CULTURE

橘ケンチさん「壮大な“日本酒沼”に入るきっかけに」書籍インタビュー 橘ケンチさん「壮大な“日本酒沼”に入るきっかけに」書籍インタビュー

EXILEおよびEXILE THE SECONDのパフォーマーとして活躍しながら、ライフワークとして日本酒の魅力を発信してきた橘ケンチさん。その集大成であり、500銘柄の日本酒テイスティングを行った著書を発表。日本酒の魅力と熱い想いを伺いました。

目次
橘ケンチさん「壮大な“日本酒沼”に入るきっかけに」書籍インタビュー
  1. インタビュー
  2. Q&A
  3. 新著『橘ケンチの日本酒最強バイブル』
  4. Profile

個性鮮やかな日本酒を楽しまないのはもったいない

橘ケンチさんが日本酒に目覚めたのは2016年頃。とある日本酒バーで料理とのペアリングを初めて体験したときのこと。

「衝撃的においしくて、日本酒のすごさを実感しました。ちょうどそのころ、仕事でアジア圏に行く機会が多くて、日本人なのに自分の国のことをあまりわかっていないなと気付かされることが多かったんです。そのタイミングが重なって、全国津々浦々の日本酒を知ることで日本に対する知見を深められたらいいなと思ったのがきっかけです」

そこから酒蔵めぐりを始め、150軒ほどに足を運んだとか。つくり手に会い、工程を知ることで楽しみが広がり、心の中に残る場所が全国各地にできるのが楽しかったといいます。

「僕の頭の中の日本地図は“日本酒分布図”(笑)。日本酒のボトルを見ると酒蔵の人たちの顔や土地の情景が浮かんできます。同じ日本のなかで日本人がつくったもので、こんなに個性鮮やかな日本酒があるのに、それを楽しまないのは本当にもったいないなと感じています。それに、日本酒は地元のシンボルであり、いろんなものを繋ぐハブになっているイメージ。僕自身もいろんな縁にむすばれて、料理や農業、風土など、新しい扉がどんどん開いていくのがおもしろい。日本酒をメインにエンタテインメントも巻き込みながら、地域創生を応援していきたいと考えています」

進化している日本酒の世界をわかりやすく伝えたい

その集大成が本書『橘ケンチの日本酒最強バイブル』。基礎知識から選び方、保存方法、酒蔵見学マナーなど、日本酒を楽しむための情報がぎっしりと詰まっています。

「ここ10年くらいで日本酒はすごく進化してきました。つくり手の想いや風土、若い世代の挑戦でいろんな個性が花開いているおもしろい世界なんです。そうした魅力をビギナーの方にもわかりやすく伝えたかったんです」

圧巻は500銘柄に及ぶテイスティングデータ。地域別に分類し、酒づくりの特徴や今注目ポイントとともに紹介しており、酒蔵めぐりをしている気分を味わえます。

「好きなお酒はもちろん、プロの方のアドバイスなど、さまざまな情報を元に練り上げた500銘柄です。3日間で集中してテイスティングしたおかげで味覚が敏感になって、僕自身の頭の中も整理されました。言葉で表現するのが大変で必死でやりました(笑)。家に一冊置いていただいて、壮大な“日本酒沼”を堪能するガイドとして活用してもらえたら」


\橘ケンチさんに聞きました/
日本酒ビギナーさんのためのQ&A

Q.ビギナーでも飲みやすい日本酒の見つけ方を教えてください

 

出身地に近い地域のお酒から試してみてはいかがしょうか。その土地の特産品や郷土料理に合うお酒が揃っているので、きっと味覚になじみやすいはずです。親しみのある地元の料理と一緒にいただくと、さらにおいしさが広がると思います。

 

本書ではエリア別に日本酒を紹介しているので見つけやすいはず。どの銘柄も自信をもってオススメできる、おいしいお酒ばかりなので初心者の方でも飲みやすいと思います。味の特徴が一目でわかるように3~4個のキーワードでラベリングしていますので、好きな味を見つける参考にしていただけたら嬉しいです。

Q.どのように日本酒を楽しむのがオススメですか?

