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【内田彩仍さん連載:明日もいい日になりますように】 「第24回 行きたいところ、会いたい人へ」 【内田彩仍さん連載:明日もいい日になりますように】 「第24回 行きたいところ、会いたい人へ」

内田 彩仍
連載 #明日もいい日になりますように

丁寧な暮らしぶりやセンス溢れる素敵な着こなしで人気を集める内田彩仍さん。日々のなかで内田さんが見つけた小さな幸せや、暮らしの工夫をお届けします。11月後半、広島を訪れた内田さん。素敵な人やモノとの出会いがたくさんあったようです。「明日もいい日になりそう」と、皆さまが穏やかに前を向けますように。

内田彩仍さん Profile

内田彩仍さん
福岡県在住。夫と愛猫そらと暮らす。雑誌などで紹介される丁寧でセンスのある暮らしぶりが人気。 『内田彩仍さんと作った 白のキャンバストートバッグBOOK』(宝島社)、『変えること変わらないこと』(主婦と生活社)など著書多数。 新刊『衣食住、暮らしに寄り添うもの選び』(集英社)が発売中。

クリスマスも終わり、今年も残すところあと数日となりました。2024年の年の瀬、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
と言いつつ、このブログは立ち上げる一週間ほど前に書いているので、もう少しクリスマスまで日にちがあるのですが、
多分、私はいつものようにクリスマスを過ごし、このブログが立ち上がる26日には、飾っていたクリスマス小物を片付けつつ、「お正月のしつらえはどんなふうにしよう」と、あれこれ考えていると思います(笑)。
本当に一年経つのが早いですね。

11月の後半に、日帰りで広島へ小旅行に出かけました。福岡から1時間ほどの旅。
出かけようと思ったきっかけは、お会いしたい方がいて、行ってみたいイベントがあったから。
そして宮島で食べ歩きもしようという話になり、友人と共に出かけました。

ここ1、2年の私の目先の目標は、
「行きたいところがあれば迷わず出向いて行って、会いたい人には会いに行こう」。
そう心に決めて、今も続けています。
もともと臆病で出不精。そのうえコロナ禍で人とお会いすることがほとんどなくなったこともあって、臆病と出不精に拍車がかかってしまいました。

でもふと、これからの人生のことを考えると、やりたいことをやらずに過ごすよりは、まずはやってみた方が、人生楽しくなりそうだし、様々な気づきもあって視野が広がる気がします。
怖がりなので、何かやろうとするたびに緊張するけれど、今は臆病になるよりも自分の気持ちに素直に行動してみようと強く思いました。
少しずつ、日常生活に無理のない範囲で実行していくなかで、お会いした方からたくさんの元気をもらったり、いろんな方に支えてもらっていることに気づいたり。頑なになっていた心にも余白ができました。

今回の広島へ行こうと思ったきっかけも、お会いしたい方がいたから。
以前から新刊が出るたびに編集の方にご連絡をくださったり、イベントをしていただいたり。いつもお世話になっている書店員の方が広島の蔦屋書店にいらして、その書店員さんにお会いしたくて、伺うことにしました。
今回も新刊のイベントを11月15日から来年の1月8日までしてくださっています。この一年、本を大事に作ったご褒美のように思えて、うれしく心強く感じました。

蔦屋書店に伺うと、お会いしたかった西林さんが笑顔で迎えてくださり、店内の一角には本の表紙のポスターと共に、新刊やこれまでに出版した本、本に掲載している食まわりの雑貨や食器が並んでいました。
このイベントを通じて私が日々使っている器を作られた方と、こんなふうに関わらせてもらうことができて、幸せな気持ちになりました。
イベントにご参加くださった皆さま、誠にありがとうございます。

私が足繁く通っている、チャビットのオリジナル食器も並んでいて、いつも見慣れた景色にほっとしました。
私はもともと緊張しいで、面白いことが言えるタイプでもないから、誰かとお会いすると、
「こう話せばよかった」「ああすればよかった」と、
これまではお会いした楽しさよりも、後悔ばかりが募っていました。
でもそれは、うまくやろうと気負ってしまっているからだと気づき、今回は「身の丈以上の自分にはなれない」と思い、抗うことなく普段の自分のままで会話することに。

