CULTURE
:暮らしに迷ったとき、そっと開きたくなる本。仁平里帆さんの新著『台所ごよみ365日』インタビュー
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忙しさに追われ、つい後回しにしてしまいがちな、心とからだ、そして家族や季節とのつながり。
この本は、365日の日記のように、台所しごとを通して“本当に大切なこと”をそっと手渡してくれます。
昔から里山に伝わる手当てやならわし、四季を味わうおいしい料理を、日記のように丁寧に綴った一冊。
今回は著者の仁平里帆さんに、本に込められた想いを伺いました。
大切なのは、
いろいろなものに感謝して暮らすこと
「日常を過ごしていると、気づくことがたくさんある。それを大事にしたくて書き留めておこう、と思ったことがはじまりでした」
栃木県・益子町の自然に囲まれた古民家で暮らす仁平里帆さん。新刊『からだと心整う 台所ごよみ365日〜七十二候を味わう暮らしの知恵』には、二十四節気や七十二候など暦を手がかりに暮らす日記と写真が、365日分綴られています。
「森が目の前にある暮らしをしていると、暦の変わり目に沿って自然が変動していることに気づきます。急に鳥が飛んできたり、風の感じが変わったり。天体の動きによって動物たちの動きがそわそわしたり。観察していると、おもしろいんです」
試みているのは、当たり前の家事を、あえて大事にしてみること。
「掃除ひとつとっても、毎日どれだけきれいにしても、次の日にはまたホコリが溜まる。それって人間の感情と似てるなと。いくら自分と向きあってすっきりしても、次の日にはまた邪念が入ってくる。ただこれも当たり前の現象だから『払う』ことをすればいいんだ、とか。そういう感情と目の前の様子が一致している気づきが、すごく多くて」
湧水を汲みに行ったり、葉っぱに記したハガキを出したり、壺でお芋を焼いたり、かまどでお米を炊いたり。その生活ぶりは、ともすれば現代とかけ離れた桃源郷のようだと思うかもしれません。
「ただ私もちゃんと現代の人間として生きています。便利な家電もありがたいと思ってますし、私の暮らしが正解というわけでもありません。大切なのは、いろいろなものに感謝して暮らすこと。自分が何に心地よさを感じるか、そこに気づくきっかけとなってくださったら。この本が、みなさんが自分自身を大切にするための『お守り』になればと願っています」
仁平さん自身、10代や20代の頃は繊細で、生きづらい時期を過ごしていました。「なので今まさに自分がどうやって生きたらいいのか思い悩んでいる子たちに、自分の『好き』という気持ちを大切にして生きていいんだよ、と伝えたい。私は本当に暮らすことが好きで、夢中で取り組んできた結果、ありがたいことに本という形にすることができた。かつての私は、社会に出るためにはそういう自分を消さなきゃいけない、と思い込もうとしていたんです。けれど、どうしてもその違和感を無視できなかった。自分に嘘をつかない生き方をしたい。そういつも思っています」
『からだと心整う 台所ごよみ365日~七十二候を味わう暮らしの知恵』

仁平里帆/¥1,980(エクスナレッジ)
昔から伝わる手当てやならわし、細やかな季節の恵み、人とのつながり……。人工的で効率的、便利だけど、本当はあまり気持ちよくないと感じているすべてが除かれた、美しくも尊い日常の断片。昭和の時代にタイムスリップしたような里山の暮らしに憧れを抱きながら、本来生きている自分を取り戻したくなる。そんな心のリハビリのような一冊。
仁平里帆さん
photograph: kouji Yamada text: BOOKLUCK
リンネル2026年5月号より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
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