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:【ハワイの新しい旅スポット5選】受け継がれた自然環境を大切にするホノルル〜ノースショアのサステナブルなエコツアー
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太平洋の真ん中に位置して、132もの島々が並ぶハワイ。なかでもオアフ島は、世界屈指のリゾート地としてワイキキビーチやダイヤモンドヘッド、ダウンタウンなど、人気のホットスポットが数多く点在しています。
そして、先住民の伝統や価値観が今なお根付く世界でも貴重な場所。日本人が愛する旅先として長年人気のエリアですが、近年では旅の目的に変化が訪れ、自然の生態系を壊すことなく、動物や地形、文化、歴史を学べるツアーに注目が集まっています。
今回トラベルライターの仁田ときこさんがハワイのサステナブルな旅に参加してきました。
【ハワイの旅案内】 サステナブルな旅で見つけた! 受け継がれた自然環境を大切にするホノルル〜ノースショアのエコツアー
ハワイのエコツアーに参加したのは…
①ハワイの固有種や地質学を学べるアドベンチャーツアー
【North Shore Eco Tours】

オアフ島のノースショアでハワイの自然と文化を少人数制で深く学びたいなら、開発されていないジャングルや山林を四輪バギーで巡る「North Shore Eco Tours(ノースショア エコツアー)」がおすすめ。
地元出身のハワイ大学地理学博士が創設した約1000エーカー(なんと東京ドーム約87個分!)の広大な大自然を、ハワイ語や歴史、地質学の専門知識を交えながらスリル満点で探検できます。

ガイドが操縦する四輪バギーは、ときには泥だらけの山道も。起伏の激しいトレイルコースも進むので、気分はまさにジェットコースター。
フード付きのアウターやキャップ、サングラスの持参がおすすめです。
休憩エリアではノースショアの美しいコースラインやハレイワタウンを一望できるのもこのツアーの醍醐味。

ツアーでは固有種が生息する山道のハイキングや、ハワイの神話が息づく聖地を訪れる体験も可能。こちらは自然保護エリアに指定されているため、環境負荷の少ない運営方針が徹底されているのも特徴です。訪問者には「訪れたときよりも美しくして帰る」という意識を促しているため、次の世代のための観光意識がしっかり勉強できます。

持参するといいアイテムは、ドリンク、歩きやすいシューズ、キャップ、濡れてもいい服、日焼け止め、虫除け、サングラス、フード付きアウター ※チップはツアー料金に含まれていないため、当日現金で用意
【North Shore Eco Tours】
66-250 Kamehameha Highway and, Cane Haul Rd, Haleiwa, HI 96712
https://northshoreecotours.com/
古代ポリネシア人の航海術に触れられる博物館
②【Bishop Museum】

ハワイと太平洋の文化財や自然史標本のコレクションを世界で最も多く保管しているハワイ州最大の自然科学文化史博物館「ビショップミュージアム」。
こちらはカメハメハ王家最後の直系子孫のバニーズ・パウアヒ・ビショップ王女を称え、夫のチャールズ・リード・ビショップ氏が1889年に創立した施設です。

特設展示ルームでは、古代ポリネシア人がコンパスやGPSを使わず、星・波・風・鳥・雲といった自然のサインだけを頼りに航海する「伝統航海術(Wayfinding)」を紹介。ホクレアに乗ってポリネシア人は多くの島を航海してきました。この航法を現代に蘇らせるため、ハワイで1975年に建造されたのが「ホクレア」です。今回、元乗組員のサム・モナハン氏が航海術や教育活動について解説してくれました。

Photo:Polynesian Voyaging Society
ホクレアはハワイの人々にとって「ルーツを再確認する象徴」であり、これまで何度も世界一周航海を成功させてきました。
2026年5月1日には初航海から50年を迎えるとのこと。その節目として、2027年までの間に太平洋を一巡する環太平洋航海をスタートします。ハワイを出航してアラスカを目指し、タヒチ、ニュージーランド、オーストラリア、そして日本にも寄港する予定だそう。

ホクレアは海の上にいる自分が中心。天空全体の星の配置を学び、星がどこから昇り、どこへ沈むのかを覚えていきます。身体を計器として使いながら星の高度を測り、自分たちの緯度を知ることで海を渡ります。この星を羅針盤にした伝統的な航海術は、大人から子どもへ受け継がれていきました。

ハワイアン・パシフィックホールには、ハワイと太平洋諸島ポリネシア全域の文化に関する美術品や工芸品2500万点が圧巻の展示。数時間では見終わらない膨大なコレクションは、ぜひ時間をかけて一日ゆっくり過ごしたい。
シンボル的なマッコウクジラの巨大標本も要チェック。
【Bishop Museum】
1525 Bernice St, Honolulu, HI 96817
https://www.allhawaii.jp/hokulea/
旅行者も参加できるダイヤモンドヘッドのレストレーション
③【Kuilei Cliffs Restoration Project】

ホノルルマラソンでも有名なダイヤモンドヘッド周辺では、日本ではまだ馴染みのない「レストレーション」に取り組む日本人の久保田亮さんにインタビュー。久保田さんはダイヤモンドヘッドの東側にある海岸沿いの崖「クイレイ・クリフス」で、外来種の除去や在来植物の植樹を行い、毎週土曜日に自然再生を目的にしたボランティア活動を開催。土に触れて植物を植えながら、自然のサイクルを学ぶ機会を提供しています。

