FOOD
:毎年恒例の【手前味噌の作り方】 季節の巡りを感じる、わが家の寒仕込み味噌レシピ
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こんにちは。元呉服屋で、日本の文化や着物が身近にある生活を楽しんでいる暮らし部エディターのrinaです。
寒くて乾燥するこの時期は味噌作りに最適の季節。味噌は年中仕込むことができるのですが、この時期に仕込んだものは寒仕込みと呼ばれ、カビなどもつきにくいので初心者にもおすすめなのです。
温かいお味噌汁はもちろん、夏は冷や汁や素麺のつゆに混ぜたり野菜をディップしたり、他にも肉や魚を漬け込んだり、中華やポタージュの隠し味に使ったり、実は何かと便利なお味噌。
季節の手仕事に興味のある方は、まずはお味噌作りから始めてみませんか?
おいしい味噌作りの鍵は準備にあり
材料探しから楽しもう

[今回私が用意した材料]
富澤商店の北海道産つるの子大豆/ヤマワの国産米使用米こうじ/くば笠屋の沖縄の塩シママース
手作り味噌のいいところは、なんといっても自分で材料を選べるところ。
材料についていえるのは、国産のものがおすすめということ。大豆は粒が大きく、ふっくらと炊きあがり、甘みや旨みが強いです。米こうじは外国産のものはタイ米などが使われていることが多いので、国産米のものの方がなじみのある味に。塩は純国産のものは少ないのですが、輸入して天日塩を日本の海水で溶かして再加工したものなども良質な塩といえると思います。日本料理に合うまろやかな味わいになっているので、お味噌との相性がいいです。
慣れた方は豆をひよこ豆にしたり、麦の麹を使ったり、外国産の塩を使ったりしていて、そういったアレンジに少し憧れる(そして味が気になる)気持ちもあるのですが、私はまだ「いつもの味」の安心感を手放せそうにはありません。いつか少量だけ取り分けて作ってみたい気もしています。
工程は煮る・混ぜる・潰すだけ
時間はかかるけどやることはシンプル
味噌作りと聞くと、料理上手で材料へのこだわりが強い人がやること、味の調整や温度管理など難しそう、そんなふうに思っていませんか。何を隠そう、私はそう思っていました。でも4年間仕込んできた感想としては「こんなに適当に作っても毎年美味しくてすごい!」です。想像以上に発酵の力ってすごいんです。作業時間は少しかかるけれど、工程はとてもシンプルなので、お子様がいる方でも一緒に楽しめると思います。
それでは、私の味噌づくりの材料と工程をお伝えしていきます!
わが家の味噌のレシピ

材料の割合は1(大豆):1(米麹):0.5(塩)
大豆+米麹=仕込みたい量の半量
これは私がいつも作っているお味噌の割合です。
例えば2kgのお味噌を仕込みたい場合、用意するのは乾燥大豆500g、米麹500g、塩250gです。
大豆と米麹を合わせると1kg、できあがりの量の半分ですね。
なぜできあがりの量よりも少ないかというと、乾燥大豆は浸水し、さらに煮ることで二倍以上に膨らむから。
塩はカビの発生や腐敗を防ぐために少し多めに、できあがり量の12~13%が初心者にはおすすめです。(できあがり2kgの場合、240~260g)
(その他用意するもの)
・味噌樽もしくは味噌用のチャック袋
・重石もしくは重石用の塩(できあがり味噌1kgに対して塩250~500g)
・味噌を潰すとき用のビニール袋2枚(45L以上がおすすめ)
・ラップ
RECIPE(下準備)
材料を準備したらいざ浸水
浸水時間は十分に余裕をもって


左:浸水前/右:翌日
豆の浸水もとても大切。煮る時間や豆の水分量が変わってきます。
冬は特に浸水に時間がかかるので15~24時間浸けましょう。私はいつも前日の夜20時くらいから翌日の11時くらいまで約15時間ほどつけています。暖房が効いた部屋や日中に浸水させる場合は冷蔵庫に入れておくか、途中で水を入れ替えるなどして、水が悪くならないように注意してください。
夜寝る前はぎゅっと丸い大豆が、翌朝には豆の形になって鍋いっぱいに溢れそうになっている姿はなかなか面白く、毎度楽しみに起きています。そんなわけですので、鍋は大きなものか複数用意して備えてくださいね。
RECIPE
1
浸水した大豆を煮る


左:煮始め/右:終わり頃
味噌作りで浸水の次に時間がかかるのが、大豆を煮る作業。
親指と小指で豆が軽く潰せるくらいまで煮ていきます。最初はアクが出るのでそれを取りながら。吹きこぼれたり、水が足りなくて焦げたりしないように注意してください。水が少なくなってきたら足し湯をしましょう。
量や鍋にもよりますが、私はいつも2時間くらい煮ています。圧力鍋があれば30分くらいで柔らかくなるようなので持っている方はラッキーです。かなりハードルが下がると思います。
煮込みが甘く硬い豆のままだと、水分量が足りず発酵が進みません。無味で、中途半端に発酵臭のするただの茶色い硬い塊を量産してしまうことになります。そうなっては悲しいので、時間はかかりますが柔らかくなるまでしっかり煮ましょう。
RECIPE
2
塩切り麹を作り、大豆と一緒に混ぜる


