若葉竜也さん×穂志もえかさん「一緒にいると『分かる!』っていうことがたくさんある」/映画『窓辺にて』対談インタビュー 若葉竜也さん×穂志もえかさん「一緒にいると『分かる!』っていうことがたくさんある」/映画『窓辺にて』対談インタビュー
人間関係における微妙な心の機微を、丁寧にすくい上げてきた今泉力哉監督の新作『窓辺にて』。“好きという感情そのもの”を掘り下げて描いた、大人のラブストーリーです。同じく今泉監督の『街の上で』に続いて共演した、若葉竜也さんと穂志もえかさんにお話をうかがいました。
「私も、監督や若葉さんと同じような感覚がある。だから居心地がいいんです」(穂志さん)
11月4日公開の『窓辺にて』は、『愛がなんだ』『あの頃。』を手がけた今泉力哉監督のオリジナル脚本による、ちょっとおかしな大人のラブストーリー。稲垣吾郎さん演じる主人公・市川とその妻をはじめ、複数の夫婦や恋人同士の関係性が小気味よい会話とともに描かれます。
市川の友人で、既婚のプロスポーツ選手、「マサ」こと有坂正嗣を演じているのは若葉竜也さん。彼と浮気している人気モデルの藤沢なつを、穂志もえかさんが演じています。
「失敗やできないことも見せられる。そういう安心感がありました」(若葉さん)
――おふたりは、同じく今泉監督の『街の上で』でも共演されていますよね。
穂志もえか(以下、穂志):私、『窓辺にて』の現場では、あまり緊張しなかったんです。私の場合、緊張しすぎるとあまりいいお芝居ができないので、自分にとってはいいことなんですが、若葉さんは「めっちゃ緊張しない? 俺はこういうシーン、すごく緊張しちゃうんだよね」とおっしゃっていて。何年経っても新鮮な気持ちで演じているところが素敵だなと思いますね。
若葉竜也(以下、若葉):僕は撮影現場が居心地いいと思ったことは一回もないタイプなんですよ。撮影を通じて人間的に成長した……みたいな経験もないし。簡単に成長できるほどの器はありません。
穂志:若葉さんって、そういうことを隠さずに話してくださるところや不器用なところがチャーミングだし、いつまでもそのままでいてほしいと思います。
若葉:穂志さんとはそこまで共演経験が多いわけではないけど、お互いにできないことや、失敗すること、そういう恥ずかしい部分を見せられるという信頼は置いていました。それは穂志さんが何テイクやろうが待てるし、自分が何テイクやろうが、きっと待ってくれるだろうな、という。そういう意味の心強さはありましたね。
「僕は本質的な意味では、役者に向いていないと思う」(若葉さん)
――今泉監督はよく、ご自分と若葉さんが似ているとおっしゃっているそうですが。
若葉:あんなにダメじゃないよね?(笑)
穂志:私はそこまで深くおふたりを知っているわけではないのでわからないですが、自分の思いに素直だし、似た空気感はあるのかな……。今泉さんって、SNSでもそうですが、すごく自分のことをさらけ出しますよね。
若葉:たぶん、今泉さんって監督に向いていないと思うんですよ。僕も本質的な意味では役者に向いていないと思うんです。他の人からは分からないけど、自分から見た自分は、明らかに向いていないな、と思うことが多すぎて。同じようなことを今泉さんも感じているんだと思うんですよね。そこが共通点じゃないですか?
穂志:私にもそういう感覚はあります。だからなのか、3人でいるとすごく居心地がいいし、分かる! ってことがたくさんある。おふたりのそういうところが好きなんですよね。
「9000円のハンドクリームを思い切って買いました」(若葉さん)
――リンネルはファッションだけでなく、“心地よい暮らし”をテーマにしている雑誌なのですが、最近暮らしに取り入れてよかったな、と思うものや習慣はありますか?
穂志:私は朝に白湯を飲むこと、ですね。
若葉:この前、友人の奥さんからハンドソープをもらったんですよ。それがすごくいいにおいだったので、同じお店にハンドクリームを買いに行ったんです。そうしたら9000円くらいして。だから大事にちょっとずつ使ってます(笑)。
穂志:香りの大切さに目覚めた、ってことですか?
