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汗でべたついてなかなか寝付けない…。夏の心地よい入眠はこうして守る 汗でべたついてなかなか寝付けない…。夏の心地よい入眠はこうして守る

寝付こうと思っても、肌のべたつきが気なって眠れない。夜中に汗ばんで起きてしまう……。夏の睡眠の悩みは多いけれど、快適な入眠は特に体にとっても大切なポイント。暑いときにどうしたらすんなり寝付けるのか、そのコツを、スタンフォード大学で睡眠を研究している西野精治先生に伺いました。

目次
汗でべたついてなかなか寝付けない…。夏の心地よい入眠はこうして守る
  1. 知らなかった寝付きのメカニズム。深部体温はこう下げる
  2. 肌の表面がさらっとすれば、深部体温も下がる
  3. 寝室がモワッとしていてはNG。あらかじめエアコンをつけておく
  4. 教えてくれたのは…西野精治先生

知らなかった寝付きのメカニズム。深部体温はこう下げる

高温多湿な日本の夏。なんとなく寝苦しいイメージがあって、実際に寝付けない経験も多いけれど、いったいなぜなのでしょう。

「寝付くための工夫はいろいろありますが、いちばん大切なことは、体温のコントロール。人間の体温は夜中にいちばん低くなり、朝から活動を始めるとだんだん高くなって、夜寝る時間になると下がり始めます。これがサーカディアンリズム、いわゆる体内時計です。体の表面から熱が放散され、体の奥の深部体温が低くなるときに眠気がくるというのがポイントなのですが、蒸し暑いとなかなか体温が下がらず、寝付きにくくなるわけです」と、西野先生。

肌の表面がさらっとすれば、深部体温も下がる

「深部体温を下げるためには、赤ちゃんが眠くなると手足が温かくなるように肌の表面の血管が多い部分の血流が多くなり、そこから体温を放散します。このとき、汗をかいて熱を発散させるのですが、湿度が高いと汗が蒸発せず、いつまでもベタベタして暑苦しいままなのです。その状態を解消することを考えましょう」

大切なのは、温度だけではなく部屋の湿度をコントロールして汗を蒸発しやすくすること。肌がべたついているならぬれタオルなどで拭いたり、さっとシャワーを浴びるのも有効です。また、寝る1~2時間前に入浴するといったん深部体温が上がり、そのあと下がっているので、寝付くタイミングで体温が下がりやすいというメリットがあります。

寝室がモワッとしていてはNG。あらかじめエアコンをつけておく

寝る時間の寝室の環境も注意。いざ寝ようとするときにエアコンをつけても、猛暑の時季は壁や床、家具や布団などが温まっていてモワッとしているはず。換気して熱い空気を入れ替えて、それからエアコンをいれておきます。少しひんやりした布団に横たわると、気分よく寝付けるはず。

「起きているときは、深部体温は、体の表面より2度ほど高いのですが、眠っているときは深部体温が下がり、差が1.2度くらいになります。この状態をキープすることができれば、寝付きもよく、夜中に目覚めることもなくぐっすり眠ることができますよ」

■就寝時、家族で体感温度が違ったらどうする? 西野先生に聞きました↗

教えてくれたのは…西野精治先生

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スタンフォード大学医学部精神科教授、同大学睡眠・生体リズム研究所所長。医師、医学博士。2000年にナルコレプシーの主たる発生メカニズムを突き止める。2007年日本人として初めて、スタンフォード大学医学部教授に就任し、睡眠、覚醒のメカニズムについて研究。株式会社ブレインスリープの最高研究顧問も務めている。『スタンフォードの眠れる教室』(幻冬舎)ほか、著書多数。

text:Ema Tanaka illustration:Kayo Yamaguchi
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