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真心ブラザーズ「制約が増えても、頭は大自由に」/アルバム『SQUEEZE and RELEASE』インタビュー 真心ブラザーズ「制約が増えても、頭は大自由に」/アルバム『SQUEEZE and RELEASE』インタビュー

急がずに、よい変化が訪れるまで活動したい

真心ブラザーズ

━━ラストに収録された「急がない人」は、『KING OF ROCK』にも収録された「スピード」のアンサー・ソング的な楽曲なのですか?

YO-KINGさん:そんなこと全然考えていなかった。『KING OF ROCK』のラストに収録された楽曲も「スピード」(ヴァージョン違いの「スピード2」)なので。今後、取材で使わさせていただきます(笑)。

━━「スピード」は周囲を気にせずに、とにかく疾走していく勢いを感じる内容でしたが、「急がない人」は社会や暮らしをじっくりと見つめながら、大切なものとていねいに向き合う、現在のおふたりの姿勢を感じることができました。

YO-KINGさん:人間は忙しい方がいいと思うんですけど、<急ぐ>とはちょっと違うと思っていて。 特にお風呂はね。銭湯に行くと、すごい早歩きの人とかいて、危ないんですよ。湯船に浸かっているときぐらいゆっくり動いてよって。ほかにも暮らしの節々で、せわしなく動いている人の姿って、かっこ悪いなって思うことが多くて。緊急のときはしょうがないですけど。急いで動くのが癖になっちゃってる人ってやっぱりいますよね。その違和感をブーストしたり、面白おかしく表現した楽曲です。

━━YO-KINGさんは、銭湯好きとしても有名。何か流儀みたいなものはあるのですか?

YO-KINGさん:お風呂そのものもいいのですが、注目していただきたいのはエコー音ね。特に銭湯のね。あのぴちゃぴちゃしたサウンドが、耳に対してのヒーリング効果があると思うので。自宅のシャワーで済ますだけでなく、銭湯でそれを体感してほしいです。

━━9月には35周年記念公演を敢行、そして11月からは全国ツアーがスタートします。そこでは、耳だけでなく身体全体にいいエネルギーを補填できそうな予感がします。

桜井さん:この間、弾き語りのツアーが終わったばかりで、そこでは現場のやり取りみたいなものを楽しんでいただく内容でしたが、それとは異なるバンドで表現したい音楽っていうのも、僕らにはある。11月からのツアーでは後者の部分を楽しんでいただける内容になると思います。今回のアルバムに参加してくださった若い世代のメンバーの方も参加してくださるのですが、彼らと演奏をした結果、どんな音楽が生まれるのか。自分たちでもワクワクしていますね。

YO-KINGさん:11月からのツアーでは、レコーディングしたもの以上の熱い演奏ができたらなとは思っているというか。今回のメンバーならば、余裕でエラい音を届けられるのかなって。

━━また、今後デビュー40年、50年に向けた活動も楽しみです。

YO-KINGさん:デビュー当時から比べると、自由に表現することが大変な時代になっちゃったなと思う。うかつに物事を言えない風潮になっている。その制約があるなかで、いかに面白いことやるかっていうことになっているから、これからの表現はさらに困難なものになっていくのかなって。

━━確かにそうですね。

YO-KINGさん:でも、アルバムを受け取った人が、草の根運動みたいな感じで、少しずつ作品を広めてくださったら、状況が変わっていくように思うのです。その変化が訪れるまで、じっくり付き合えるくらいの精神・体力は持ち続けていかなければ。

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