西林さんといろいろとお話しするなかで、いつも本を手にしてくださっている方々とお会いするようなイベントが、いつかできたらという話にもなりました。
手に取ってくださる方には、いつも「ありがとうございます」とお伝えできたらと思っているので、その時を楽しみにして、皆さんと気負わず笑顔で話せる自分を育てていこうと思います(笑)。
帰り際に西林さんに撮ってもらった写真。
西林さん、この度は大変お世話になりました。楽しいひと時をありがとうございます。
今回のイベントは1月8日まで。どうぞよろしければ、行かれてみてくださいませ。

それから、もうひとつの目的だったイベント「maruni no okonomi」を見に、同じビル内にあるマルニへ伺いました。
ちょうどミナ ペルホネンの余り布で作るオーナメントワークショップをされていて、広島に来た記念に作ってみることに。
その場で同席した方とお話ししながら、宮島の素敵なカフェを教えてもらい、宮島を訪れるのがさらに楽しみになりました。こんな出会いも旅ならではですね。
最寄り駅までの連絡バスを待っている間にいただいた、SAMO COFFEEのカフェラテ。風味豊かなコーヒーでとても美味しかったです。

その後、フェリーに乗って宮島へ。

今回宮島を訪れたのは3度目ですが、これまで引き潮の時ばかりに当たってしまっていて、初めて海に浮かぶ厳島神社を拝見することができました。

携帯で調べながら、美味しいものを探したり、私は食べられないのですが、名物の焼き牡蠣を友人に味わってもらったり。
でも牡蠣を手にしていると、鹿が寄ってきて取られてしまうので、慌てて食べなければならず、ゆっくりと味わう暇はなかったようです(笑)。

そこから、先ほどワークショップでご一緒した方に教えていただいたカフェに行こうと、人に聞いたり、地図を見たりして探していたのですが、どうも道に迷ってしまったらしく別のカフェに辿り着きました。
でもこちらのカフェも居心地よくて美味しくて、何より空が近く感じました。

高台のカフェから、宮島の風景と海を眺めながら、友人と「教えてもらったカフェにはまた来よう」と話しました。
この一年、2月の骨折に始まり、本当に病気ばかりで大変でした。
この明るくまばゆい陽光の景色を見ながら振り返ると、
日々感謝することばかりで、辛かったことも幸せな思い出に変換することができました。

帰りのフェリーから見ていた空。燃えるような夕やけの空に龍が昇っていくような雲を見つけました。対岸に着くまで心地よく眺めながら、以前、龍が昇っていく夢は大吉と聞いたことがあるのを思い出しました。
夢ではありませんが、とても美しかった空。このきれいな空に願いを込めて、
来年も、皆さまにとっても私にとっても、笑顔溢れる年となりますように……。

今年もこのブログを、読んでいただき誠にありがとうございました。
どうぞよいお年をお迎えくださいませ。

そして、皆さまも私も、明日もいい日になりますように。

インフォメーション

広島T-SITE

ほかの記事も見る>>>内田彩仍さん連載:明日もいい日になりますように



photograph: Kyoko Omori text: Ayano Uchida
※ 画像・文章の無断転載はご遠慮ください

エッセイスト・スタイリスト

福岡県在住。夫と愛猫そらと暮らす。雑誌などで紹介される丁寧でセンスのある暮らしぶりが人気。 『内田彩仍さんと作った 白のキャンバストートバッグBOOK』(宝島社)、『幸せな心持ち』(主婦と生活社)など著書多数。 新刊『衣食住、暮らしに寄り添うもの選び』(集英社)が10月25日に発売。
リンネル.jpでは、日々の中で見つけた小さな幸せを綴る「明日もいい日になりますように」を連載中。

連載 明日もいい日になりますように

内田 彩仍

連載 #明日もいい日になりますように

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