 

日本酒だけでももちろんおいしいのですが、やっぱり相性のいい料理や旬のものといただくのが最高です。だんだん日本酒の味がわかってくると、『この料理にはあのお酒が合いそうだな』と想像したりするのも楽しみになると思います。

僕自身は、外でも家でも日本酒を飲みます。ワインの間に挟んだり、最初から最後まで日本酒で通したり、その日の気分で選んでいます。家には日本酒専用の冷蔵庫があって200本くらいストックしています。簡単な料理はつくるので、その日食べたいものに合いそうな日本酒を選ぶことが多いかな。時間があるときには、四合瓶(約720mL)1本くらいは飲んでしまいます(笑)。楽しい気分で、料理とのバランスを味わいながら飲むのは至福のひとときです。


『橘ケンチの日本酒最強バイブル』から
日本酒ビギナーさんに役立つ豆知識をピックアップ!

Q. 買ってきた日本酒、どこに保存すればいいですか?

 

とりあえず開栓するときまで無造作に棚に放置……というのは禁物! 日本酒は高温や紫外線に弱い飲み物であり、また、種類によって適正温度があるのです。普通酒であれば、直射日光の当たらない冷暗所で管理を。生酒や吟醸酒などは、しっかり冷えた場所での管理が必須。生酒なら5℃前後、吟醸酒なら10℃前後が目安で、冷蔵庫に納めましょう。

Q. 日本酒に賞味期限ってあるんですか!? 

 

実は日本酒には賞味期限が存在しません。というのも、雑菌さえ混入しなければ、何年経っても腐敗することはないから。ただし、時間が経つほど熟成が進み、味は変わっていくので要注意。あえて購入から少し時間を置くことで、角が取れたまろやかな酒質になるのを楽しむ人もいれば、早いうちにフレッシュな風味を味わいたい人もいるでしょう。このあたりは自身の好みに合わせてコントロールするのがオススメです。

Q. ワインのように横置きして保管してもいいですか?

 

日本酒は縦置きが基本です。そのほうが空気に触れる面積が少なく、熟成のスピードを抑えることができます。


橘ケンチさん新著

橘ケンチの日本酒最強バイブル
『橘ケンチの日本酒最強バイブル』
¥1,980(宝島社)
EXILEおよびEXILE THE SECONDのパフォーマー・橘ケンチさんが今飲むべき日本酒500本超をテイスティングし、エリア別に紹介。日本酒の定義・選び方・製造工程といった基礎知識はもちろん、酒蔵を訪ねた様子をまとめたカラービジュアル酒蔵紀行も収録。日本酒業界でも屈指のインフルエンサーとしてイベント出演やコラボ酒の発売など、精力的に活動する橘ケンチさんだからできた最強の日本酒バイブル。ビギナーさんから愛好家まで、日本酒がもっと好きになる一冊です。
>>『橘ケンチの日本酒最強バイブル』好評発売中!

Profile

橘ケンチ
たちばな・けんち/EXILEおよびEXILE THE SECONDのパフォーマー。LDHのエンタテインメント構築を担う傍ら、ライフワークとして日本酒の魅力を発信。多くの実力派酒蔵や醸造家とコラボレーションしながら、食のフィールドや地域創生に関する知見も深めている。

日本酒500本の、テイスティングの裏側動画を公開!

橘ケンチ(EXILE/EXILE THE SECOND)
LDH JAPAN公式YouTubeチャンネル内番組
『EXILE橘ケンチのSAKE JAPAN』
最新回1月28日(土)配信済


photograph: Chihiro Oshima   styling: Takuto Nakase   hair & make-up: Akemi Mizuno(HMC)   text: Harumi Yasuda    衣装協力:Paul Smith Limited
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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