29~2023年1/3は休館/一般¥700/http://www.moma.pref.kanagawa.jp


text & edit:Mayumi Akagi
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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