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:【インド・ラダックへ! 絶景スポットをめぐる旅】 現地の治安&交通手段も紹介:加藤恵さんの初インド旅Vol.4 〈最終回〉
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リンネルの誌面でも素敵なメイクを提案してくれる、ヘア&メイクアップアーティストの加藤恵さん。実は専用のInstagramアカウントを開設するほどの旅好き!
今回は初めて訪れたインドでの旅路をレポートしてくれます。最後となる第4回は、念願の地、ラダック編。憧れていた場所で見たもの、感じたものとは?

加藤 恵さん(ヘア&メイクアップアーティスト)
『リンネル』をはじめ、数多くの雑誌や広告で活躍。ナチュラルからきちんとメイクまで、その人やファッションに合わせたメイク提案はモデル・女優からの支持も絶大。
現地の風景や触れ合いを納めた旅の写真をInstagramで更新中!
@megtabi
ついに憧れ続けたラダックへ!

飛行機の窓から見えた、ラダックの山々は息をのむような美しさ
一緒にジャイプールで過ごした清水みさとちゃんと別れ、ラダックへ向かいます。
ラダックの中心都市「LEH(レー)」に向かう飛行機では窓際の席に座ったほうがいいよ!という助言をもらっていたのですが、人気で取ることができず……。
しかし隣の席の紳士が私にも見えるように身体をうすーくしてくれたおかげで、上空から標高5000m以上の茶褐色をした乾いた山々が連なっている様子と、ときおり雪や氷河が残っている姿を目にすることができました。
あんなにも乗客全員が興奮気味に窓からの景色を眺めているのを見たのは初めての経験で、私も気分が高まり、ようやく訪れることができたことのうれしさで、思わず涙が溢れてきました。

レー空港に到着
小さなレーの空港に降り立ったら、タクシーに乗って宿まで行くつもりでした。
標高がグンと上がって3500mもある場所なので、高山病を避けるためにあまり歩きたくはありません。でもなぜか車もタクシーもまったく見当たらず、みんな空港の出口に向かって歩いていました。向かった先にタクシーがいるのかと思って、私も後を追っていきます。
道路に出たのはいいけれど、ガラーンとしていて車も走っていなければタクシーもいません。
なんでだろう……?
様子がおかしいので、地元のおじさんに話を聞いてみると「今日、明日はストライキだからタクシーもお店もすべて閉まっている」とのこと。じゃあ私はどうやって宿まで行けばいいの?と聞いたら、バスが出ているからそれに乗れとのこと。でもバスはいつ来るかわからないよ!と……(笑)。
バス乗り場には人だかりができていて、どう考えても一巡目では乗れなさそう。これは困った……。バス乗り場で待つよりも、このおじさんの近くで話しながら待っていれば誰かヘルプしてくれるかも?と、ちょっとした可能性にかけて待っていました。するとひとりのバイクおじさんが来て、地元のおじさんと何やら話し込んでいました。
これはもしかすると!!? そう、ビンゴです(笑)!!!
バイクおじさんが街の中心にあるマーケットまで連れて行ってくれるとのこと!! バックパックで旅をしていると、こういうときにどんな乗り物でも乗ることができるので最強なのです。
みんながまだバスを待っているなか、私はバイクの後ろにまたがり、ビューンとひと足先に街へ向かうことができたのでした。
最後にチップを渡そうとしたら拒否され、クールに去っていきました。イケメンすぎる出会いから幸先のよさを感じるラダック旅のはじまりです。
改めて伝える
【インド・ラダック】というところ

ラダックの中心都市レー。この日はストライキですべてのお店がクローズ。
ここでラダックについての情報を整理しますね。
インド最北、ヒマラヤ山脈とカラコルム山脈に挟まれた高地で、中国(チベット)やパキスタンとの国境に接しています。標高は3000m以上と非常に高く、チベット仏教文化が色濃く残っていて、僧院(ゴンパ)や祭り、仏教芸術が有名です。その一方でイスラム教徒のコミュニティも存在します。インドに位置しながらチベット文化が色濃く残る地域であり、壮大な山岳景観と伝統的な僧院文化が魅力な場所です。
この連載のVol.1でも書いた通り、標高が高いため、高山病には十分な注意が必要です。そのほか、インドのSIMカードが使えず、ラダック専用のSIMカードを買わないと通じないという点も、注意事項としてお伝えしておきます。

私が感じた【ラダック】の治安
ラダックは中国(チベット自治区)やパキスタンとの国境に近いため、軍が常駐しており、立ち入り制限区域があります。インド国内でも比較的治安が安定している地域とされていています。中心地であるレーの街にはいくつかのBARもあり、標高に慣れたらお酒をたしなむこともできました。ただ、日本とは違うことは意識し、最低限のことには十分注意を払ってください。
ラダックの
大自然を感じるスポットへ!

