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:お茶を飲むだけで養生できる「韓方茶」がすごい! 不調に合わせて効能を感じる伝統茶の魅力 【kazumiさんが学ぶ、ときめきの韓国】
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モデルのkazumiさんが今一番気になる国、韓国の文化について深掘りする連載。今回のテーマはお茶。韓国の伝統的な漢方医学に基づく健康茶「韓方茶」について料理家で国際中医薬膳師のコウ静子さんにお話を伺いました。その日の体調に合わせて効能を得るお茶の力に注目です。
韓国のお茶について教えてくれたのは
家庭にあるもので気軽にはじめられる! 韓方茶とは?

身近な食材を乾燥させたり、砂糖などに漬けたり、コトコト煮こんだりして作る家庭のお茶。

効能
●みかん
乾燥させた皮は、陳皮という生薬に。 体を温めて気の巡りをよくし、お腹の張りや痰が出るときなども改善されます。
●クロモジ
体を温めて、咳や痰を止め、高ぶった神経を鎮めてリラックスできます。肩こりや腰痛も改善。 入浴剤として使っても。
●シナモン
桂皮とも呼ばれ、血行を促進するシナモン。 体を温め、心身のリラックス効果も。胃腸の働きも整え、食欲不振にも。
●なつめ
鉄分や食物繊維を豊富に含むなつめ。皮にはポリフェノールも。体を温め、血と気を補い、心を穏やかに安定させます。
●菊の花
デトックス、降圧作用があり、血圧が高めの人に。更年期によるのぼせや頭痛など、上半身の不調を改善してくれます。
●小豆
血中のコレステロール値を下げ、デトックスや抗酸化作用によって肌老化の予防に。むくみの予防、改善にもおすすめ。
●ヨモギ
婦人科系の良薬と呼ばれるヨモギ。 体を温め、入浴剤としての利 用もおすすめ。 肌トラブルを改善し、デトックス効果も。
●クコの実
スーパーフードとも呼ばれるクコの実。 視力の回復やアンチエイジング、滋養強壮のほか、免疫力を高めてくれます。
韓方茶のタイプと飲み方
【TYPE 01】 乾燥

季節の植物で作る自分だけの薬箱
四季折々の葉だけではなく、花や果実、木の根まで乾燥させてお茶として飲む韓国の伝統茶。
たとえば赤じそは洗って、部屋のなかで干すだけでお茶に。柚子の実に生薬を詰めて熟成させる“柚子サンファ茶”は、枝に吊るして熟成させている間もオーナメントのようでかわいい。作る時間も楽しいんです。

【TYPE 02】 漬け込む
甘い香りに癒やしの作用も「りんご茶」

●材料(作りやすい分量)
りんご(あれば紅玉)…1個(250g)
シナモンスティック…1本
黒粒こしょう…10粒
クローブ…5、6粒
ローズ…3g程度
レモン汁…1/2個分(大さじ2)
アガベシロップ…100~120g
●作り方
① りんごはさっとぬらし、塩(材料外)をふって手でこすり、水で洗って水気を丁寧にふく。
② ①を縦 4~6つに切り、芯を切り除く。 皮つきのままいちょう切りにする。
③ ボウルに②を入れ、レモン汁を回し入れて混ぜる。 アガベシロップをふり入れて混ぜ、全体にまぶす。しばらくおいて、りんごがしんなりしたらでき上がり。 好みでシナモンや黒粒こしょう、クローブ、ローズを加えても◎。
④ 好みの量をカップに入れ、熱湯を注いで飲む。アガベシロップをきび砂糖、黒糖など(量はアガベシロップの2倍)に変えてもOK。
保存方法/煮沸消毒した瓶などに移し、冷蔵庫で1か月ほど保存可能。
【TYPE 03】 煮込む
身体がぽかぽか温まる、季節のお茶「金柑しょうが茶」

●材料(作りやすい分量)
金柑…1パック(10~12個)
しょうが…50g
はちみつ…20~30g
水…2~3カップ
●作り方
① 金柑はきれいに洗い、へたを除いて竹串で数か所穴をあける。しょうがは皮をむいて薄切りにする。
② 鍋に①とはちみつを入れ、水を注ぎ火にかける。煮立ったら弱火にして、アクを除きながら20~30分ほど煮る。
お守りにもなる食材の性質を活かしたお茶
韓国にこんなにたくさんお茶の種類があるなんて、驚きました!

クローブ、黒こしょうなどのスパイスも生薬のひとつ。身近な食材でお茶を作って体を整えます。漬けたり煮たりするときに、のどを潤したいならはちみつ、体を温めたいなら黒糖というように、どんな効能を得たいかによって、食材を自由に組み合わせていきます。お茶を煮込んでいると、香りが部屋に漂ってきて、気持ちまで穏やかになる気がします。

日々の食から、自分の体と向き合う。しかも楽しみながら作れるというのが素敵ですね。

中国から伝わった漢方が、韓国人の体質や気候風土と合わさり、「韓方(ハンバン)」という考え方になりました。ソウルの韓方街、京東市場には1000軒以上の韓方薬局があり、処方箋なしで生薬を買えます。身近にある食材にも効能があるということが家庭でも伝えられていて、咳をしたら「トラジ(キキョウの根)でも飲んで」と普通の会話で出るくらい。冬は金柑やシナモンで体を温めたり、腎をいたわるため、黒豆や黒ごま、黒キクラゲなど、黒い色の食材を積極的に摂るといいですよ。

今回教えていただいた、冬におすすめのりんご茶と金柑しょうが茶はすごくおいしくて、体がポカポカ温まりました。

りんごはリラックス作用があり、眠れないときに飲んでも。同じくリラックスできるなつめやローズと、いい組み合わせなんです。紅茶に落としたり、ラム酒を入れたり。実ごとしょうゆと合わせて照り焼きのソースにしたり、料理にもアレンジできます。しょうが茶に金柑を入れるのは、わが家のオリジナル。このお茶のおかげで、病院要らずでした。

お茶の力を借りて、養生できるなんて理想的です!

韓国の伝統茶について学んだkazumiさんの感想

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photograph:Aya Sunahara text:Mayumi Akagi
リンネル2024年2月号
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単体でもいいし、食材を組み合わせてもいい。一緒に摂ることで相乗効果もあります。食材の性質を覚えておくと組み合わせやすく、自分に合ったお茶が作れますよ。