CULTURE
:【女子旅 島根県】江津・大田・松江の古き良き文化スポットを探訪!朝ドラ「ばけばけ」を感じる風情ある風景
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:
朝ドラ「ばけばけ」の舞台として話題となっている島根県。
第2弾では江津・大田、そしていよいよ「ばけばけ」の舞台でもある松江を巡ります。小泉八雲も心奪われた、島根の文化的魅力にどっぷりと浸かっていきたいと思います!
【女子旅 島根県】江津・大田・松江エリア編
島根県の岩見エリアと
朝ドラ「ばけばけ」の舞台でもある松江市

今回は益田から東に移動。大田市、江津市など“石見”と称されるエリアで石見神楽をはじめ伝統芸能に触れたあと、さらに東に移動し、「ばけばけ」の主な舞台である松江市を訪れます。
石見神楽のお面工房を見学

小林工房
島根県西部に位置する石見地方。別の名を「石見国(いわみのくに)」といいます。伝統芸能が盛んで文化遺産が多く残る石見エリアは見どころがいっぱい。まずは日本神話になぞらえた数々の物語を、舞で表現して神様にささげるこの地域の伝統芸能「石見神楽」にまつわるスポットを巡ります。
通常、神楽のお面は木製ですが、石見神楽のお面は島根で作られる石州和紙でできていることで有名です。温泉津駅近くの小林工房では、実際に使用されている数々の演目のお面と共に、絵付け体験をすることができます(要予約制)。


石見のお面の制作技法は脱活法。石膏型に粘土を詰め、取り出して乾燥させた粘土型に細かくした和紙を丁寧に貼っていきます。そうして貼って充分に乾かした後、原型となる粘土を打ち壊す(脱活)方法です。
木型なら脱活がないので手間は省けますが、その分繊細なものを作るのが難しいそう。ひとつのお面を作るのに平均1か月半ほどかかり、天日干しが必要なので、制作期間は天気にも左右されるのだとか。


石見神楽のお面は紙製なので湿気には要注意。乾燥しすぎてもひび割れたりするので絶妙な調整が必要だといいます。壊れた場合は修復などを繰り返し、50~60年もつほど丈夫であるといいます。
神楽っ子が多い石見では絵付け体験が大人気。石州和紙で仕上げられた本格的な神楽面の絵付け体験は8,500円から。お面は軽く、すぐに持ち帰れるので、旅の思い出にもおすすめです。
小林工房
島根県大田市温泉津町小浜イ308-2
0855-65-2565
公式HPはこちら
レトロな温泉街で夜神楽を鑑賞

有福温泉街
@江津市
1370年以上もの歴史を持つ有福温泉は豊かな自然の残る山に囲まれ、 古くからの文化が残る名湯の地。そんな有福温泉街の中心に佇む湯の町神楽殿で、地元の神楽団による石見神楽の公演を観ることができます。

有福温泉 湯の町神楽殿
@江津市
雰囲気のある木造二階建ての建物の一階、客席と舞台がほぼゼロ距離の、迫力ある石見神楽を間近で楽しめる穴場スポットです。

石見神楽はテンポが早く、激しい動きが特徴。華やかな衣装と面、大蛇が火を噴くなどのリアルな演出もあり、伝統芸能ながらエンタメとして楽しめるのが魅力です。


この日の演目は「頼政」と「大蛇」。源頼政VS鵺の戦い(「頼政」)と、須佐之男命の大蛇退治(「大蛇」)を描いた、ダイナミックな物語です。その激しさたるや……。ボーッと見ている客席まで色々飛んでくるので要注意!

有福温泉で神楽を披露してくれたのは、地元の神楽団である有福温泉神楽団。50年以上もの歴史を誇る神楽団で、地元人気も高い。グッズやDVDも売っているので、神楽を観た記念品としておすすめ。
※公演は毎週土曜日 20:30~22:00、要予約(ただし、10月と1月~2月は、月2回開催)
有福温泉 湯の町神楽殿
島根県江津市有福温泉町546
0855-52-0534(江津市観光協会)
公式HPはこちら
石見銀山をぶらり散策

石見銀山遺跡大森地区の町並み
続いて、「石見銀山遺跡とその文化的景観」として、2007年に鉱山遺跡としてはアジアで初めて世界遺産に登録された石見銀山。その規模は529ha(東京ディズニーランド約11個分)で、当時を彷彿とさせる趣深い町並みには今も400人ほどの人々が暮らし、歴史を伝え残しています。

