夏に蓄えたおいしさがぎゅっと詰まった食材が出回る秋。滋味深い秋の料理に合わせて、器も衣替えしてみませんか。器を愛する皆さんに季節を味わう料理と器を見せていただきました。今回は冷水希三子さんに教わる異素材の器を使ったおもてなしレシピをご紹介します。
器選びのポイント:
「主役の器を決めてから、足し引きする感覚で」
いくつかの器を一度に食卓に出すときは全体のバランスが大切。まず主役の器を決めて、足し引きするような感覚で器を選んでいきます。今回はメインにシャビーな色味の大皿を選んだので、ご飯にはあたたかみのあるウッドボウルを使って秋らしさを。少し抜け感がほしかったのでサラダにはガラスボウルを使いました。ボウルに統一したことで、異素材でも好バランスに。また、秋冬は落ち着いた色の料理が多いので、器で少し色を足しました。
秋の気軽なおもてなしレシピ3品
RECIPE 1
チキンときのこのフリカッセ(竹村良訓さんの大深皿)
●材 料 (2人分)
鶏もも骨つきぶつ切り…600g
(A)
塩…小さじ2/3強
レモン汁…大さじ1
タイム…4~5本
EXVオリーブオイル…大さじ1
しいたけ…6個
まいたけ…1パック
マッシュルーム…6個
玉ねぎ…1/2個
バター…15g
白ワイン…80mL
水…80mL
生クリーム…80mL
ローリエ…1枚
塩…適量
EXVオリーブオイル…大さじ2
レモン汁…大さじ1/2
レモンの輪切り…適宜
●作り方
1.鶏もも肉にAをもみ込んでおく。きのこ類はひと口大に切り、玉ねぎは薄切りにする。
2.鍋にバターと玉ねぎと塩ひとつまみを加え、弱火で甘みが出るまで蓋をして蒸らし炒める。
3.2にきのこ類と塩ひとつまみ、オリーブオイル大さじ1を加えて混ぜ、再び蓋をして5~10分ほど蒸らし炒める。
4.フライパンにオリーブオイル大さじ1を入れ、1の鶏もも肉の水気を拭いて表面を焼く。余分な油を拭き取り、白ワインを加えて煮汁が半量になるまで煮詰める。3の鍋に煮汁ごと加え、水、ローリエを入れてアクを取りつつ軽く蓋をずらして10分ほど煮込む。
5.4に生クリームを加え、最後にレモン汁を加え塩で味を調え、レモンの輪切りを飾る。
RECIPE 2
ドライトマトとオリーブのご飯(〈STUDIO PREPA〉の吹きガラスボウル)
●材 料 (2人分)
米…2合
水…440mL
オリーブ(みじん切り)…10個分
ドライトマト(みじん切り)…10g
EXVオリーブオイル…大さじ1
塩…小さじ1/2
●作り方
米はといで水気を切っておく。鍋にオリーブオイルを加えて米が透き通るまで炒め、水とオリーブとドライトマトと塩を加え炊く。
RECIPE 3
梨とセロリのサラダ(海外作家のウッドボウル)
●材 料 (2人分)
梨…1/2個
セロリ…1本
新生姜…1かけ
白ワインビネガー…大さじ1/2
カボス汁…大さじ1/2
EXVオリーブオイル…大さじ1
塩…適量
●作り方
1.梨とセロリは2~3mmの棒状に切る。セロリの葉はみじん切り、新生姜は千切りにする。
2.ボウルに梨と新生姜を入れ、白ワインビネガーであえる。
3.2のボウルにセロリを加え、カボス汁と塩、EXVオリーブオイルを加えて混ぜ合わせる。
ここに取り皿を添えるなら
紹介したお料理に合わせる取り皿は掛谷康樹さんの練上手皿。民芸の器が入ることであたたかみと重さが増して、秋冬らしい食卓になります。ウッドボウルに合わせて、ナイフは持ち手に木を使ったものを選びます。
冷水さんの食器棚
食卓作りが楽しくなる個性豊かな器
大小さまざまな食器棚が置かれた冷水さんのキッチンとダイニング。ガラスや木、ザル、陶器、磁器……と、ゆるやかに定位置が決まっています。「素材や風合いが違う器があれば、季節やゲストの好みに寄り添った食卓を作れます。服やメイクと同じで、『こうあるべき』というルールに縛られず、個性豊かな器をそのときどきのシチュエーションや料理、気分に合わせて、自由に組み合わせています。それが器の楽しみですね」
冷水さんに質問!
Q.いろんな器をバランスよく組み合わせる方法は?
A.
存在感のある民芸の器は食卓をシックにしてくれるもの。もし民芸の大皿を主役にするなら、似た色味の器をひとつ入れて統一感を出しつつ、ガラスで抜け感を出すと重すぎず、軽すぎず、ちょうどいいバランスに。取り皿には土の風合いを感じる白を使うと冷たくなりすぎません。もう少し華やかさをプラスしたい場合は暖色のナプキンを添えると全体を引き締めつつ、おもてなし感も出ます。
(左上から反時計回りに)副菜用:フランスのアンティークリム皿、取り皿用:安藤雅信さんの小鉢、メイン用:掛谷康樹さんの練上手楕円深鉢、副菜用:ガラスのボウル
教えてくれたのは・・・冷水希三子さん
料理家。季節の食材を使ったやさしい味の料理と洗練された器使いが人気。著書に『スープとパン』(グラフィック社)など。
photograph:Mina Soma text:Yuriko Kobayashi web edit:Masako Serizawa
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
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