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クラフトビールとは? 五感で楽しむ5つの魅力をビアジャーナリストに聞きました クラフトビールとは? 五感で楽しむ5つの魅力をビアジャーナリストに聞きました

多種多様の魅力を楽しめるクラフトビール。ここでは、ビアジャーナリストの藤原ヒロユキさんに、五感で味わう「クラフトビール」の魅力を教えていただきます。五感を研ぎ澄まし、じっくりゆっくり味わう新しいおいしさを堪能して。

目次
クラフトビールとは? 五感で楽しむ5つの魅力をビアジャーナリストに聞きました
  1. 実は多種多様なクラフトビール! 堪能するために知識を深めよう
  2. 「視覚」でクラフトビールを楽しむ
  3. 「嗅覚」でクラフトビールを楽しむ
  4. 「味覚」でクラフトビールを楽しむ
  5. 「触覚」でクラフトビールを楽しむ
  6. 「聴覚」でクラフトビールを楽しむ
  7. お話を伺った 藤原ヒロユキさん profile

実は多種多様なクラフトビール! 堪能するために知識を深めよう

ビールの原料は麦芽、ホップ、酵母、水のみ。酸化防止剤などを添加しないピュアなお酒という点も好まれている理由です。しかも、最近はクラフトビール人気が高まり、味わいながら違いを楽しむ、という飲み方に移行している様子。

「ビールは銘柄によって味わいも多彩。特にクラフトビールは醸造家の個性がより強く反映されるので飲み飽きることがなく、本物を飲みたいという人に選ばれています。ビールの魅力は喉越しだけではなく、色、香りとさまざまな切り口があります。自分好みのビールを選べるようになると、料理とのペアリングも楽しめるようになりますよ」(藤原さん)


「視覚」でクラフトビールを楽しむ:
覚えておきたい基本の8種類

ビールは麦芽の焦げ具合によって色も味もさまざま。ビールと料理の基本のペアリングは色を合わせることだそう。ここでは、覚えておきたい基礎の8種類をご紹介します。主に、華やかな上面発酵とシャープな味わいの下面発酵の2タイプがあります。

タイプ 1:上面発酵(エール)

24〜16°Cで活動する酵母を使用。酵母は常温で3〜4日ほどで発酵。およそ2週間で完成。華やかな香りが強く、味わい深い風味です。

(左から)ホワイトエール、ヴァイツェン、IPA、スタウト

<ホワイトエール>
くすんだ麦わら色で、バナナのようなフルーティーな香りや、ヨーグルトを思わせる爽やかな酸味を感じる。
おすすめ:常陸野ネストビール ホワイトエール

<ヴァイツェン>
苦味がなく、柑橘系のクローブのような香りと酸味が特徴。酵母をろ過しないのが一般的。
おすすめ:富士桜高原麦酒 ヴァイツェン

<IPA>
インディアペールエールの略称。贅沢に使用されたホップの苦味を満喫できる。
おすすめ:グランドキリン IPA

<スタウト>
香りも苦味もまるでコーヒー。深い味わいとドライな喉越しのバランスがよく、色味は漆黒。泡もベージュできめ細かい。
おすすめ:箕面ビール スタウト

タイプ 2:下面発酵(ラガー)

10°C以下で活動する酵母を使用。酵母は低温で約7〜10日かけて発酵。およそ1か月の熟成期間。シャープな味とすっきり感が特徴。

(左から)ピルスナー、デュンケル、ボック、シュバルツ

<ピルスナー>
日本で飲む一般的なビール。透明感のある黄金色ですっきり、シャープな味わい。泡3:ビール7で飲むのが一般的。
おすすめ:ザ・プレミアム・モルツ

<デュンケル>
ダークな色でもすっきり軽やか。トーストした食パンやビスケットのようなモルトの香ばしい味わいをほどよく楽しめる。
おすすめ:八ヶ岳ビール タッチダウン デュンケル

<ボック>
モルトの甘みと香ばしさを楽しめるフルボディビール。アルコール度数は6〜7.5%と高め。
おすすめ:梅錦ビール ボック

<シュバルツ>
真っ黒だけど重くなく、スイスイとスムーズに飲める黒ビール。ローストモルトの香ばしさを味わえる。
おすすめ:湘南ビールシュバルツ


「嗅覚」でクラフトビールを楽しむ:
香りは麦芽由来、ホップ由来、酵母由来の3種

鼻から感じるアロマ、口に含んで鼻に抜けるフレーバーも魅力

アロマ、フレーバーには麦芽由来、ホップ由来、酵母由来のものがあります。麦芽由来の香りは“焼きたてのパン、クッキーやチョコレート”、ホップ由来のものは“刈り取ったばかりの草、スパイス”、酵母由来のものは“みずみずしいフルーツ、完熟したフルーツ”などと表現されることが多く、飲む前にまずはひと呼吸。香りや風味を堪能して。

「味覚」でクラフトビールを楽しむ:
甘味、苦味、酸味を舌で感じ取って

グビグビ飲みは炭酸の刺激しか楽しめずもったいない! ホップやロースト麦芽由来の苦味、麦芽由来の甘味、酵母由来の酸味をゆっくりと、ワンパイントを40分から小一時間で飲むペースが基準。
味や香りをしっかり引き出すには、保管は野菜室くらいが適温です。

「触覚」でクラフトビールを楽しむ:
喉を通る炭酸の爽快感、泡の口当たりのよさがポイント

お店で飲むビールと、自宅で飲むビールの違いはきめ細かな泡! 三度注ぎなら、泡の口当たりや香りが持続し、穏やかな苦味からしっかりとした苦味へと味の変化も体験できます。

おいしさが増す、三度注ぎの方法

まずは高く離れた位置から注ぎ、泡が落ち着いてビールと1:1になったら、縁から静かに注ぎます。縁から泡が1cmほど盛り上がったら約2分待ち、再度泡が崩れないようにゆっくり注ぎます。1度目に注ぐ際に炭酸が発散してマイルドな喉越しになりますよ。


「聴覚」でクラフトビールを楽しむ:
栓を抜く音、シュワーと炭酸の弾ける音もおいしさの重要な要素

メーカーによっては、グラスに注ぐことを前提に少し炭酸を強めに仕上げているので、炭酸やグラスに注ぐ音にも耳を澄ましてみて!

お話を伺った 藤原ヒロユキさん profile

ビアジャーナリスト、ビール評論家、イラストレーター。ワールドビアカップなど、さまざまなビールコンテストの審査員も務める。著書に『藤原ヒロユキのBEER HANDBOOK』(ステレオサウンド)など。

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text :Mai Takasaki illustration:Kayo Yamaguchi web edit:Riho Abe
リンネル2019年2月号より
※画像・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください

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