秦 基博さん「さまざまな軽やかさ・奥深さに触れられた1年でした」/アルバム『HATA EXPO -The Collaboration Album-』インタビュー 秦 基博さん「さまざまな軽やかさ・奥深さに触れられた1年でした」/アルバム『HATA EXPO -The Collaboration Album-』インタビュー
異なる視点で見える美しさを楽曲に表現
━━また、今年3月にご一緒にライブをされた又吉直樹(ピース)さんが朗読を担当されている楽曲「ひとり言」も。
ラジオ番組での対談をきっかけに仲良くさせていただいているのですが、年齢も一緒で又吉さんの作る世界も好きなので、一緒にライブをやりましょうという話になって実現し、その流れで楽曲も制作しませんかとオファーしたところ、参加いただけることになりました。
━━又吉さんの朗読からスタートする楽曲。抒情的でありながらも、どこかクスッとさせる部分があるのは、さすがお笑い芸人さんだなと思いました。
そうですね。視点がとても文学的で、詩的ですごいなと思いました。
━━TOMOOさんとの楽曲「青葉」は、ピアノの音色とおふたりのハーモニーがエバーグリーンな印象を与えます。
桜って、満開の時がいちばん華やかで印象に残るとは思うのですが、年齢を重ねてくるとやがて花びらが落ちて緑が濃くなっていく過程も好きだなと思えるようになって。同じ景色だけれども、受け取り方で美しさの基準が変わってくるなって感じるようになりました。その移り変わる美しさや景色を、世代や性別が異なるふたりのミュージシャンの視点を通して、楽曲のなかに存在させたいと思って、最近よく聴いているTOMOOさんにお願いして完成させたものになります。同じ青を見ているんだけど違う気持ちっていうのが、そこに共存するといいなというイメージでしたね。
━━また、国境を超えた視点の違いを表現しているのは、1990年代より活躍するシンガー・ソングライターのリサ・ローブとの楽曲「Into the Blue」ですね。
僕が高校生の頃におそらく初めて購入した洋楽アルバムが彼女の作品でして、まさか今回共演が実現するなんて。夢のようなお話です。世代、性別に加え、国境も異なるふたりが感じる美しさを楽曲で共有できたら面白いのでは?というアイデアがまずあって。まったく違うものに対して美しさを感じることもあるだろうし、同じものを美しいと感じることもあるかもしれない。そうやっていろんなものを飛び越えて、お互いディスカッションしながら完成した楽曲になります。
━━秦さんも英語で歌われていますね。
英語が話せないので、自分の伝えたいニュアンスとかも含めて、サポートしていただきながら完成させたものなのですが、向こうのミュージシャンの方々は<韻>を大切にするんだなって。そこは大きな発見でした。
━━また、本作には2021年にリリースしたKANさんとの楽曲「カサナルキセキ」も収録されています。
KANさんと共演できたことは、自分にとって本当に大きな財産になりました。徹底的に細部にこだわって、妥協をいっさいしないその厳しさ、純粋にいい音楽を追求される姿勢で制作されている姿は、本当に刺激になりました。天才を超えた存在だなと思っています。
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