ラダックではいくつか訪れたいスポットがありました。まずはインド映画『きっと、うまくいく』のロケ地にもなったパンゴンツォ。ここはラダックとチベット自治区の国境付近にまたがる湖で、標高が約4300mの場所にあります。湖水の色が時間帯や天気で 青、緑、ターコイズに変化するのでかなりの絶景スポット。
パンゴンツォやヌブラ渓谷など一部エリアでは「パーミット(許可証)」が必要なのでレーの街であらかじめ取得してから向かいます。
パンゴンツォは人気なのでツアーがたくさん出ています。しかし私が訪れた時期がオフシーズンだったのとストライキが重なったため車が少なく、ツアーを探すのが少し大変でした。根気よく探してツアーを見つけることができてひと安心。自分の要望を伝えて、旅行会社の人と相談しながらプランを決めました。
メンバーはインド人夫婦、ウェールズのおじさま、私の4人。プランとしては2泊3日でデスキット、フンダル、トゥルトゥク、パンゴンツォ、をまわるというルート。ツアーのプランが決まれば明日の出発を楽しみに待つのみ!!
ツアーでめぐった4つのスポットはこちら!
SPOT
01
映画のロケ地にもなったパンゴンツォ
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02
ヌブラ渓谷の中心地デスキット

ラダックの北部、ヌブラ渓谷の中心的な村となるデスキット。ラダックでは古い僧院のひとつであるデスキットゴンパがあります。
SPOT
03
広大な砂漠と緑が共存する村、フンダル
SPOT
04
異文化が交差する場所トゥルトゥク
移動中も寝ていられない!
車中から見た景色


ツアー中、なにが素晴らしかったって道中の景観が最高すぎました!! 標高が高いので基本的には乾いた世界なのですが、景色が同じように見えてころころと変化していくんです。インダス川に沿っての崖沿いの山道を走ったり、緑と羊で溢れるエリアがあったり。浅瀬の川を車のまま横断したりと、かなりのアドベンチャー&デスロード。整っていない道を走ることが多かったので、身体のバウンドも激しめで忙しい(笑)。
途中渋滞で車が動かなくなったと思ったら、道を作っている真っ最中だったり。そんななかでも相変わらず景色は美しく、山肌の色味の少しずつの変化に見惚れていました。まるで映画のスターウォーズに出てくる惑星に迷い込んだような……。火星ってこんな雰囲気なのかなと想像してみたり。

どこを見ても絶景ばかりなので、イケメンだったドライバーさんの写真を撮っていました(笑)。
現地でのツアー会社はどうやって決めた?
とにかくたくさんある旅行会社。結構な悪路を進むのでドライバーの技量や判断力などが必要になってきます。口コミを見ると事故に巻き込まれたなどという恐ろしい書き込みも……。でも実際どうやって判断すればよいかは難しいところ。今回は2泊3日という長めのプランなので絶対に失敗したくない!
そんなとき、お客さんがたくさん入っている旅行会社を見つけて、ちょうどツアーから戻ってきた旅行者と話ができたのでこちらに決めました!
「Yak Travels」
オーナーがフレンドリーで、私の要望を汲み取ってくれつつ、プランをまとめてくれました。宿まで迎えに来てくれたり、親身に話を聞いてくれて感謝です。私は安心して旅路を委ねることができました!
そしてここでおもしろい出会いがひとつありました。前述したとおり、ラダック旅は入域許可証というものが必要な場所があります。旅行会社のオフィスに行った際、オーナーが「さっき日本人の男の子が来たぞ。夕方くらいに入域許可証を取りに来るよ!」と。
そんな話をしていたら、若い男性が入って来ました。私はもう帰るところだったので、挨拶程度のちょっとした会話をして、何か聞きたいことがあるかもしれないのでインスタ教えてください。と言われ、交換だけして別れました。
すると何日か後にその彼からDMが来て、デビットカードをなくしてしまったと……! ラダックという場所は少し独特で、クレジットカードがほぼ使えず、現金主義の街。私もキャッシングしながら現金を調達していました。カードをなくしてしまったら、この街にいるのが厳しくなります。そして私とは旅行会社で少しだけ会話した仲。困りました……(笑)。パニックになっているのは確か。でも相手のことを知らない。貸してあげたいけどどうしたらいいのだろう。
すると彼は「実は清水みさとさんと家族ぐるみの仲なんです。みさとさんから連絡あると思います」そんなメッセージを送ってきました。
マジで意味がわかりませんでした(笑)。
そんなことある!??って!
ラダックに来る直前まで、みさとちゃんと旅を一緒にしていたのに、ここでまたみさとちゃんの名前が!! そして追い討ちをかけるように、「自分の父親はととのえ親方なんです」と。
え!? どういうこと? 知っています……!
サウナ界の重鎮!!
いろいろと頭がついていかなくなり、こちらもプチパニックになりつつ、おもしろいご縁の繋がりを感じ、無事に彼に現金を渡すことができました。なぜかすべてのことが繋がって、こんな不思議な出会いを経験する奇跡。
おもしろすぎるぞ、インド!!!
インドで気づいた、旅という存在

ラダック旅は私にとって少しハードルが高い場所でした。情報も少ないし、コロナ時期を挟み、旅の仕方を忘れてしまって……。だからせめて情報だけは集めようと動き回りました。その情報量のおかげで恐怖心も減り、今まで通り自由で自然な旅をすることができ、ひさびさの感覚に震えました。やはり旅は私にとって仕事とのバランスを取るために必要なこと。そしていろんな文化や人に出会うことで、自分の凝り固まった考えをフラットにしてくれる、とても大事なものだと、再確認できた記憶に残る旅になりました!!
長くなりましたが、記事を見て少しでもインドに興味を持ってもらえるとうれしいです。といっても私はまだ2回しか行ったことがないのですが……(笑)。
読んでくださり、どうもありがとうございました♡
photo & text : Megumi Kato web edit:Hiroko Ishiwata
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
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今回インドを旅したのは……