いよいよ花粉飛散がピークの時期。今だけ我慢すれば……なんて無理は禁物。暮らしの中でもちょっとしたケアを心がけるだけで、症状は軽くなります。
目次
つらい花粉症を和らげる! ピークの今、悪化させないためにできる対策とは?
教えてくれたのは……葉山かどくら耳鼻咽喉科 門倉義幸先生

PROFILE
耳鼻咽喉疾患の治療だけでなく予防も行うのがモットー。予防医学に力を入れ、食事や運動の指導も行う。著者に『知らなかった! からだに良いもの悪いものポイント20』(クインテッセンス出版)。
花粉の接触を減らして症状を少しでも軽減!
お正月から少しずつ始まった花粉の飛散もそろそろピーク。今、症状が最もきつい人も多いのではないでしょうか?
そこで、舌下免疫療法や予防医学に力を入れる「葉山かどくら耳鼻咽喉科」の門倉義幸先生に、花粉症の症状を軽くするための身近なケア方法を教えてもらいます。
「日々の生活で少しでも症状が出ないように工夫することが大切。一番はスギ花粉との接触を避けること。晴れた日や風の強い日は外出をなるべく控え、窓はしっかり閉めておきましょう。花粉が飛ぶ前から予防のため薬を使用すると症状が軽くて済みますが、そこまで重くない人は花粉症の症状が出たタイミングで内服を開始しましょう」
今すぐ実践! 暮らしの中でできる花粉症対策4選
〈対策 1〉
洗濯物は午前中に取り込む

「花粉は時間帯によって飛散量が違います。11〜14時が最も多く、気温が高くなればなるほど飛散量が増えてくるので、できるだけ午前中に洗濯物を取り込むこと。取り込む際には、花粉を払い落として。また、地面に落ちた花粉はアスファルトでは吸収されず、風が吹くたびに舞い上がる。風の強い日は部屋干しがおすすめ」
〈対策 2〉
帰宅したら鼻うがい&部屋着に着替える

「帰宅したら玄関に入る前に服についた花粉を払い落とし、きれいな部屋着に着替えましょう。そのあと、顔に付着した花粉を洗い落とし、手洗いと鼻うがいをすればバッチリ。市販の鼻うがい薬もありますが、沸騰させた水1Lに対し9gの食塩を溶かし、人肌の温度になったら鼻に流し込める専用ボトルでケアしてもOK」
〈対策 3〉
服装はツルツルしたナイロン素材

「ウール、フリーズ、ファー、モヘアなど、けば立った服には花粉が付着しやすいため、ナイロンやポリエステルなどの表面がツルツルした素材がおすすめ。肌の露出をできるだけ控え、スカートよりもパンツ、首もとにはシルクのスカーフなどを巻くとよいですね。髪の毛が長い人はひとつにまとめておきましょう」
〈対策 4〉
早朝ジョギング

「動物実験では、軽い運動負荷によってアレルギーが抑制されると報告されています。体の代謝を上げるには有酸素運動が有効なので、花粉が少ない早朝に軽くジョギングすることをおすすめします。週2日以上、合計150分以上を心がけて。野外で運動することに抵抗がある人は、屋内プールでスイミングしてもよいですね」
点鼻薬のほか、花粉症体質を根本的に改善する治療にも注目!
「花粉症対策としては、一般的な内服液や点鼻薬の治療に加え、根本的にアレルギー体質を改善する舌下免疫療法が浸透してきました。舌下免疫療法は口内にアレルギー原因物質(スギやダニ)を毎日少量摂取する方法で、早い人では3〜6か月で効果が出るうえ、最近では8割の人の症状が改善し、2割が完治するというデータも。5歳から開始できるのでおすすめです」
舌下免疫療法

問診、皮膚反応テスト、血清抗体検査の検査結果でスギ花粉症と診断された患者のみ受けられる。1日1回アレルゲンを少量から服用し、数年間にわたって継続。飛散が収まる6月頃から治療をスタート。
ステロイド点鼻薬

ステロイドと聞くと多くの人が拒否反応を示すものの「ステロイド点鼻薬」は体内への吸収がきわめて少なく、副作用の心配もないため、アレルギー性鼻炎治療の最初に使われる。
善玉菌を増やす食事

アレルギーを悪化させないためには腸内の善玉菌を増やすことが重要。善玉菌のエサになる乳酸菌やオリゴ糖のほか、菊芋、ごぼう、ニンニク、海藻など血糖値正常化や便秘改善に役立つイヌリンを摂取。
あなたにおすすめの記事
text:Tokiko Nitta illustration:Nonoco Shiraishi web edit:Mina Ota
リンネル2020年4月号より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
Related Article おすすめ記事
- 【2023年最新版! 花粉の時期のセルフケア】 今日からできる対策で症状を和らげよう 【2023年最新版! 花粉の時期のセルフケア】 今日からできる対策で症状を和らげよう
- 【免疫力を高めるための入浴・睡眠ケア】疲労を取り除き、芯からリラックス 【免疫力を高めるための入浴・睡眠ケア】疲労を取り除き、芯からリラックス
- 運動とストレスケアで免疫力を高めて、風邪やインフルエンザに負けない体に! 運動とストレスケアで免疫力を高めて、風邪やインフルエンザに負けない体に!
- 免疫力を高める食事の習慣 おすすめの食材や食べ方もご紹介! 免疫力を高める食事の習慣 おすすめの食材や食べ方もご紹介!
- ゆるく始められる“ゆるフェムケア”ルーティンで心と体を健やかに保つ方法 ゆるく始められる“ゆるフェムケア”ルーティンで心と体を健やかに保つ方法
- “フェムケア”とは?大切なのはフェムゾーンに負担をかけない基本のケアや生活習慣 “フェムケア”とは?大切なのはフェムゾーンに負担をかけない基本のケアや生活習慣
- 【風邪を早く治すコツ】長引かせずに体力を回復する6つの対処法 【風邪を早く治すコツ】長引かせずに体力を回復する6つの対処法
- 【風邪の予防法】6つの生活習慣でできる風邪やウイルス対策 【風邪の予防法】6つの生活習慣でできる風邪やウイルス対策
- 【温活マスター5人のおすすめアイテム】食事や運動で、内側から温めて冷え改善! 【温活マスター5人のおすすめアイテム】食事や運動で、内側から温めて冷え改善!