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その不調、どっち⁉ 更年期とPMSの“ゆらぎ”に備えよう その不調、どっち⁉ 更年期とPMSの“ゆらぎ”に備えよう

PMSと更年期エストロゲンillust

女性ホルモンのゆらぎによる心とからだの不調は、女性にとってこの先も長く付き合っていかなければならない問題です。備えておきたい更年期と今すぐ対処したいPMS。まずは、自分の心とからだの状態をきちんと把握することから始めましょう。

目次
その不調、どっち⁉ 更年期とPMSの“ゆらぎ”に備えよう
  1. 更年期とPMSの違いは?
  2. 毎日を健やかに過ごす秘訣は小さな不調を放置しないこと
  3. 環境要因によるストレスはなるべく排除しよう
  4. 自分の心とからだを知ろう! 更年期とPMS症状チェックリスト
  5. 診断結果はこちらをチェック!
  6. 教えてくれたのは…… 小野寺 真奈美先生

初潮が始まる10代から更年期を経て閉経を迎える50代~60代頃まで、女性ホルモンのバランスの乱れや減少によって、心やからだにさまざまな不調が表れます。
日々の暮らしや仕事にも影響を及ぼすPMS症状や更年期症状。その対処法や上手な付き合い方について、婦人科医の小野寺真奈美先生にお聞きしました。

更年期とPMSの違いは?

「女性ホルモンは20代~30代にもっとも安定して分泌されます。
エストロゲンとプロゲステロンの分泌量が約1か月サイクルで変化し、排卵のリズムをつくり、妊娠に備えるからだづくりをサポートします。
PMSと呼ばれる心身の不調は、排卵後の高温期に訪れる女性ホルモンのゆらぎが原因ではないかといわれています。

40代から閉経の時期にかけては、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの分泌量が乱高下し、波のようにゆらぐことも。その不安定な状態が続くことで起こる不調全般を更年期症状といいます。
更年期は閉経の前後約5年間、トータル約10年間を指します。
日本人の閉経平均年齢は約50歳といわれており、その前後が更年期の時期と考えられます。更年期症状は多様で、症状が表れる年齢には個人差があります」

毎日を健やかに過ごす秘訣は小さな不調を放置しないこと

「PMSにしても、更年期にしても、その症状の裏には実は子宮卵巣などの婦人科系の疾患や、甲状腺といった内分泌系の疾患、また心身の疾患などが隠れているケースもあるのです。

心やからだの不調をひとりで抱え込んだりせず、まずは気軽に婦人科に相談しましょう。
問診と検査を行って、ひとりひとりの症状やライフスタイルに合わせた治療を行うのがベスト。検査によって、隠れた疾患の早期発見につながることもあります」

環境要因によるストレスはなるべく排除しよう

「更年期の初期症状として多いのは生理不順のほか、代表的な症状でいうとホットフラッシュなどがあげられます。
なお、更年期はからだの不調だけでなく、不安感やイライラ感といった心の不調が生活に影響することも。閉経前後の不安定な時期=40代~50代は、キャリア形成などの社会的ストレスや、親の介護などの家庭問題によるストレスといった環境要因が重なる時期でもあります。

“更年期ロス”といわれる、女性の離職や降格といったマイナスの影響を防ぐためには、家族や周囲の人たちとの対話や協力が不可欠だと思います。ストレスを完全には排除できなくても、自分なりの解決法を見つけておくことはPMSや更年期症状とうまく付き合っていくうえで大切なこと。結局のところ、自分が快適でいられればそれが一番の対処法なのです。

心とからだの機嫌を取りながら、バランスのよい食事と適度な運動を心掛けて、この先いつか訪れる“ゆらぎ”に備えましょう」

自分の心とからだを知ろう! 更年期とPMS症状チェックリスト

自分の心とからだにいま何が起こっているのかを知ることが、まずは第一歩。あてはまる症状をチェックしよう。

更年期とPMS症状チェックリストcheck list

診断結果はこちらをチェック!

【Aが多い人】
PMSの心の不調に対処しましょう

イライラしたり、怒ったあとに落ち込んだりと、感情の起伏に振り回されやすい状態です。いい香りのものやバスアイテムで自分に癒やしとご褒美を。

【Bが多い人】
PMSのからだの不調に対処しましょう

お腹や腰の痛みは我慢したり、放置したりせずにクリニックに相談し、ピルや痛み止めを服用して対処を。むくみや冷えは軽いストレッチや入浴でケア。

【Cが多い人】
更年期の心の不調に対処しましょう

エストロゲンの分泌量の低下により、自律神経の乱れやセロトニンの生成の低下が起こり、心が不安定に。精神安定剤や睡眠導入剤による治療が一般的。

【Dが多い人】
更年期のからだの不調に対処しましょう

症状が重い場合はホルモン補充療法による治療も一案。ホルモン剤を使用しないエクオールサプリメントや漢方薬での治療もあるので、医師に相談を。

定期健診で婦人科に慣れておこう

更年期の不安はひとりで抱え込まず、気軽に相談できるクリニックを見つけておくと安心です。まずは、乳がんや子宮頸がんなどの定期健診で婦人科に慣れることから始めよう。

教えてくれたのは…… 小野寺 真奈美先生

onodera-mayumi-sensei
女性医療クリニックLUNA横浜元町 副院長
日本産婦人科学会認定産婦人科専門医、日本女性医学会学会専門医、日本医師会認定産業医、女性のヘルスケアアドバイザー。
ひとりひとりの症状に合わせた丁寧な診療で、女性特有の心身のゆらぎや不調をサポートする。


<< 更年期の不調を和らげるヨガの動きをやってみる↗

<< 生理前のむくみやイライラを撃退する、座ってできるヨガポーズをチェック!

illustration:Kayo Yamaguchi edit & text:Rikako Yamada web edit:Noriko Naya
リンネル2022年12月号より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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