東京スカパラダイスオーケストラ・NARGOさん、谷中 敦さん/「可能性のボーダーを超え、美しく燃え続ける」デビュー35周年記念ベストアルバムインタビュー 東京スカパラダイスオーケストラ・NARGOさん、谷中 敦さん/「可能性のボーダーを超え、美しく燃え続ける」デビュー35周年記念ベストアルバムインタビュー
フィンランドの気功師が教えてくれたこと
━━とても聴きごたえがありながらも、35年をセレブレーションする雰囲気の伝わる仕上がりですよね。また、ラストには新曲「まだ、諦めてないだろ?」も収録されています。
谷中: これはNARGOがボーカルを担当している楽曲ですね。最近、NARGOはボイス・トレーニングに通っていて、楽曲やステージで歌う機会が増えているのですが、歌い手としてパワー・アップしている姿を楽しんでいただける仕上がりになったのではないのかなって思います。
NARGO: 30年以上トランペットを吹いていて、歌をやるっていう気は全然なかったのですが、コロナ禍に趣味の延長でボイトレに通いだし始めたら、歌いたい欲求が徐々に強くなってきて。急にすいません、ちょっと歌わせてもらってもいいですか?みたいな感じでマイクを持つようになりました。スカパラって、もともとメンバーそれぞれがやりたいことや可能性を見つけてきて、それをバンドにどうフィードバックさせるのかを考えながら活動を続けている。今までやってないことに挑戦してみたら、どういう世界が見えるのかに興味があるバンドなのです。
また、自分自身も可能性ってここまでって決めちゃったらそこで終わっちゃうけれど、やってみたらさらに新しい扉開けるんじゃないかなっていう思いもあった。もちろん、最初に歌った瞬間は身体が震えるほど緊張しましたら、いざ挑戦してみると、もっと追求したい気持ちが強くなってきましたね。歌うことをもっと掘り下げてみたいって。結果、今回の「まだ、諦めてないだろ?」でボーカルを担当させていただいたのですが、何ごとも諦めちゃったらそこで終わりなんですよね。それよりさらに先に行くぞという思いを、この楽曲で表現できたなって思います。
━━年齢などを理由に諦めてはいけないという気持ちになれる楽曲です。
NARGO どんなことも挑戦してみないとわからないことが多い。それに取り組み続けてきたからこそ、スカパラは35年も活動が続けられているのだと思う。新しい世界に踏み出すことは勇気が必要ですけど、一歩進んでみることは大切なのかなって。これからもさまざまな可能性を見つけて探して、行けるとこまで行ってみたいなと思いますね。
━━40年、50年とスカパラはまだまだ進化し続けますね。
谷中: 最近は周年ごとに何かしらのイベントがあって、かなり忙しい日々が続いている状態ですが(笑)。今回の35周年では、甲子園でのワンマン公演をきっかけに、新しくファンになってくださった人も増えたりして、元気に楽しく音楽ができているなという気分になれました。いろんな勇気をもらえた35年目でしたね。まもなく36周年に突入するのですが、5月からは都道府県すべてをまわるホールツアーがスタートしますし、まだまだ燃え尽きる状態にはなれなくて、この勢いで40年へ突入することになりそう。僕らは<燃え続ける症候群>なのかもしれません。
━━でも常に燃え続けるためには、暮らしを充実させてエネルギーを蓄えることも必要なのではと思いますが。
NARGO: 僕は犬の散歩ですかね。川沿いとか一緒に歩いていると、めちゃくちゃリラックスするんですよ。そういう時にふと、アイデアが浮かんできたりするし。ただボーッとしている時間がひらめきを与えてくれることが多い。だから、リラックスする時間って大事だなって改めて思いますね。
谷中: 以前フィンランドに行った時に、気功の先生と会ったんですよ。向こうで700人くらいの生徒さんを抱えているくらいに有名な。その人が、人間にはエネルギーの輪があり、それを広げる供給源は無限にあるけれど、使わないでいるとどんどんしぼんでいく。だから、常にそこに元気になれる何かを供給し続け、輪を広げようとする姿勢が人生において大切なんだというお話をうかがったのですが、本当にそうだと思う。ここ最近はコロナ禍以降、人との接触を控えたりだとか、周囲になるべく迷惑かけないみたいな風潮があると思うのですが、気持ちをオープンにし続けるってことがより暮らしを充実させるし、自分がそもそも持っているエネルギーをより放出しやすい状態に導いてくれるのではないのかって。また、そのことによって、別の新たなエネルギーと出会い、自分の輪がさらに広がっていくのではないかと思うのです。だから、積極的にいろんな人や世界に触れることは大切なのでは。実際に自分たちも、ライブで観客のみなさんのエネルギーをいただくことによって、次の活動への大きな原動力になっているし。たくさんの人々とエネルギーの交換をすることを忘れずにいたいですね。
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