北欧

フィンランドに学ぶ女性が社会で活躍するためのヒント 【現地在住の島塚絵里さんに聞く】 フィンランドに学ぶ女性が社会で活躍するためのヒント 【現地在住の島塚絵里さんに聞く】

\島塚さんに聞きました/
フィンランドから学ぶ、自分の意見の持ち方

1. 政治の話はタブーではない

身近な人も市議会議員の選挙に出ているという島塚さん。フィンランドでは政治の話がしやすいといいます。

「身近な人が市民代表として市議会議員になっているので、政治も身近に感じます。いいなと思うのは、政治家が一般の人と同じ感覚で、偉そうにしていなくて特別な待遇もないこと。エコノミーで移動したり、その辺のテラスで乾杯していたり。もちろんリスペクトはありますが、普通の仕事をしているという感じがします。大統領は男性ですがおむつを買いに行ったという記事が出ていたことも。そんな一般の人と同じ感覚がある人でないと、支持されないかもしれないですね。

フィンランドで女性らしさは武器にならない。媚びを売らなくていいんです。今の首相は30代の女性ですが、ただ実力があるから選ばれただけで、わざわざ “女性”首相とはいわない。結婚、出産のために人材をなくすのが損失だと考えるので、仕事を辞めるという選択肢はないですね」

日常のなかで、政治について話すことも多いのだとか。

「わが家はそこまで政治に詳しくはないですが、一般常識程度には話したりします。日本では政治の話題はタブーといわれていましたが、フィンランドでは積極的に議論しようという感じです。

一度、共同サウナの日に近所のお母さんたちと話したら、みんなそれぞれの意見があって面白かったですね。意見を言うことは健全なことだと考えているようです。特にサウナは本音を語る場所。同じ意見じゃなくても、気まずくなったりしないんです」


2. 自分の権利は自分で守る

フィンランドでも昔から女性が活躍できたわけではなく、声をあげ続けたことで徐々によくなっていったのだとか。

「デモが多く、権利を主張する人も多いです。だから選挙にもちゃんと行く。自分の権利は自分で守るというのは、大切なことかもしれませんね。おかしいと思ったら、声をあげて変えていこうという動きは、いつもあるのかもしれません。デモが行われるのも普通のことで、よく人々が集まっています。環境問題についても、隣のスウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリに影響を受けている人も多く、コロナ前は、フィンランドでも金曜日に子どもたちが学校を休んでデモをしたりしていました。自分の権利や地球の権利、自分がよいと思うことを主張するのは、いいことだとされています。人まかせにはしないのかもしれません」

主張された意見をきちんと聞く土壌があるのも、フィンランドのいいところ。

「意見は反映されると思うし、運動が広がって徐々に変わっていくんだと思います。政治家にまかせっきりはよくないと思うんですよね。自分の一票はあまり関係がないと思う人もいるかもしれませんが、フィンランドではデモに参加したり、こんなにたくさん考えている人がいるのだと実感する場があるのかも。

政治は一番、オープンに話し合わないといけないことなのではないかなと思います。日本では当たり前だと思っていることも、ほかの国では当たり前ではないし、変えていけると思います。他国のいいところを取り入れやすいところから取り入れて、暮らしやすい社会になるとよいですね」

次のページ『フィンランドで気づいた小さな幸せ365日』

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