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人と会うと疲れるのはなぜ? 精神科医に聞く、会うとお互い元気になれる気づかいとは 人と会うと疲れるのはなぜ? 精神科医に聞く、会うとお互い元気になれる気づかいとは

気遣いイラスト

さりげなく気づかいができる大人になりたいけど、気づかいしすぎて「気疲れ」している現代人が急増中。あなたのその気づかい、相手も自分も疲れてしまっているかも。元気になれる気づかいについて、対人関係療法の第一人者・精神科医の水島広子先生にうかがいました。

目次
人と会うと疲れるのはなぜ? 精神科医に聞く、会うとお互い元気になれる気づかいとは
  1. 「元気になる気づかい」と「疲れる気づかい」とは?
  2. 疲れる気づかいを元気になる気づかいにする方法
  3. お話をうかがった 精神科医 水島広子先生 profile

「元気になる気づかい」と「疲れる気づかい」とは?

自分を犠牲にしすぎて、人と会うたびにドッと疲れてしまう。今、そんな人が増えています。人は誰もが親切にしたい善意の心を持っていて、気づかいは本来その心から自然に出てくるもの。しかし、人づき合いへの不安感から、相手の反応ばかりに注目した、緊張感ある気づかいをしてしまっていることも。それでは自分も相手も疲れてしまう結果に。 顔色をずっとうかがわれると誰でも不快に思いますよね? これは、 無意識に“喜ぶ反応をしなくては”と相手に思わせ、自由を奪う行為だから。一方で、互いが元気になる気づかいがあります。それは“自分がしたい”気持ちが軸になっているもの。自分主体だから、相手は自由になれるし、自分も相手の反応に一喜一憂しない、そんな気づかいができれば、人と会って疲れることも減ってくるはず。

あなたの気づかいはどっち? 気づかいチェックリスト

<疲れる気づかい>

□ 気づかい「しなければ」と思っている
□ 会ったあとに疲れている
□ いい人に見られたいと思っている
□ 相手の顔色をうかがってしまう
□ 期待したよい反応がないと不機嫌や不安になる
□ 必要以上にペコペコしてしまう

<元気になる気づかい>

□ 自分がしたいから気づかいをしている
□ 会ったあとに元気になる
□ 相手をコントロールしようとしない
□ 接していると自分らしくいられる
□ 自分を否定されても過剰反応しない
□ 相手の反応が悪くても気にしない

■敏感さんが生きやすくなる暮らしのヒント 【HSPのメンタルヘルスケア】を読む↗


疲れる気づかいを元気になる気づかいにする方法

<CASE 1> 相手からの自分の評価が不安になる……

「もしかして、私ってこう思われている?」という意識でいっぱいになり、悪く思われないための行動についつい出がち。そんな人は、不安に取りつかれやすいもの。いつも人目が気になるので、自分らしい行動ができないのが特徴。

解決策:自分が本当にしたいことを考える

まずは自分がどうしたいのか、根本に立ち返ってみましょう。相手に対して親切でいたいのか、 誠実でありたいのか。自分の気持ちに素直になると、行動の着地点が見えてきます。何か成功を収めないと自分には価値がないように感じるのは、自分に自信がない証拠です。自分の成功のための気づかいはむなしい、ということに気づくことが元気になる気づかいへの第一歩に。

<CASE 2> ついついやりすぎてしまう……

食事の場で率先して取り分け、みんなの飲み物を注文。悩んでいる人がいたら、よかれと思ってアドバイスをしてしまう。そんな人の大半は、自分の努力がいつも足りないと思い込んでいて、対人関係で余計なお世話が多い傾向に。

解決策:自分はこんな人間だと最初に伝える

物事に対して「ま、これくらいでいっか」と手が抜けない人は、対人関係でも“やりすぎ”が多いもの。相手の心の領域に土足で入ってしまい、「この人、どこまで踏み込んでくるの?」と不安にさせます。それなら最初から「私ってつい話しすぎるタイプで」などと自分でもわかっている性格の特徴を伝えて、相手の不安を少しでも緩和させましょう。

<CASE 3>つい相手に期待しちゃう……

自分がしたことに対して、過剰に見返りを求めてしまう。相手のことを勝手に決めつけて「○○してあげたんだから、感謝されるに違いない」と判断して行動を取ってしまう。そんな人は、 想像どおりの反応がないと落ち込む傾向に。

解決策:その人にもその日の気分や状況があることを認識する

見返りを期待した気づかいはよくないと思っていても、相手が無反応だと「せっかくやってあげたのに」と腹が立ってしまいますよね。でも、もしかしたら、相手はその日の体調が悪かったのかもしれません。その人なりの状況があることを認識して。感情表現が苦手な人だっているのですから、否定された! と思う必要はありません。


お話をうかがった
精神科医 水島広子先生 profile

精神科医 水島広子先生
対人関係療法専門クリニック院長。慶應義塾大学医学部精神神経科勤務を経て、現クリニックを開院。対人関係療法の日本の第一人者。衆議院議員として児童虐待防止法の抜本的改正など、数多くの法案の修正にも尽力。著書多数。

■誘いを断るときの上手な気づかいとは? 対人のプロの話を聞く↗


edit & text: Tokiko Nitta illustration:Ayumi Itakura web edit:Riho Abe
リンネル2019年11月号より
※画像・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください

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