“石見銀山の風景には全て意味がある”と言われています。ゴミ箱が一切ない、電柱がない、など景観を残す工夫が随所に散りばめられています。

熊谷家住宅
石見銀山で最も栄えた有力な商家・熊谷家。熊谷家は金融業、酒造業、掛屋、郷宿、御用達など務めるなど、大森代官所の御用を勤める有力者でした。
現在の建物は1800 年の大火後の再建ですが、その後整えられていった屋敷構えの変遷の様子や生活ぶりが窺える貴重な商家建築。奥の間や地下蔵、台所など、江戸~明治にかけての人々の暮らしを垣間見ることができます。


享和元年(1801)に建築された後、明治元年(1868)にかけて間取りが 変えられてきましたが、写真の奥の間は建築当初のまま現在に至っているそう。各部屋の展示のほか、当時の食事や衣服など、細かい生活用品の展示も行われています。
石見銀山は規模が大きすぎて全部を見て回ることは難しいですが、銀で栄えたという大森の町並みはぜひ訪れてほしい場所。銀細工のお店やかわいいカフェ、などお店もたくさんあるので、時間をたっぷりとってぜひ訪れてみてください。
石見銀山大森観光案内所(石見銀山公園前)
島根県大田市大森町イ824-3
0854‐88‐9950((一社) 大田市観光協会)
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松江城の周りを遊覧船で周遊

堀川遊覧船
島根旅はいよいよ東部・松江エリアに突入。
まずは松江の城下町にある堀を小船で巡る「ぐるっと松江堀川めぐり」にやって来ました。松江城を取り囲む堀川は、松江城築城時に作られたもの。船はこの堀川を約 50 分かけてゆっくりと遊覧します。船上から眺める松江の街並みは情緒にあふれ、水辺を彩る草花や水鳥が四季を感じさせます。


コースをぐるっと一周すると 17 もの橋をくぐり抜けますが、そのうちの 4つの橋をくぐるときは橋の高さにあわせて屋根がグッと下がるので、乗客もしっかり頭を下げます。

松江城
松江城もいろんな角度から見られる!

街中とは思えない、自然に包まれた時間を過ごすことができる堀川めぐり。冬の風物詩であるコタツ船も好評だそう。
堀川遊覧船
島根県松江市黒田町507-1
0852-27-0417
公式HPはこちら
小泉八雲の視点で島根を見る

小泉八雲記念館
そしてついに! 「ばけばけ」で話題沸騰中の小泉八雲記念館へ。
八雲が1891(明治24)年6月、妻のセツと移り住み、5か月間暮らしていたという小泉八雲旧居も隣接していて見学が可能。小泉八雲=ラフカディオ・ハーンという多面的な作家にまつわる遺愛品を展示するとともに、彼の妻であるセツや縁の地についても深く知ることができる場所となっています。


八雲が日本への関心を深めるきっかけとなった、英国人の言語学者チェンバレンが明治15(1882)年に著した英訳『古事記』。さらに小泉八雲の『骨董』や『怪談』の初版本などの展示も。


企画展では八雲宛の子供たちからの書簡や家計簿など、作家としての八雲だけでなく、セツや子供たちとの生活が伺える展示も多数。さらに館内には、八雲の怪談を聞くことができる朗読コーナーもあります。

小泉八雲旧居
こちらは熊本に赴くまで、小泉八雲が妻のセツと約5ヶ月を過ごした武家屋敷。
八雲は美しい庭を特に気に入り、帰宅すると三方の庭を眺めて過ごしたそうです。この庭で植物や虫、動物たちを慈しみながら、五感で四季を感じとる時間の豊かさを自身の著作『日本の庭』の中で表現しました。

柔らかい光が差す庭は、当時のまま保存されています。

母屋は庭で囲まれ、特に南庭は枯山水の観賞式庭園。

八雲の机と椅子。16歳の時に事故により左目を失明し、右目も重度の近視であった彼は原稿を書くために通常より背が高い机を特注。眼鏡をかけなかったため、原稿に目を擦り付けるようにして執筆していたそうです。机の上には家族を呼ぶ際のホラ貝も(すべてレプリカ。オリジナルは記念館に展示中)。
現在、小泉八雲記念館では「小泉セツ—ラフカディオ・ハーンの妻として生きて 第2期」の企画展示も開催中。「ばけばけ」で髙石あかりさん演じる、ハーンの再話作品の創作における最大の功労者、小泉セツの生涯に光をあてた企画展になっています。会期は2026年9月6日(日)まで。ぜひドラマと併せてチェックしてみて。
小泉八雲記念館・小泉八雲旧居
島根県松江市奥谷町322
0852-21-2147
公式HPはこちら
小泉八雲や森鷗外をはじめ、多くの文化人に愛され、その歴史や文化遺産を大切に守ってきた島根県。その魅力は実際に土地を訪れ、触れてみなければ全てを感じ取ることはできません。ぜひこの地を形作る歴史と文化を身をもって体感してみてください。きっと島根のことが大好きになるはず!
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