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【北海道東川町、織田コレクションを訪ねて vol.1】 デザインが教えてくれたこと 【北海道東川町、織田コレクションを訪ねて vol.1】 デザインが教えてくれたこと

連載 #素敵なおうち訪問

ものを買うときのルール

そんな織田さんが買うものには、あるルールがあるのだとか。

「見て美しいな、いいなと思ったものが基準。若い頃から、ものを買うときには予算内で買える最高のものを買おうと思っています。つまり自分のスタンダードラインを手が届く範囲で、できるだけ高いところに設定するということ。今の若い人たちはファストなものが全盛だと思いますが、材料や安全性など、安い価格を実現している背景をもっと考えないといけないと思いますね。価値観を少し転換して、安いからといってすぐに手を出さず、いいものを最後まで使い切ってほしいです」

織田コレクション グフタフスベリプレート
結婚後すぐの頃に購入したという、ノルウェーのポルシュグルン社のプレートと、デンマークのイェンス・クイストゴーのカトラリー

織田さんがそう語るのも納得。結婚した頃に購入したというプレートやカトラリーは、50年以上たった今でも愛用しているそう。

「プレートの柄が擦り切れたり、柄の部分がダメになって木工作家に頼んで作り直してもらったりしながら使い続けて、寿命がつきないんです。ものの寿命には素材、構造、機能性、デザインという要素があります。流行を追いかけていると飽きがきてしまいます。デンマークの人は、職人が情熱をかけて作ったものは、使う側も情熱を持って使い続けるパッションも大事だといいますが、それらが揃うものが本物だと思います」

織田コレクション カイフランクの人形
貴重なものばかり並ぶご自宅。1948年に製作された、フィンランドのカイ・フランクの木製の人形も
織田コレクション カイボイスン
モンキーで有名な、デンマークのカイ・ボイスンによるダックスフント

捨てるようなものは、そもそも玄関をまたがせないと織田さんはいいます。

「ものを買う人の責任というものがあります。その責任が今ほどおろそかになっている時代はないと思います。昔は作る職人とともに、修理専門の職人がいました。今は修理するより買ったほうが安いという発想になっています。買い替え、差し替えの文化になってしまっているのが残念だなと思います」

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