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【今見たいアート案内:4~7月】 感性を刺激する、注目の美術展4選 【今見たいアート案内:4~7月】 感性を刺激する、注目の美術展4選

赤木 真弓

ファッションから暮らし、テクノロジーまで、感性を刺激されそうな展覧会が開催中。リンネル本誌のアート&イベント連載ページを担当しているライター赤木真弓さんおすすめの美術館やギャラリーで見られる、現在開催中のアート&イベントを厳選してご紹介します。

目次
【今見たいアート案内:4~7月】 注目の美術展4選
  1. マリー・ローランサンとモード
  2. 部屋のみる夢―ボナールからティルマンス、現代の作家まで
  3. わたしたちは生きている! セタビの森の動物たち
  4. 第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展 日本館展示帰国展 ダムタイプ|2022: remap

1. マリー・ローランサンとモード

■時代を先取る、モダンガールの変遷

マリー・ローランサン 《ばらの女》 1930年 油彩/キャンヴァス マリー・ローランサン美術館 © Musée Marie Laurencin

さまざまな才能がジャンルを超えて交錯した1920年代のパリで活躍した、マリー・ローランサンとココ・シャネル。ともに1883年に生まれた2人の活躍を軸に、モダンとクラシックが融合するパリの芸術界を俯瞰する「マリー・ローランサンとモード」が開催中です。

パステル調の淡い色調と優美なフォルムの、女性的な作風が特徴のマリー・ローランサン。女性的な美を追求し、社交界の女性たちの肖像画を描いて、瞬く間に人気画家になりました。一方で、男性服の素材やスポーツウェアを女性服に取り入れたシャネルの服をまとい、マン・レイに撮影されることがひとつのステータスに。その写真は「ヴォーグ」などの雑誌に掲載され、女性たちが時代のファッションを作り上げていきました。

左からマリー・ローランサン 《ニコル・グルーと二人の娘、ブノワットとマリオン》 1922年 油彩/キャンヴァス マリー・ローランサン美術館 © Musée Marie Laurencin、マリー・ローランサン 《ヴァランティーヌ・テシエの肖像》 1933年 油彩/キャンヴァス ポーラ美術館

美術とファッション、それぞれの分野で独自のスタイルを貫いたマリー・ローランサンとシャネルの活躍と、1910~30年代のファッションをひもとく本展では、オランジュリー美術館やマリー・ローランサン美術館など国内外のコレクションから、約90点を展示。ファッションデザイナーのポール・ポワレやマドレーヌ・ヴィオネ、芸術家のジャン・コクトーやマン・レイなど、時代を彩った人々との関係にも触れ、2人の創作の意味を探ります。

『マリー・ローランサンとモード』

開催中~4月9日(日)/Bunkamura ザ・ミュージアム/10:00~18:00 ※金・土曜は21:00まで。入館は閉館30分前まで/一般¥1,900/https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/23_laurencin/


2. 部屋のみる夢―ボナールからティルマンス、現代の作家まで

■19世紀から現代までの多様な部屋の表現

ハマスホイ《陽光の中で読書する女性、ストランゲーゼ30番地》
ヴィルヘルム・ハマスホイ《 陽光の中で読書する女性、ストランゲーゼ30番地》1899年、油彩/カンヴァス、ポーラ美術館
ティルマンス《静物、ボーン・エステート》
ヴォルフガング・ティルマンス《 静物、ボーン・エステート》2002年、インクジェットプリント、クリップ、ポーラ美術館 ©Wolfgang Tillmans, Courtesy Wako Works of Art

室内で起こる出来事や窓から差し込む光など、芸術家たちの着想源となる部屋。ヴィルヘルム・ハマスホイやアンリ・マティス、草間彌生、ヴォルフガング・ティルマンスなど、19世紀から現代までの部屋にまつわる表現に特徴のある作家による約50点の作品を通じて、多様な表現を紹介します。

草間彌生《ベッド、水玉強迫》
草間彌生《ベッド、水玉強迫》2002年、ミクストメディア、ポーラ美術館 ©YAYOI KUSAMA

『部屋のみる夢―ボナールからティルマンス、現代の作家まで 』

開催中~7月2日(日)/ポーラ美術館/9:00~17:00 ※入館は閉館30分前まで/会期中無休/一般¥1,800/https://www.polamuseum.or.jp/sp/interiorvisions/


3. わたしたちは生きている! セタビの森の動物たち

■世代を問わず楽しめる動物作品

左から稗田一穂《みみづく》1951年 世田谷美術館蔵、オルネオーレ・メテッリ《楽師と猫》1937年 世田谷美術館蔵

多くのアーティストが、身近なモチーフとして作品に描いてきた動物。世田谷美術館のコレクションから油彩、日本画、版画、彫刻などジャンルも多彩な作品約110点をピックアップ。犬や猫からアルマジロ、ペガサスのような想像上の動物まで100種以上が登場し、表現の多様さを味わえます。

『わたしたちは生きている! セタビの森の動物たち』
開催中~4月9日(日)/世田谷美術館/10:00~18:00 ※入場は閉館30分前まで/月曜休/一般¥500/https://www.setagayaartmuseum.or.jp


4. 第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展 日本館展示帰国展 ダムタイプ|2022: remap

■ヴェネチアでの新作を再構築した注目作

左からダムタイプ《2022》 撮影:高谷史郎 ©ダムタイプ 提供:国際交流基金、ダムタイプ《Trace/ React Ⅱ》撮影:福永一夫 ©ダムタイプ

ビジュアル・アート、映像、コンピューター・プログラム、音楽、ダンス、デザインなど、様々な分野の複数のアーティストによって構成されるグループ、ダムタイプは1984年に結成。映像、音、機械装置、空間の先進的な組み合わせによって、身体とテクノロジーの関係に、鋭い問いを投げかけてきました。坂本龍一さんを新たなメンバーに加え、ヴェネチアで発表した新作《2022》を再構築し、《2022: remap》として展示します。

ダムタイプ《Playback》撮影:高谷史郎 ©ダムタイプ

坂本龍一さんが本作のために新たに制作したサウンドトラックに加え、坂本さんの呼びかけにより世界各地でフィールドレコーディングされた音が、ダムタイプの視覚言語を通じて、その場に立って各人が耳を澄ませることの意味、機械を通じた知覚のあり方を浮き上がらせます。また1850年代の地理の教科書から引用された普遍的な質問のテキストが、独自のレーザー装置で壁に投影されたり、坂本さんの友人たち(デヴィッド・シルヴィアンやカヒミ・カリィなど)による朗読の音声によって周囲を取り囲み、見えるか見えないか聴こえるか聴こえないかの境界線上で表現されます。

『第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展 日本館展示帰国展 ダムタイプ|2022: remap』

開催中~5月14日(日)/アーティゾン美術館/10:00~18:00 ※日時指定予約制。5月5日を除く金曜は20:00まで。入館は閉館30分前まで/月曜休/当日一般¥1,500(ウェブ予約チケット¥1,200)/https://www.artizon.museum


アート

text & edit:Mayumi Akagi
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

編集者・ライター

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雑誌やウェブ、書籍で、主に暮らしまわりの記事を手がける。イベントで国内外の古本や雑貨を扱う「greenpoint books & things」、旅好きライターユニット「auk」としても活動。旅にまつわる著書多数。趣味は映画、アート、K-POP鑑賞、書店巡りなど。リンネル本誌では「アート&イベント」、リンネル.jpでは「今月のTO DO LIST」「清水みさとの食いしんぼう寄り道サウナ」などの連載を担当。

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