お風呂で温まり、水のバランスを改善
水分のバランスが乱れているために冷えやむくみが生じやすいタイプを漢方では「水毒」といいます。喉が渇いて水をよく飲むわりに、尿の回数が少なくむくみやすい一方、必要なところに水が不足するため、塩分や水分の摂り過ぎには注意が必要。水を抱え込む性質のある塩分を排出する、カリウムを多く含む緑黄色野菜は積極的にとりたい食材です。
[出やすい症状]
・手足、顔のむくみ ・喉の渇き ・めまい、立ちくらみ ・軟便
おすすめの漢方薬
五苓散(ゴレイサン)
水分代謝がうまくいかず、余分な水が体のどこかに偏在する「水滞」を改善する代表的な処方。むくみをはじめ、喉の渇きや頭痛、めまい、下痢などの症状がある人に用いられる。
当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)
水のバランスを整えるだけでなく血の流れもよくする漢方薬。血行をよくして全身に栄養を巡らせながら、水分代謝を整えることで余分な水分を取り除いて、冷え性や月経不順を改善する。
生活習慣のアドバイス
38〜40℃のお風呂でじっくり温まる
忙しいとついシャワーで済ませたくなりますが、水のトラブルがある人はできるだけお風呂に浸かるようにしましょう。全身が温まって冷えが和らぎ、むくみの解消にもつながります。お風呂上がりにはボディクリームなどを塗りながら保湿を兼ねたマッサージを。
階段を昇る運動で脚のむくみを解消
夕方になると靴がきつくなる人は、適度な運動でむくみを解消しましょう。エスカレーターではなく階段を使うようにするだけでも、血流が改善してむくみの解消になります。
教えてくれたのは……渡邉賀子さん
PROFILE
麻布ミューズクリニック 名誉院長。漢方専門医。2003年、慶應義塾大学病院漢方クリニックで一般漢方外来を担当しながら「漢方女性抗加齢外来」を開設。2004年に女性外来・麻布ミューズクリニックを開院。
illustration:Shinco Uematsu edit & text:Rikako Yamada[Les Quatre] web edit:Mina Ota
リンネル2018年6月号より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
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