CULTURE

大原櫻子さん「今できる最善を尽くした10年間」/オールタイムシングルベスト 2014-2024 『Anniversary』インタビュー 大原櫻子さん「今できる最善を尽くした10年間」/オールタイムシングルベスト 2014-2024 『Anniversary』インタビュー

笑顔になる音楽を作ることが自分の本質

大原櫻子さん オールタイムシングルベスト 2014-2024 『Anniversary』インタビュー

━━その反面、透明感というか、前向きな気分になれるような輝きはデビュー当初から変わらないですね。

デビュー当時は、元気で明るくて前向きなイメージで、ファッションでも意識していましたね。でも、20代になってからは、歌い方も歌詞の内容も深みのある部分を意識していき、ファッションも落ち着きのあるものに変えたのですが、徐々に自分の本質が見えてきたというか。みなさんに笑顔になっていただけるような音楽を作りたいという思いが、より強くなっていますね。

━━書き下ろしの新曲「Anniversary」は、デビュー曲を手がけられていた亀田誠治さんと再びタッグを組んで完成させた、これまでもそしてこれからも笑顔を多くの人に届けたいという思いが伝わってくる仕上がりですね。

亀田さんから楽曲をいただいた瞬間、10年の軌跡が走馬灯のようによみがえってきました。それと同時に、亀田さんからのラブレターだなって感じましたね。デビュー曲で〈10年後の未来なんてわからない〉と歌っていた私の10年を振り返りながら、これまで私を支えてくださったみなさんへの感謝の気持ちもこめることができたと思います。また、私の音楽を耳にしたことがない方々も、暮らしのなかでさまざまな出来事があったと思います。特にうまくいかない瞬間、この人に支えられてたなっていうのが、 明確に思い出せるような仕上がりにもなっているのかなって。この楽曲を通して、これまで支えてくれた方の表情を思い出していただきたいという思いをこめて歌わせていただきました。

━━また、この楽曲は10年、20年先の大原さんに向けたメッセージのようにも聞き取れました。

まさにその通りで。〈これから10年も〉と歌ってはいますが、20年先でも歌い続けていたい楽曲になりました。

━━また、本作には大原さんが出演された映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』の挿入歌として発表された「サヨナラの準備は、もうできていた」のカバーも収録されています。

オリジナルは、CRUDE PLAYという劇中に登場するバンドの楽曲なのですが、カバーするにあたり改めてじっくり聴き直してみると、ボーカルの三浦翔平さんは大先輩という印象だったんですけど、今の私はその頃の三浦さんの年齢を超えていることに、不思議な感覚があって。でも、メロディーや歌詞には、10年前の匂いがずっと残っていて。エモい気分になりながら、レコーディングをさせていただきました(笑)。

━━大原さんが歌うことによって、楽曲の持つ輝きや深みがさらに際立つものになったと思います。

男性目線の曲を、女性の私が歌わせていただくということもあって、映画のファンの方々はどう向き合っていただけるのか、ちょっとドキドキしている部分はありますね(苦笑)。歌ってみると、難しいというか。シンプルでありながらも、いろんな表現や解釈ができる楽曲なので。10年前の私では決してカバーできなかったと思う。今だからこそ、自分のフィルターを通して、ようやく表現することのできた楽曲じゃないかって。

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