左:塩と麹/右:しっかり混ぜて塩切り麹に
塩と麹は先にしっかりと混ぜておきます。この混ざった状態のものを「塩切り麹」といいます。そういう商品もあるので、時短したい方は最初から塩切り麹を購入してください。生麹などはくっついて塊になっているものも多いので、しっかりほぐして、全体的にサラサラな状態にしてください。

煮た大豆と塩切り麹を混ぜたところ
豆がしっかり柔らかくなったらザルにあげて粗熱をとります。豆の煮汁は味噌の水分量を調整するために後で使うことがあるので捨てないように注意してください。
粗熱が取れたら塩切り麹と混ぜていきます。豆が完全に冷たくなってしまうと硬くなって、この後の潰す工程がとても大変になってしまうので、冷ましすぎないようにしてください。
RECIPE
3
混ぜた材料を潰す


左:綿棒で潰す/右:少し豆の質感を残して
全ての材料を混ぜたら生温かいうちに潰します。
潰す方法は綿棒で叩く、足で踏む、フードプロセッサーを使うなど。私は豆感が残っているのが好みなので、基本的にはいつも足で踏んでざっくり潰しています。今回は私が妊娠中なので無理せず、綿棒で潰すやり方で参戦。後から夫にも踏んでもらい荒めに潰しました。
フードプロセッサーは楽だし潰す加減を調整できますが、少量ずつしかできないので時間がかかるのがネックだと思います。少量しか作らない方にはおすすめです。
潰した状態の味噌は耳たぶくらいの柔らかさが理想。硬い場合は先ほど残しておいた豆の煮汁を足しながら調整してください。


一歳の息子も味噌作りに参戦。途中から一人で楽しそうにつついたり踏んだりしていました。
RECIPE
4
保存容器に詰める作業は
ストレス発散の楽しい遊び


左:味噌玉作り/右:しっかり平らにならす
ここまできたらあとは楽しい楽しい味噌玉投げ大会。
しっかり空気を抜いた味噌玉を作って、保存用に向かってベチっと投げ込んでいきます。これがとっても楽しいんです。容器の底が埋まったら、拳でグッグッと味噌を押し潰して、空気を抜きながら平らにしていきます。これもまた楽しい作業です。
チャック式の味噌袋で作るときは投げ入れられないので、味噌樽で大量に仕込む醍醐味はこの瞬間にあるかもしれません……。
RECIPE
5
カビないようにしっかり密閉
酒粕と塩の重石で対策もバッチリ


左:月桂冠の板の酒粕/右:晒しの上に敷く
いつもは味噌の上に塩の重石を置いて終わりなのですが、今回は初めて酒粕の蓋を追加してみました。
アルコールがカビの発生を抑えてくれるらしいのです。また、味噌を作ると醤油のような濃厚な汁「たまり」が出てくるのですが、それが染み込んだ酒粕がとてもおいしいらしく、それを魚や肉をつけるのも絶品と聞き、試さずにはいられませんでした。
やることも簡単。味噌の上に晒を敷いて、その上に板状の酒粕を味噌が見えなくなるように敷くだけ。これだけなら試しやすいですよね。あとはその酒粕の上にラップをして、ビニールに入れた重石用の塩を、隙間ができないように樽の淵までしっかり広げて、ビニールを閉めます。
これで味噌作りは完了です!

塩の重石を乗せたところ
いかがでしたか?
時間はかかるし力がいるので疲れる作業ではあるのですが、工程としては実はとてもシンプルなんです。私は2022年から仕込み始めて今年で4年目。回数を重ねるごとに必要な量も分かってくるし、手順も頭に入っているので気持ちも軽く取り組めています。夫や息子だけでなく、一緒に仕込みたいと言ってくれた友人を招いて作ったときはとても楽しかったです。みんなでわいわいと季節の手仕事をするのもいいですよね。
手作り味噌の欠点だと感じるところは、家庭で保存をするため、カビないように塩分量を多めにしないといけないところ。塩分に注意が必要な方へのお裾分けにはひと言添えてあげてください。
ただ、添加物のないおいしい材料で作ったお味噌の味は格別ですし、何より安心していただけます。ほんの少量でも旨みが強いので、塩や醤油ではなく味噌の柔らかな塩味で作る料理はなんだかホッとする味に。余計な塩味を加えることなく整えることができるので、我が家では塩や醤油の出番が減った気もします。味噌汁なんかはお出汁がいらないときもありますよ。
次は梅干しや梅シロップなんかが気になる季節がやってきますね。自家製と聞くとこだわりが強そうに聞こえるかもしれませんが、意外と何も考えずに「気になるからやってみよう」というだけで始めた私のような人もいます。繰り返すうちに毎年の楽しい恒例行事となりました。肩の力が抜けて、おいしいものをいただける楽しみだけが増しています。
この記事をきっかけに、味噌作りや季節の手仕事に興味を持っていただけたら嬉しいです。
リンネル暮らし部エディター・
rinaさん

どんなときでも自分の好きを大切に。元呉服屋で毎日着物生活。転職後は「暮らしの先にある着物」を求めて、美味しく愉快で心地のよい生活を日々研究中。リンネル暮らし部エディターとしてブログを発信中。
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