北欧
:北欧スウェーデンのおやつ時間「FIKA」にまつわる話あれこれ_12か月のお菓子 Vol.1
北欧
:
リンネル本誌で連載中の北欧のお菓子のお話。定番のレシピや一度は訪れてみたいストックホルムにある素敵なカフェの情報を、スウェーデンのイラストレーター、ティナ・バックマンさんのイラストとともにお届けします。
北欧スウェーデンのおやつ時間「FIKA」にまつわる話あれこれ_12か月のお菓子 Vol.1
Vol.1 FIKA(フィーカ)の定番おやつについて

そもそも、フィーカは何のため?

スウェーデンの人々と会話をすると、必ず耳にする言葉が「FIKA/フィーカ」。フィーカとはコーヒータイムのことで、友だち同士、家族、オフィスではもちろん、初めてのデートの誘い文句になったりもします。
コーヒー(kaffe)を逆にしたものが語源といわれているフィーカは「Ska vi fika?(フィーカしない?)」という毎日の合言葉。特にオフィスでは、仕事中のフィーカでスタッフ同士のコミュニケーションを図る役割も果たしているんです。
スウェーデンのフィーカ、今と昔
フィーカの歴史には女性の社会進出も深く関係

フィーカでは、コーヒーや紅茶と一緒に必ずお菓子をそろえます。まだ外で働く女性が少なかった時代には、家事の合間に女性たちが集まるカフェレープというコーヒータイムがありました。テーブルクロスや食器にもこだわるちょっと気取ったカフェレープでは、7種類のクッキーを出すという決まりがありました。7種類以下だとケチと言われ、それ以上だと高飛車と言われたとか。
イラストにもある昔ながらの7つの定番クッキーは、赤いジャムが目を引くラズベリージャムクッキー(ハロングロットル)、平たく焼いてカットするチョコレートクッキー(ショコラスニッタル)、素朴なオートミールクッキー(ハブレカーコル)、ほろほろ食感のドリームクッキー(ドロンマル)、アーモンド入りのファーマーズクッキー(ボンデカーコル)、細長いフィンランドスティック(フィンスカピンナー)、市松模様のチェッククッキー(シャックルートル)です。
女性の社会進出が進んだことでカフェレープもなくなり、その代わりに男女関係なく誰でも気軽に楽しめるフィーカが広まりました。最近のフィーカでは、昔ながらのクッキーを食べる人もいれば、グルテンフリーやシュガーフリーのクッキーを好む人も。まわりを気にせず、それぞれが好きなものを選びます。
【定番のレシピ】
ハロングロットル(ラズベリージャムクッキー)

北欧でベリーは定番の食材です。秋に収穫したベリーをそのまま冷凍したりジャムにして一年中保存します。
今回のレシピは、ラズベリージャムを使ったクッキーです。
スウェーデンの計量カップは1dL/ デシリットル(100mL)で、レシピの分量はdLで書かれています。
バター(smör)は500g の固形で売られ、50gずつ線が入ったパッケージに包まれているので、必要な分をナイフでカットして使います。

●材料(50個分)
バター…200g
バニラシュガー…小さじ1
グラニュー糖…1dL/デシリットル
小麦粉…4.5dL/デシリットル
ラズベリージャム…2dL/デシリットル
●作り方
1. 材料を混ぜ合わせる。
2. 生地を平らにし、ビニール袋に入れて冷蔵庫で30分以上寝かせる。
3. オーブンを175℃に設定する。
4. 生地を小さなボール形に丸め、オーブンペーパーを敷いた天板に並べる。
5. 並べた生地にくぼみを作り、そこにラズベリージャムを入れる。
6. オーブンの中段で10分ほど焼く。
※1dL/デシリットル=100mL/ミリリットル
一度は訪れてみたいストックホルムのカフェ
「ヘレンゲンス・ゴード」


取材: Yuka Bruselid


ストックホルム郊外の昔の農場跡地に立つ貴族の元大邸宅。カフェを持つのが夢だったソフィーとセシリアが手作りする焼き菓子を、18世紀のインテリアの中で楽しめます。古い暖炉や昔ながらの花柄の壁紙に囲まれて、懐かしい焼き菓子をいただくと、まるで中世にタイムスリップした気分になります。
イラストを描いたのは……

ティナ・バックマン
text & photos:Yuka Bruselid edit:Sachiko Imaizumi web edit:Masako Serizawa
リンネル2022年8月号より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
おすすめ記事 RELATED ARTICLES
Recommend
SNAPRanking
DAILY
/
WEEKLY

































