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美しい紅葉と深まる秋 <フィンランド西海岸の12か月> 美しい紅葉と深まる秋 <フィンランド西海岸の12か月>

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『リンネル』で連載中の「フィンランド西海岸の12か月」。その暮らしは、華やかでも特別なものでもなく、自然とともに、毎日を丁寧に生きるだけ。フィンランドに住む4人のデザイナーたちが発信する地域ブランド・アンナヤリーサが綴る、フィンランドからの歳時記をお届けします。今回はフィンランド語でいう「ルスカ(紅葉)」のお話。

目次
美しい紅葉と深まる秋 <フィンランド西海岸の12か月>
  1. ルスカの森でのウォーキング
  2. シナモンロールの日
  3. フライデーブーケと編み物の秋
  4. 空き瓶で作るキャンドルホルダー
  5. アンナヤリーサの手編みのポットホルダー
  6. アンナヤリーサとは
  7. 教えてくれたのは……「アンドフィーカ」代表 今泉幸子さん

ルスカの森でのウォーキング

フィンランド語に「ルスカ」という「紅葉」を表す単語があるぐらい、フィンランド人は紅葉の季節を楽しみます。アンナヤリーサの4人にとっても、10月といえば、ルスカの森のハイキングに行きたくなる季節。白樺の林が、黄金色に色づくなかで、落ち葉を踏みしめながら深呼吸すると、澄みきった冷たい空気が全身に行きわたります。最高気温は10度を切り、初雪も降るという、日本の冬のような寒さですが、この季節はまだ日が長く夕方まで明るいので、アウトドアを楽しむことができるのです。

10月末にはサマータイムが終わるので、時計を1時間戻さないといけません。「時計の針を早めるのか戻すのか、こんがらがることはないの?」と聞くと、「夏用のテーブルを室内に戻すでしょ? だから、時計の針も戻すのよ」とエリーナが教えてくれました。

黄金色に染まる白樺の林。林の向こうは海。海を見ながらのハイキングは最高です。

シナモンロールの日

10月4日はシナモンロールの日。シナモンロールはフィンランドの国民食と言えるほどのパンなので、一年中いつでも食べるのですが、肌寒くなり始めたこの季節の、焼き立てのシナモンロールは最高です。フィンランド語で「コルヴァプースティ」と呼ばれるシナモンロールは、カルダモンをたっぷり入れ、最後にニブシュガーで仕上げます。自家製シナモンロールは、多めに作って冷凍しておくと、いつでもわが家の味が楽しめます。「でもね、プロの味もやっぱりおいしいのよ」と、ベーカリーで働くタニヤ。「そりゃそうだよ、プロなんだから」とアンドレアス。コルヴァプースティの話で盛り上がる、笑いがいっぱいのアンナヤリーサたちです。

タニヤ家でのコルヴァプースティ作りでは、粉だらけになってがんばるルートちゃんを、パパのアンデとお姉ちゃんのロヴァが上手にフォロー。なかなかの腕前で、おいしいコルヴァプースティができあがりました。

パン生地にバターを塗るルートちゃん。お姉ちゃんのロヴァは、心配しながらもそっと見守ります。

(右)小さな生地と小さなローラー、そして小さな手。待ちきれずに、生のパン生地をつまみ食いすることも。(左)タニヤ家みんなで作ったコルヴァプースティ。早く食べたくて待ちきれません。

フライデーブーケと編み物の秋

9月頃までは外にたくさん花が咲いていたので、お花屋さんに行く必要はありませんでしたが、10月のガーデンにはもう花は咲いていません。毎週金曜日には、お花屋さんでフライデーブーケを買って、ウィークエンドに備えてダイニングテーブルを飾ります。

だんだん秋が深まり日が短くなっていくと、自然と家にいる時間が長くなるので、室内の暮らしのことをより気遣うようになるといいます。秋から冬にかけての楽しみのひとつは編み物です。ぐるぐると編み進むだけでできるかぎ針編みのポットホルダーは、誰でも一度は編んだことがある定番のアイテムですが、簡単なだけに色合わせが肝心。「秋はやっぱり秋色よね」とタニヤ。

(右)地元のお花屋さんで買ってきたフライデーブーケ。アンティークカラーの紫陽花がタニヤのお気に入り。(左)フラワーブーケに合わせて、秋色のフラワーベースで食卓を楽しみます。

編み始めは真ん中から。ぐるぐる編み続けるだけで簡単にできるポットホルダー。秋色のいい毛糸が見つかりました。

空き瓶で作るキャンドルホルダー

ろうそくの灯りを見ているだけで心が落ち着くこの季節。数分あればできるキャンドルホルダーです。

キャンドルの消費量が世界でもトップクラスというフィンランド。「キャンドルなしの暮らしなんて考えられないわ」とヨハンナ。他のみんなも、うんうん、とうなずきます。ヨハンナにストックを見せてもらうと、シンプルな白いキャンドルだけ。色や形のバリエーションはキャンドルホルダーで楽しむとのこと。ティーライトキャンドルはデイリーユース。長いキャンドルは、倒れると危ないので、大人だけが集まるディナーテーブルのときに使います。

(右)ジャムの空き瓶の高さに合わせてパターンペーパーを切ります。(中央) 切ったパターンペーパーをちょうどいい長さに調整し、テープで留めます。(左)麻ひもを瓶のまわりに結んで完成。

季節のおすすめアイテム:
アンナヤリーサの手編みのポットホルダー

フィンランド製のウールで手編みしたポットホルダー。アンナヤリーサをはじめ、地域の人々によるハンドメイドの製品です。手編みのポットホルダーは、キッチンの必需品。煮込み料理をそのまま食卓に出すときなどに、ぴったりの一品です。3,630 円(税込み)

[お問い合わせ先]アンドフィーカ 03-6721-9090

アンナヤリーサとは

アンナヤリーサ(Anna ja Liisa)は、フィンランド西海岸オストロボスニア地域に住む4人のデザイナーたちが発信する地域ブランド。左より、タニヤ、アンドレアス、エリーナ、ヨハンナ。

ヘルシンキの北西約500キロ。起伏がない広大な大地の向こうには、真っ直ぐな地平線が広がっています。普通の暮らしのなかに、必ず喜びや楽しみがあり、小さな感動からデザインが生まれます。

教えてくれたのは……「アンドフィーカ」代表 今泉幸子さん

7年前に初めてこの地を訪れ、自然の美しさと人々の温かさ、そしてデザインのある暮らしに感動。以来、毎年のように現地に通い、デザイナー4人との心の通い合いがアンナヤリーサ誕生のきっかけとなりました。デザイナー4人とともに、アンナヤリーサの12か月の暮らしについてお伝えします。https://www.andfika.com/

photograph:Anna ja Liisa edit & text:Sachiko Imaizumi web edit:Masako Serizawa
リンネル2021年12月号より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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