CULTURE
:【着物で美術めぐり】「アール・デコと女性」をテーマにした展覧会で、強く美しい女性たちに思いを馳せて
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こんにちは。元呉服屋で、着物が身近にある生活を楽しんでいる暮らし部エディターのrinaです。
今年もいよいよ残りわずか。やり残したことをやりつつ、新年に向けて理想の暮らし方を考えていきたい時期になりましたね。着物で美術巡りをするのが趣味の私は、今年中に着たかった着物に袖を通し、気になっていた「新時代のヴィーナス! アール・デコ100年展」へ行ってきました。
展覧会ムードや季節に合わせて
コーディネートを楽しむ
アール・デコはフランスを中心に流行した幾何学的なデザインが特徴の装飾様式とのことなので、今回は和洋折衷なコーディネートにすることに。

数年前にDOUBLE MAISONで購入したレースの着物。涼やかな翡翠色が上品でお気に入りの一枚です。個性的でありながら、帯次第でカジュアルにもフォーマルにも合わせられるのも推しポイント。
帯は銀糸と光沢感のあるブルーの刺しゅうが入った名古屋帯を合わせました。こちらは平安神宮前で開催されていた縁日で1,000円で購入したもの。美しい流線がどこか洋風な印象を与えてくれます。

帯留めの代わりにクリスマスマーケットで購入した雪の結晶のブローチ、耳もとには祖母から譲り受けた薔薇のモチーフのイヤリングをつけました。ブルーのグラデーションでまとめたウィンタールックの完成です。
着物だけ見るとまるでパーティーへお呼ばれしたようなので、小物たちでカジュアルダウン。バーガンディーのベレー帽に、エナメルのメリージェーンパンプスとベロアのソックス、バッグも足もとと同じ黒でそろえました。寒いので、上にグレーのポンチョとファーマフラーを巻いて出発です。
大阪中之島美術館で開催中の
「アール・デコ100年展」へ

展覧会情報
展覧会名:新時代のヴィーナス! アール・デコ100年展
場所:大阪中之島美術館 5階展示室
開催日:2025年10月4日(土) – 2026年1月4日(日)
休館日:月曜、2025年12月30日(火) – 2026年1月1日(木)
開館時間:10:00 – 17:00 (最終入場は16:30)
大阪中之島美術館へは阪神電鉄福島駅や京阪電鉄中之島駅から徒歩10分ほど。周辺にはレトロビルやカフェなど散策が楽しくなるスポットも多く、美術館のすぐ隣には国立国際美術館もあり、美術館をはしごするのにもおすすめの場所です。
堂島川を渡ると、ビルや色にあふれた都会のなかで異彩を放つ「宙に浮く黒い箱」のような建物が見えてきます。

現代美術家ヤノベケンジさんの作品『SHIP’S CAT』がお出迎え
今回の展覧会は、フランスで開催された「現代装飾美術・産業国際博覧会」(通称アール・デコ博)から100年を記念したもので、「アール・デコと女性」をテーマに、女性が描かれたヨーロッパのグラフィックデザインのほか、ジュエリーや香水瓶、ドレスなど、当時を象徴する作品や資料を展示しています。
新しい一年に向けて
自分の理想と向き合うひととき
展示室はどのエリアもゆったりとした空間で、ベビーカーを押していても見やすくてとても助かりました。
有機的な曲線や植物をモチーフにした柔らかな印象のアール・ヌーヴォーに対し、直線的でモダンなデザインが特徴のアール・デコ。懐かしさを感じさせる色彩で描かれる女性たちは、美しく艶やかで女性的でありながら、自信に満ちあふれており颯爽とした印象を受けました。当時の女性たちが憧れ、身につけたであろう繊細で美しいジュエリーは、活気にあふれた豊かな時代であったことを想像させます。
当時の車や劇場のスターを描いたいくつものポスターを見ているうちに、まるでタイムスリップしたかのような感覚に。いつの時代でも女性たちが強くたくましく、そして楽しそうに過ごしている姿を垣間見られるのは励みになります。もし私がこの時代に生きていたら……と妄想も捗ります。

特に私が好きだったのは、ゴルフやスキーといったスポーツを楽しむ女性たちを描いたポスター。コルセットから解放された女性たちがどんどんアクティブになっていく姿に心躍ります。
そしてなんといっても、どんなときでもおしゃれ。そこに惹かれるのは、彼女たちが「自分のため」におしゃれを楽しんでいるように思えたからだと思います。自分の抱く理想の姿に近づくために、彼女たちは着飾り、そしてアクティブに出かけていくのだと。そんな風に私の目には映りました。
そんな彼女たちを見ながら、来年の私はどんなふうになっていたいかを考えます。
現在第二子を妊娠中の私。これからお腹もどんどん大きくなって、できないことが増えていくことでしょう。それでも、少しでも自分の理想とする姿に近づくことができるように心がけられたら嬉しいと思います。おしゃれに、そしてアクティブに。作品の女性たちをお守りのようにときどき思い出して、心躍るものに敏感に、正直に暮らしていけますように。
カフェやショップもチェック
隅々まで美術館を楽しんで
大阪中之島はベビールームが充実しているので、子連れの方にもおすすめの美術館です。
子供用トイレ、授乳室、オムツ替えコーナー、そして親子休憩室というプレイエリアまであります。こんなふうにベビーやキッズフレンドリーな美術館がこれからもっと増えていくと嬉しいですね。ベビーカーにずっと固定された息子も思い切り遊べて大満足の様子でした。
展覧会のショップではポストカードを数枚購入し、その後大阪中之島美術館のショップもチェック。セレクトされたインテリアやファッション雑貨、書籍、美術館オリジナルアイテムなどを取り扱っていました。どれも個性的でおしゃれで、センスのよさを感じます。

1階にはHAYのショップと、カジュアルなフレンチレストランがありました。せっかくなのでレストラン「Musée KARATO (ミュゼカラト)」にて早めの夜ご飯です。
完熟トマトとモッツァレラのパスタ、ミニサラダを注文。ミニサラダがボリューミーで、心の中で万歳!!パスタもおいしくいただきました。

今年やりたかったことのひとつがこのレースの着物を着ることだったので、無事に袖を通せてホッとしました。はぁ嬉しい。残りの日々もやりたいことをひとつずつやりつつ、新年に向けて理想の未来を思い描いていこうと思います。
そして、来年も大好きな着物とアートにたくさん触れられる一年にするために、日々の暮らしと丁寧に向き合っていこうと改めて思えた一日でした。
リンネル暮らし部エディター・
rinaさん

どんなときでも自分の好きを大切に。元呉服屋で毎日着物生活。転職後は「暮らしの先にある着物」を求めて、美味しく愉快で心地のよい生活を日々研究中。リンネル暮らし部エディターとしてブログを発信中。
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
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