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【農家さん直伝】 美味しいみかんの見分け方。4つのチェックポイントはどこ? 【農家さん直伝】 美味しいみかんの見分け方。4つのチェックポイントはどこ?

冬を代表する果物といえば、みかん。スーパーで売られているのを見ても、どれが美味しいのかわからない……ということはありませんか? 甘くて美味しいみかんの選び方を、真穴柑橘共同選果部会 共選長の中井 平昌さんに教えていただきました。酸っぱいみかんに当たってしまった場合に酸味を和らげる方法や、箱買いするときのポイントなど、これからの季節に役立つ知識が盛りだくさんです!

目次
【農家さん直伝】 美味しいみかんの見分け方。4つのチェックポイントはどこ?
  1. 教えてくれたのは………真穴柑橘共同選果部会 共選長 中井 平昌さん
  2. 美味しいみかんを見分ける4つのポイント
  3. もし酸っぱいみかんに当たってしまったら……
  4. 箱買いするときに美味しいみかんを見分ける方法は?
  5. みかんを美味しく食べるには保存方法も大切!
  6. 見分けるポイントを知ってみかんを美味しく食べよう!

教えてくれたのは………
真穴柑橘共同選果部会 共選長 中井 平昌さん

真穴柑橘共同選果部会があるのは、日本一のみかんの里といわれる愛媛県八幡浜市真穴地区。四国の西から九州へ向かって細長く伸びる佐田岬半島の付け根に位置し、穏やかな宇和海と、それを取り囲むように見渡す限りのみかん畑が広がるのどかな集落になっています。そこで丹精込めて育てられているのが「真穴みかん」です。

宇和海の潮風と、太陽の陽ざしをいっぱいにうけて育った「真穴みかん」は当たり外れがなく、甘みと酸っぱみのバランスがいいのが特徴。「じょうのう」(みかんの袋)が薄く、袋ごと食べることができます。真穴地区のみかんのほとんどを選果・荷造りしているのが、この選果部会の選果場。品質の証として、厳しい検査に合格したみかんには一個ずつ「真穴みかん」の赤いシールが貼られています。

美味しいみかんを見分ける4つのポイント

冬に旬を迎えるみかん。せっかくなら、美味しいものの見極め方を知っておきたいところ。
日頃から、美味しく品質のいいみかん選びを行っている中井さんに、見た目や手で触った感触、皮をむいたときなど、4つのチェックポイントを教えていただきました。

チェックポイント①
皮の色とキメの細かさ

【皮の色が濃く、皮のつぶつぶとキメが細かいものを選ぶと◎】
「太陽の光をたくさん浴びて、光合成をしっかり行っているみかんほど皮の色が濃くなります。同時に果肉も色づくため、甘みが増すといわれています。
また、みかんの皮には、油胞(ゆほう)と呼ばれるオレンジ色の小さなつぶつぶがありますが、この油胞が細かく多く、キメの細かいつるりとしたものを選ぶのがおすすめです。キメが細かいと、みかんが成長する過程で細胞分裂が活発に行われ、果肉が十分に熟していると考えられるからです」

チェックポイント②
ヘタ(軸)の大きさと色

【ヘタ(軸)が小さく、黄緑色のものを選ぶと◎】
「みかんは水分と養分を吸収して成長しますが、ヘタの大きいみかんは多くの水分を吸収し、ヘタの小さなみかんは水分の吸収が少なめです。
これにはみかんの木の年齢も影響していて、若い木は育ち盛りのため、枝が太くしっかりとしています。水分を多く吸収し成長するため、果実に必要以上の水分がいきわたる傾向にあります。
一方、樹齢を重ねたベテランの木は枝が細くなり、みかんの重さで枝が下側にしなることで養分が果実にたまりやすくなります。その結果、水分は必要以上に果実に送られなくなり、若い木になったみかんよりも味が濃くなるといわれています。

収穫後すぐのみかんのヘタは真緑色が多いですが、熟すと黄みがかった色へ変化していきます。そのため、ヘタの色が黄緑色のものを選ぶといいでしょう」

Q. 大きさによって美味しさは変わる?

 

→味の差はないけれど、食感が異なる

 

「最近は光センサーにより、基準以下のみかんを箱に入れないようにしています。そのため、大きさによる味(甘み)の差はありませんが、食感が違います。大きいみかんは果肉を包む袋「じょうのう」が硬く、口に残りやすいのですが、小さいみかんは「じょうのう」が薄く、袋ごと食べることができます。食べたときに袋を口から出す人は大きいみかん、袋ごと食べたい人は小さいみかんを選ぶといいと思います」

チェックポイント③
触ったときの重さ

【持ったときに重みを感じるものを】
「小さなお子さんの手のひらにすっぽり収まるかわいらしいものから、食べごたえのある大きなものまで、みかんは大小さまざまなサイズがあります。重さはみかんのサイズによって異なりますが、一般的に糖度が高いと水分が多く含まれて重くなるため、持ったときに重みを感じる(果汁がたくさん詰まっている)みかんを選ぶのがポイントです」

Q.形は気にしなくてもいい?

 

→あまり気にしなくてOK

 

「形はみかんの種類によって異なります。基本的には丸い形ですが、ボールのようにまん丸なものや、平べったい形のものなどさまざまです。
丸い形のものよりも平べったい形の方が美味しいといわれることが多いのですが、みかんの種類によっても変わるため、あまり気にしなくても大丈夫です」

Q. 傷がある場合は……?

→熟していて甘くて美味しい場合も


「傷がついていても、南向きの太陽光をいっぱい浴びた色の濃い美味しいみかんもあり、あえてそういう企画として販売されているものもあります。傷のありなしはおいしさにはあまり影響はありません」

チェックポイント④
房の数

【房の数が多いほどGood】
「通常一個のみかんは9~10の房からできていますが、房の数が11~12房と多くなると美味しくなるといわれています。品種改良前のみかんは房の中に種が入っていたため、房が多い=種が多いのは子孫を残すための優秀なみかんだといえるからです」

また、皮をむかずに房の数を知る方法も!

「ヘタを取ると現れるくぼみやヘタの裏に放射線状に並ぶ線を数えると、房の数をほぼ間違えることなく言い当てることができます。
この線は、根から吸収した水分やミネラル、葉でできた養分が通る維管束の断面。ヘタを通る一つの維管束は一つの房につながっているため、維管束の筋を数えることで房の数がわかります」

Q. ヘタ側と反対側、どちらからむくかでみかんの美味しさは変わる?


→美味しさは変わらないが、白いすじの取れやすさが異なる

 

「むき方で美味しさは変わりませんが、ヘタ側からむくと白いすじがとれ、ヘタ側の反対からむくと白いすじが残りやすくなります。白いすじが気になる方はヘタ側からむくのがおすすめです。ただし、白いすじは食物繊維が豊富で、高血圧や動脈硬化、ガンなどの予防効果が期待できます」

次のページもし酸っぱいみかんに当たってしまったら……

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