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:【静岡県静岡市で注目のコーヒーショップ】 街の暮らしにしっくりとなじむ「PART COFFEE ROASTER」
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好きなことにはとことんアツい!本誌で人気のご長寿連載「リンネル男子会」から注目の記事をピックアップしてご紹介!
今回訪れたのは、「景色を開く」を理念に掲げ、仙台“Echoes”、 東京・六本木の“Common”などの場作りのほか、イベントやメディア運営を行うThe Youthの代表、佐藤岳歩さんが静岡県静岡市に新たに構えた「PART COFFEE ROASTER」。
この場所で、コーヒーを通して伝えたいことをじっくり伺いました。
今回訪れたのは
PART COFFEE ROASTER

8:00〜21:00(金土:23:00)
定休日なし
「一部・部分」を意味する店名は、全面ガラス張りで光がきれいな抜けのいい空間。まさに街と人の一部になった佇まい。お店のロゴマークは、静岡のシンボル、カワセミがモチーフ。
PART COFFEE ROASTER 店主・佐藤岳歩さんに聞く、お店のこと
暮らしの中にある、変わらない豊かさ。

東京や名古屋にすぐ出られることもあり、今や若者の人口流出が全国ワースト1の静岡県。そんな現状を変えたい!と誕生した新ランドマーク、静岡駅前の「cosa」。その顔として先がけてオープンした「PART COFFEE ROASTER」をキャッチアップ。
「静岡の街の気が、めちゃくちゃよかったんです」と言うのは、立ち上げた「The Youth」の佐藤岳歩さん。
「誰もが想起する観光スポットがあるわけではないんですけど、山と海が近くにあって、駿府城公園を起点に碁盤の目になった街は通りも広くて、小商いのお店が今もちゃんと営まれてる。ちゃんとそこに暮らしがある感じなんですよね」
これまで六本木のカフェレストラン「Common」など、ユースカルチャーのハブとなるような場を立ち上げてきた佐藤さん。静岡という街に、大きな可能性を見出したよう。
「ここで僕らが大事にしたかったのは、不変性。これだけ世の中にいろんな新しい情報があって、求められるストーリーやこだわりがある中で、この先の時代に必要なのは、暮らしの中にある、変わらない豊かさ。“足るを知る”じゃないけれど、それを改めて感じたり、噛みしめる重要性を届けたい、コーヒーを通じて街の景色や生活の一部になりたいなと」
そのために、まず試みたのはコーヒー。
「静岡は昔ながらの喫茶店が多くて、深煎りが好まれる」ゆえ、地元の人たちの好みに合う豆をその場で焙煎、ハンドドリップで提供。「ただ新しい出会いや発見にもつなげたくて」いろんな味の選択肢も設けています。
空間デザインもまさに今どき! ながら、ローカルとのつながりを意識。その象徴として店の真ん中に鎮座するのは、通称「静岡ベンチ」と呼ばれる、石造りの大きな丸い台。
「当たり前のようにあるからか普段は通り過ぎるけど、これこそが日常の中にある豊かさ。『街中にも確かにあったよね!』となる瞬間が起これば、僕らとしても『やったね!』って」
何もないと思いがちな自分の暮らす街も、視点を新しくすることでよさに気づき、ひいては暮らし続けるきっかけになる。一軒のコーヒーショップの存在が、それを叶えてくれそうです。
地域とのつながりを感じる店内の様子

静岡の伝統工芸、染物を空間に取り入れたくて、カウンター下の腰壁は伊豆の「かぜつち模様染工舎」に、また奥の巨大のれんは、お茶染めの「Washizu.」にそれぞれ依頼。


ドリップカウンターの前にスタンディング席を用意。
「目の前で実演しているようすを見ながら、バリスタと話すこともできるように設計しました」とヘッドロースターの石井辰弥さん。

「めざしたのは、最後のひと口までおいしいコーヒー。家に帰っても同じ味が飲めるように焙煎で調整しています」と石井さん。

チェーンソーアーティストの宮澤五郎氏による椅子。一本の木から釘も使わずチェーンソーだけで作られたというから驚き。

ドリップもカップも手仕事のぬくもりを大事にしている。カップの底には店名の頭文字である「P」が!
こんな風に、その土地ならではのものもさりげなく取り入れているところが、街の人にしっくりとなじんでいる秘訣なのかも。
静岡駅を訪れたときは、ぜひ立ち寄って、新しくて温かい静岡らしさを感じてみてください。
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photograph & text:BOOKLUCK
リンネル2025年4月号
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