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災害時の備えは万全? シーン別危機管理マニュアル 災害時の備えは万全? シーン別危機管理マニュアル

連載 #防災

そのときどうすれば!? 災害別、避難&救命マニュアル

いざというとき、パニックを避けるためにどうすればいいの?
災害の現場へ幾度となく足を運んだ小川さんと和田さんに、「地震」「津波」「火災」「風水害」それぞれの災害時における避難&救命マニュアルを教わります。

【地震】

グラッと大きな地震が! いろいろな状況が考えられますが、とっさにすべき基本的なことを覚えておきましょう。

 

\基本はこのSTEP/

 

STEP 1:頭部を守る

どんな場所にいても頭部を絶対に守ってください。腕や脚をケガしてもなんとかなりますが、頭だけは命を落としかねません。屋外にいたとしたら、鞄を頭にかざす、スーパーで買い物中なら買い物かごで覆うなど、どにかく頭部を守る、と覚えてください。

STEP 2:ものがない場所へ小移動する

頭部を守るのと同じくらい重要なのが、ものがないところへ移動すること。大きな家具が倒れてくる、落ちてくる、飛んでくるなど、ものが近くにあるといろんな危険が起こります。遠くへの移動ではなく小移動でいいのですが、そこで頭部を守りましょう。

【津波】

大丈夫だろうと思わずに、可能性が少しでもあればすぐに避難するべき、が津波です。

 

避難POINT 1:車は使わない

原則として車は使わずに避難しましょう。車で道路が渋滞してしまい動きが取れず、車ごと津波に巻き込まれてしまうケースが考えられます。車の運転中に大きな地震が来たら、緊急車両の邪魔にならないよう道路から外れたところに駐車し、走って逃げましょう。律儀に縦列駐車してしまうと、後続車がそれを渋滞だと勘違いするので、明らかに道路外に置くのが無難です。

避難POINT 2:「遠く」よりも「高く」

遠くではなく高く、が津波避難の基本。海から数キロ先まで平地が続く場所や高台がない場所もあるからです。できるだけ沿岸から離れた、鉄筋コンクリート造りの建物の5階以上に避難するのが望ましいといわれています。緊急避難施設として、“津波避難ビル”というものが選定されている町もあります。自分が住む町や旅先ではどこに避難するのがいいか、確認しましょう。

避難POINT 3:「津波注意報」でも海から離れる!

1m以上の波が来るときに発令されるのが津波警報。20cm1mが津波注意報です。注意報だからといって甘く考えずに、すぐに海から離れましょう。小さな津波でも海水浴場を襲えば、子どもは簡単にのみ込まれてしまいます。大人でも危険な場合がありますから、警報でも注意報でも避難することが命を守ります。

\知っておきたい津波の基礎知識/

 

津波は何回も来る

津波は第1波、第2波、第3波、と何度も襲ってきます。ほっとしたころにまたやってくる、ということもあるので、避難したら、避難解除されるまで低地に戻らないことです。

 

初めに波が引くとは限らない

予兆として大きく波が引くと思われがちですが、そうではありません。引き波がない状態でいきなり津波が来ることもあるので、様子を見てから避難しようという考えは危険です。

 

津波は川をさかのぼる

津波は川沿いのものを壊しながら何十kmも川をさかのぼります。内陸部にいるからといって安心はできません。津波警報が出ている場合は、河川には絶対に近づかないように。

 

津波火災が起こりうる

昔から、津波が去ったあとに火事が起きる、津波火災という被害があります。倒壊家屋・プロパンガスボンベ・自動車など多くの可燃物が燃えて、大規模な火災につながります。

【火災】

地震のときだけでなく、日常的にも起こりうる火災。火が出てしまったときには的確な対処を。

 

\基本はこのSTEP/

 

STEP 1:知らせる

一番大切なのが「火事だ!」と周囲に知らせること。恥ずかしい、ぼやだから自分で消せるなどと思わずに、逃げてもらうため、援護してもらうため、通報してもらうためなどさまざまな対応のためにも、まずは周囲に知らせること。燃え広がってしまったら取り返しがつきません。

STEP 2:初期消火

次に大切なのが、初期消火。火が横に広がっているうちは、まだ消火が可能です。消火器や水のほか、クッションや毛布でたたいて火を消すこともできます。

 

STEP 3:早く逃げる

火が縦に燃え、天井まで広がってしまったら、もう消火はできないと思って逃げましょう。濡らしたタオルやハンカチ、ネクタイ、衣類などで口を押さえ、煙、一酸化炭素などを吸わないように注意。煙が充満している場合は、空気が残っていることが多い地面をはうように体を低くして移動を。

【風水害】

崖崩れ
……予兆は……
■ 小石がバラバラ落ちてくる
■ 斜面に亀裂や変形が見られる
■ 斜面にふくらみが見られる
地滑り
……予兆は……
■ 樹木や電柱が傾く
■ 木の根が切れるような音がする
■ 崖や斜面から水が噴き出す
土石流
……予兆は……
■ 川の水が濁り流木が交じっている
■ 岩の流れる音がする
■ 雨が降り続いているのに、川の水位が下がる

次のページこれだけは知っておこう! 大切な人と自分を守る応急処置

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