寒さが厳しくなるこの季節、重ね着をしたり、温かいものを飲んだりしても、すぐにまた体が冷たくなってしまう……。そんな人は、体の冷えだけではなく、心の冷えをとるケアが必要かもしれません。医師・川嶋 朗先生に、心の冷えをとるケア方法を教えていただきます。
1.多くの体調不良の裏に隠れる、
心と体の冷え
重ね着をしても「手足が冷たい」と感じるのは、気温が低いのではなく、体が冷えている証拠です。そう感じる人は、きっと夏でも手足が冷たいはず。これが「冷え」の状態です。
私たちの体は皮膚で寒さを感じると、熱を作り出して体温を一定に保とうとしますが、その指令を出しているのが、自律神経。自律神経は寒いと血管を収縮させて熱を逃すのを防ぎ、暑いと血管を広げて熱を逃がします。ただし、寒さで血管が収縮して血流が悪くなると、より冷えを感じるという悪循環が起こります。だから、冷え予防には、「寒い」「冷えている」と感じない体の状態を作ることが必要です。
冷えと密接に関係しているのがストレス=心の冷えです。精神的なストレスによって自律神経が乱れて、交感神経優位の状態が続くと、体は緊張して血管を収縮させ、血流も悪くなり、季節を問わず体が冷えた状態になります。冷えをとるには、体を温めるだけではなく、心の冷えをとることも大切。冷えの裏には、イライラや不眠、うつ病など、心の不調が隠れているかもしれません。まずは過度なストレスがないか、生活習慣が乱れていないかを見直して。
また、体調不良を訴える人の多くが、冷えている人だそう。冷えは血流だけではなく、体内のさまざまな代謝に必要な「酵素」の働きも悪くします。酵素の働きの悪化は内臓の不調やがんなどの原因にもなるので、冷えを防ぐことは、長い目で見ると健康を保つ方法なのです。
2.心の冷えセルフチェック
4つ以上当てはまる人は、ストレス過多の危険が。自分なりのリラックス方法を見つけて心を温めましょう。
□ イライラしやすい
□ 朝起きるのが辛い
□ 午前中はやる気が出ない
□ 日常的にストレスを感じる
□ 疲れがとれにくい
□ 寝つきが悪い
□ 不安感が強い
□ 頭がすっきりせず重だるい
□ 耳鳴りがすることがある
□ 肩こりや頭痛がある
3.心の冷えをとる、4つの方法
緊張すると手足が冷えてこわばったり、血の気が引くことがありませんか? そんな状態が日常的に続いてしまう、「心の冷え」状態を解消しましょう。
1_一日一笑を心掛ける
笑顔を作るだけでも幸せホルモンアップ
冷えの理由のひとつが緊張。笑うことで緊張が解け、セロトニンなどの「幸せホルモン」の分泌がうながされます。お笑い番組を見るのもいいですし、親しい人とくだらない話をするのもOK。一日一笑を心掛けましょう。おかしくなくても、口角を「ニコッ」と上げて、笑顔を作るだけでも、「幸せホルモン」は分泌されるといわれています。
2_温活呼吸をする
吐く息を長くする深い呼吸で緊張が緩和
息を吸うのは交感神経、息を吐くのは副交感神経にかかわるので、緊張が強い人は、吐く息を意識してみましょう。5秒間で吸ったら、吐くときはその倍の10秒かけてゆっくり鼻から息を吐き出します。下腹に手をあてて、吐くときにおなかをへこませると簡単です。緊張が続くと呼吸が浅くなっているので、これだけでも体が温まります。
3_心地いいことをする
リラックスできて楽しいことを見つける
短い時間でもいいので、1日の中で自分が心地いいと感じることをする時間をもうけましょう。好きな音楽を聴いたり、よい香りのハーブティーを飲んだり、リラックスできることなら何でもOK。好きなことであっても、集中力のいる作業やはげしい運動は交感神経が優位になってしまうので、リラックスには向きません。心地よさを大切にして。
4_外の光を浴びる
外の光を浴びるだけで幸せホルモンが分泌
朝起きたら、まずカーテンを開けて朝の光を部屋の中に取り込みましょう。天気のよしあしにかかわらず、外の光を浴びることで幸せホルモン・セロトニンが合成されて、ストレスが軽くなります。さらに、朝の光を浴びて14~15時間後には、セロトニンを原料とする眠気をうながすメラトニンが分泌され、穏やかな眠気に導かれ、不眠の改善にも有効です。
4.心の冷えとりをあと押ししてくれる
おすすめグッズ
除菌&リラックス
ハーブティーでぽかぽか
ハーブ抽出液
教えてくれた
医師・川嶋 朗先生 profile
illustration:Kayo Yamaguchi text:Ema Tanaka web edit:Riho Abe
リンネル2021年1月号より
※画像・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください
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