若葉:いや、今まで300円くらいのしか使ったことがなかったから。こういう買い物もたまにはしてみようかな、って。
穂志:9000円の買い物を高い、と思える感覚が若葉さんらしいですよね。そういうところも素敵だなと思います。
プロフィール
作品情報
一冊だけ小説を出したきり、フリーライターをして生活している市川茂巳(稲垣吾郎)は編集者の妻・紗衣(中村ゆり)と売れっ子小説家の不倫を知りながらも、自分に何の感情もわかないことにショックを受けていた。ある日、とある文学賞の授賞式で出会った高校生作家・久保留亜(玉城ティナ)の受賞作に惹かれた市川は、その小説にモデルがいるなら会わせてほしい、と留亜に頼むが……。
©2022『窓辺にて』製作委員会
11月20日発売のリンネル1月号では、若葉竜也さんのインタビューを掲載予定。そちらもぜひご覧ください!
<< 穂志もえかさんが撮影で滞在したバンクーバーから綴った連載を読む
photograph:Shinnosuke Soma styling:Toshio Takeda(MILD) hair & make-up:Fujiu Jimi text:Hanae Kudo
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
Related Article おすすめ記事
-
穂志もえかのバンクーバー通信「colorful days」【連載・第8回】日本に帰ってきても忘れたくないこと(前編) 穂志もえかのバンクーバー通信「colorful days」【連載・第8回】日本に帰ってきても忘れたくないこと(前編)
-
穂志もえかのバンクーバー通信「colorful days」【連載・第9回】日本に帰ってきても忘れたくないこと(後編) 穂志もえかのバンクーバー通信「colorful days」【連載・第9回】日本に帰ってきても忘れたくないこと(後編)
-
女優・穂志もえかさんが着こなす。秋のおしゃれは“衿もと”から 女優・穂志もえかさんが着こなす。秋のおしゃれは“衿もと”から
-
小林聡美さん「大人として自由に生きるためには〝手放す〟ことも必要」後編 小林聡美さん「大人として自由に生きるためには〝手放す〟ことも必要」後編
-
小林聡美さんが向き合う、傑作昭和ドラマの舞台化。「平凡な人の奥底にある激しさを伝えられたら」前編 小林聡美さんが向き合う、傑作昭和ドラマの舞台化。「平凡な人の奥底にある激しさを伝えられたら」前編
-
なぜか気になる、怪談とまではいかない日常の「違和感」たち。三好 愛さん書籍インタビュー なぜか気になる、怪談とまではいかない日常の「違和感」たち。三好 愛さん書籍インタビュー
-
モデル小谷実由さん「ずっと憧れてもらえるような姿でいなきゃと思ってきたけれど」書籍インタビュー モデル小谷実由さん「ずっと憧れてもらえるような姿でいなきゃと思ってきたけれど」書籍インタビュー
-
上白石萌音さんが着るクリーンで心地いい、Happyをくれる服【インタビュー前編】 上白石萌音さんが着るクリーンで心地いい、Happyをくれる服【インタビュー前編】
-
上白石萌音さん「なるべく真っ白な自分でいたい」【インタビュー後編】 上白石萌音さん「なるべく真っ白な自分でいたい」【インタビュー後編】
Latest News
CULTURE
-
今日はがんばったからあそこに行こう! 麻生要一郎さん新刊『僕が食べてきた思い出、忘れられない味 私的名店案内22』発売 今日はがんばったからあそこに行こう! 麻生要一郎さん新刊『僕が食べてきた思い出、忘れられない味 私的名店案内22』発売
-
【表紙解禁】 11月13日(水)発売! 書籍「マムアンとララちゃん」心にそっと寄り添ってくれる一冊が完成 【表紙解禁】 11月13日(水)発売! 書籍「マムアンとララちゃん」心にそっと寄り添ってくれる一冊が完成
-
いしわたり淳治さん「オアシスがいなければ、今の自分はいなかった」/『リヴ・フォーエヴァー:Oasis 30周年特別展』特別インタビュー いしわたり淳治さん「オアシスがいなければ、今の自分はいなかった」/『リヴ・フォーエヴァー:Oasis 30周年特別展』特別インタビュー
リンネル最新号&付録
2025年1月号
暮らしの道具大賞2024
- 付録
- marble SUD[マーブルシュッド]
ボアバッグ&
リング付きちょうちょ柄丸ポーチ
特別価格:1,520円(税込) / 表紙:上白石萌音 /
2024年11月20日(水)発売 ※一部の地域では発売日が異なります