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【吉田羊さんの着物と12のアソビゴコロ】 第8回 時代をアソブ 【吉田羊さんの着物と12のアソビゴコロ】 第8回 時代をアソブ

吉田 羊
【吉田羊さんの着物と12のアソビゴコロ】 第8回 時代をアソブ
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連載 #吉田羊さんの着物と12のアソビゴコロ

アンティーク着物を愛する吉田羊さんが、四季折々に着物のおしゃれを楽しむ様子を撮り尽くしたフォトエッセイ『ヒツジヒツジ』(宝島社)を発売。その至極の着こなしの数々から、「着物で遊ぶ」をテーマに切り取ったアソビゴコロあふれる着物語りを12か月にわたって綴っていきます。第8回で遊ぶのは「時代」。

目次
  1. その時代、柄に込められた想いを現代に
  2. 100年前の家族の姿を想像して。
  3. 同時代感を着物で表現。
  4. 江戸時代のユーモアを着る。
  5. 吉田羊さんのフォトエッセイ『ヒツジヒツジ』好評発売中です!

こんにちは、吉田羊です。
着物スタイルだからこその「アソビゴコロ」をお伝えする連載です。
江戸、明治、大正ーー。大切に受け継がれてきたアンティーク着物。
着物を着ることで、その時代の文化や流行、風習に触れることができます。
柄に込めた思いを知ることで、まるでタイムトラベラーのように
その時代の人と対話をしているような気持ちにも。
想像の海に浸る着物の楽しみが今回のテーマです。


その時代、柄に込められた想いを現代に

幸福や平和への願いを込めた「青海波」柄、魔除けを意味する「麻の葉」柄、長寿を願う「松竹梅」柄ーー。こんなふうに着物の柄には必ず何かしらの意味が込められています。つまりアンティーク着物は、かつて誰かが大切な誰かを想って、柄に託して仕立てたものなわけで。柄からその想いを推し量る楽しみもあるんです。まさに、時をかける対話。ドラマ“ふてほど”(2024年1月期ドラマ『不適切にもほどがある!』をご覧いただきありがとうございます!)だけじゃなく、実生活でもタイムトラベルしています(笑)。時代時代で流行した柄もさまざま。当時の女性になり切って街を歩くことも、アンティーク着物の醍醐味です。

100年前の家族の姿を想像して。

【吉田羊さんの着物と12のアソビゴコロ】大正時代のアンティークの振袖

こちらは大正時代のアンティークの振袖。松に鶴というめでたい図柄と、五つ紋が付いていることから花嫁衣装だったと思われます。100年前のものであるにもかかわらず、素晴らしいコンディション。お嫁にいく娘を思って仕立てられたことや、嫁いだ先でも大切に残されていたことが伝わってきますよね。私はこの着物を「紀伊國屋演劇賞」をいただいた時の授賞式で着用しました。合わせた帯は鳳凰柄の格上の帯に。着物に存在感がある場合は、それに負けないくらいの格でありながら、引き立ててくれるものを選びます。ルールが厳しい席のときは、着物と帯の格を同じくすることが基本。でも普段使いであればあえてカジュアルダウンして遊ぶこともありますね。

次のページ同時代感を着物で表現。

連載 #吉田羊さんの着物と12のアソビゴコロ

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