「もともとサーフィンをしていたので、日本で暮らしていたときもビーチクリーンに参加していました。ダイヤモンドヘッドは僕が通うサーフスポットなのですが、びっくりするほどゴミが多い。まずはゴミ拾いから始まって、それから雑草やキアヴェという外来種の木を取り除く作業に移り、最終的にはハワイの樹木を植えて増やしているところです」(久保田さん)

「僕たちの行う“レストレーション”とは、壊れてしまった自然環境や生態系を、人の手を加えて再び健全な生態系を取り戻すことを意味しています。日本では馴染みのないレストレーションですが、アメリカやハワイではポピュラーになりつつありますね」(久保田さん)

外来種のキアヴェが増えると、非常に水の吸収力が強いため、限られた水や資源を独占してしまうそう。それによって、周囲に植物が育たなくなると久保田さんは教えてくれました。
また、土壌が乾燥して砂状になり、雨風の土壌侵食を受け、海に土砂が流出するケースもあるとのこと。

今ではボランティアの人数がどんどん増え、旅行者や子ども連れでも参加してOKとのこと。事前予約は必要なく、動きやすい服装や靴で来れば誰でも活動できます。
ハワイで新たな潮流になりつつある「レストレーション」について知りたいなら、ぜひ土曜日の朝8時〜11時に参加して!

Kuilei Cliffs代表 久保田亮さん
1978 年東京都生まれ。分子生物学・遺伝子工学を学び、日本で修士号を取得後、ハワイ大学で博士号を取得。植物の病気を診断する遺伝子検査キットを開発・起業した経歴を持ちます。サーフィンを通じて環境問題に関心を持ち、2022年にプロジェクトを開始。
【Kuilei Cliffs Restoration Project】
Diamond Head Vista Point
3483 Diamond Head Rd, Honolulu, HI 96816
https://kuileicliffs.org
食通が集まる!チャイナタウンの大人気レストラン
④【Fête】

ホノルルのチャイナタウンにある「Fête(フェット)」は、ハワイ産の旬の食材を用いた“ニューアメリカンスタイル”をコンセプトにした地元密着型レストラン。ハワイ出身の韓国系アメリカンのロビンさんがシェフを務め、スタイリッシュなインテリアを担当するのはご主人です。

2016年のオープン以来、ローカルはもちろん観光客にも高い人気を呼び、グルメに関わるさまざまな賞を受賞しています。
また、地元の農家や漁師と連携して扱う食材の地産地消を目指し、サステナブルな調達を実践しています。

また、環境に配慮したレストランの証である「オーシャン・フレンドリー・レストラン」の認定店で、使い捨てプラスチックの削減やリサイクルの徹底を行い、環境への配慮と高品質な料理を両立させる点が高く評価されています。
【オーシャン・フレンドリー・レストラン】プログラムって?
①店舗内では再利用可能な食器類のみ使用
②紙製ストローは依頼があった場合のみ提供
③発泡スチロール(EPS)は使用しない
④プラスチックボトルでの飲料販売をしない
⑤テイクアウトにはプラスチックバッグを使用しない

地元の人に聞いたおすすめメニューは「ジンジャースカリオン・フライドライス」。ガーリックがガツンと効いたチャーハンという印象でおこげがたまらなく美味しい! 9ドルというリーズナブルさでボリュームもあり、満足度もバッチリでした。ぜひお試しを。
【Fête】
2 N Hotel St, Honolulu, HI 96817
https://www.fetehawaii.com
エコフレンドリーなハワイ土産を買うなら
⑤【Keep it simple】

リンネル読者におすすめしたいのが、エコフレンドリーでセンスのよいメイドインハワイ土産が手に入る「Keep it simple(キープ・イット・シンプル)」。ワイキキから近いカイムキという小さな街にオープンした「ゼロウェイスト(廃棄物・ゴミが出ない)」をコンセプトにした雑貨店です。
一番の魅力は、気に入った商品を欲しい量だけ購入できる量り売りコーナーが充実しているところ。

容器は自分で持参してもOKとのこと。旅行者もトラベルボトルを持参して、滞在中に使うスキンケアを購入する人が多いそう。地元の人が持ち寄った空き瓶などを無料で使えるのもエコフレンドリーなショップならでは。お店のスタッフだけでなく、来店する人も一緒になってゼロウェイストに取り組む様子が印象的でした。

ハワイ発のサステナブルなスキンケアやボディケアグッズ、日常で使う洗剤類も充実しています。ハワイらしいプルメリアやパイナップルの香りのアイテムが並び、好きなテクスチャーを見つけるのも楽しい!

ハワイのデザイナーやアーティストによる水着やウェア、小物なども豊富なので、お土産を買う時間はたっぷり確保するのがおすすめ。
【Keep it simple】
3466 Waialae Ave Honolulu, Hawaii 96816
https://www.keepitsimplezerowaste.com
【ハワイ情報が満載! ハワイ州観光局公式日本語サイト】
宿泊施設からおすすめの旅プランまで、ハワイの情報がたくさん!
https://www.allhawaii.jp
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text : Tokiko Nitta photo : Akira Kumagai
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